ダメ人間の異世界旅行

成瀬

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2章

和製ロリとちょっとした修行

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「いいこと考えた」

 おだやかな昼下がり、突如として俺の頭に浮かんだ名案。厄災の象徴《黒龍》こと、クロの背中でレンちゃんとチハとゴロゴロしているとき、ニュートンのヒラメキにも勝る思い付きをしてしまった。

「へいへい。どうしたよいおりん」

 そして、それにとても冷たく反応するチハ。あ~、こいつはあれだな。俺のことを根本的にナメてやがるな。

「聞いて驚くなよ?コイツの背の上でもできる究極の暇潰しだ」

「ほう…?」

「こいつの鱗をすべて引き剥がしてばら撒く…とかどうだ?」

「なんの意味があんのよそれ」

 でも実際それくらいしかやれる暇潰しなくね?レンちゃんもチハも、そんなジト目で見なくて良くね?クロも、何ちょっと安心した感じで溜め息はいてんの?

「この状況を破壊していいなら最高の暇潰しがあるけど」

「ほーん?」

「黒龍の背から紐無しバンジー!」

「イオリさんはお馬鹿なんですね…」

「よし、先頭打者いおりん!いってこーい!」

 勢いよく結界の外へ放り投げられる俺。なんか俺が落とされた後、クロの飛行スピード上がってね?俺のこと置いていくつもりなのかアイツ等……。
 いいもん…、どうせ小学四年生の時と同じなんだよ!
 アイツ等…アイツ等はなァ!林間学校で俺のことを、置いてけぼりにした挙句、「やっべ、伊織のこと忘れてたわ!てへぺろっ」とか言ってきたんだぞ…うぅ。

「あー…、どうすっかな。うーん…とりあえず《飛翔フライ》展開…行け!伊織!クロの肛門目掛けて突進ーーーッッ!!!!」



───────────────(´・ω・`)




Side──クロ


 我が主、伊織がチハと呼ばれている子供に結界の外へ放り捨てられた…。

『我の背から落ちて主は大丈夫なのだろうか…?』

 ふと疑問に思ったことを口にしてみると、小娘2人は我の背で笑い始めた。主は未だに落下している様子じゃし……ぬっ!?主の魔力の波動…!

「あ、これやばいやつ。クロ!全速力で逃げて!!」

 チハの願いを聞くのは癪だが…これは願われなくとも逃げる。無理だ…無理だ!無理だ!無理だ!我が主…伊織の魔力は、厄災とも呼ばれた我の魔力を、軽く凌駕しておる…。そんな奴から逃げ切れるわけがない…。お仕置きの時間を少しだけ遅くする…その程度だろう…。

「クロォォォォォォッッッ!!!!」

 この世界で最も恐ろしい生物の声が響いたと思えば何故か我の肛門が…

『ンギャァァァァァア!!!!!!!』

 今までに経験したことの無い痛み…否、絶望を感じた。
 あの日───…我が主に、木っ端微塵にされた時よりも深い絶望。死ぬ方がマシ…そう思わせるほどの激痛が肛門から内臓を襲う…。

「クゥゥゥゥゥロォォォォォォオ!!!俺を置いていったなぁぁぁあ??」

『ぐ、ふ…待つのじゃ…まっ、まって…まってぐだざい…』

「ちょ、クロちゃんふらふら!しっかり飛んでぇ!」

 遠ざかる意識の中、もう一人の小娘レンの悲鳴にも聞こえる叫びでギリギリ意識を取り戻せた…が、肛門が……肛門が………痛い痛い痛い痛い痛い!!!!

「チハも俺に言うことがあるよなぁ?」

 我らドラゴン…いや、我らの始祖にもあたる神龍神の使いよりも遥かに強い威圧───…
 なにやら…背が生暖かい…

『ぬぅ!?チハとやら!漏らしとるぞ!!!』

「クロは静かにしろ!」

『はっ、はぃ…』

 我の背で漏らすとは…今すぐにでも切り裂いてやりたい…。じゃが無理じゃ…。あの威圧を一瞬喰らっただけで……我も…漏らしてしまった………。チハとやらの気持ちがよくわかる……、大丈夫じゃ……我は味方じゃぞ………。

「い、いおりん…?ご、ごめんやん…?」

「そ、そそ、そうですよ。ち、チハさんも悪気が……悪気はあったと思いますけど…」

 悪気はあったじゃろうな…。

「レ、レレレ、レンちゃん…?たっ、たしゅっ…」

 ぬ…チハとやらは気を失ってしまったのぅ…。それも仕方ないじゃろうな……恐らくあれは《神威》じゃ…。神龍様のモノとは、比べ物にならないほど強力じゃが…な…。

「ふむ……。軽く威圧しただけでもダメか」

 かっ、軽くじゃと!?何なのだ伊織は!本当にこやつは人間なのか!いや…この世界にいて良い生物なのか!?
 …うん。決めた。我は、絶対に伊織には逆らわんぞ…。伊織に逆らうくらいなら、伊織以外の全人類と戦争した方がマシじゃ。

「おいクロ」

『は、はひっ。なんでしょうか?!』

「俺ちょっと寝るから…今度ふざけたことしようとしたら……な?」

『えっ、あの、やったのはチハと言う小娘で…わ、我…私は…なにも……』

「それを止めんのがお前の仕事だァ!!」

『はっはひぃぃぃ!!!!』



──────────────(´・ω・`)



Side 伊織─────


 ったく…ちょーっと教育しなかったらチハもクロもすぐ調子に乗るんだからなぁ。まあもう大丈夫だろうな。手加減したけど《神威》直接ぶつけられて平気な奴なんて、シルえもんくらいだろうし。

「イオリさん、お疲れ様でした」

 やっぱレンちゃん天使だよなぁ…天使属性半端無いもん。シルえもんに頼んでもレンちゃんと、一生一緒にいられるようにできないのかなー。シルえもん肝心な所でポンコツだから諦めるしかないか…。はぁ、寝よ寝よ。

『できるわ!神をなめるでないぞ!』

 はいはい…ぺろぺろ

『ぐぬぬ…神に出来ぬ事なんて無いのじゃあ!』

 それよか俺に神界の魔法教えてくれよ。

『それは良いが…なんでじゃ?』

 興味だよ興味。

『わかったわい…』

 今から寝るから夢ん中に出てきてくれ。そこで教えてくれれば良い。頼んだぞシルえもん!

『神にできぬ事はない!頼まれたぞい!』



──────────────(´・ω・`)



 シルえもんに神界の魔法教えてもらうために寝るって言ったし寝るかぁ…。


『ワシじゃ。シルじゃ』

「夢ん中にまで出てくんなよ!」

『ファッ!?』

      テロン♪

 あ、この間抜けな音ひさびさだなぁ。
 【称号《理不尽の極み》《神を玩具に思う者》を取得しました!】
 いやいらねえよ!これってシルえもんの仕業…では無さそうだな。目の前の和製ロリは、キョトン顔でこっち見てるしな。

『ね、ねぇ…?』

「なに」

『天界魔法教えるぞい!』

「その喋り方似合わんぞ。 よっしゃこーい!」

 和製ロリが、ぐぬぬ…、とか言ってても全然萌えないんだよなぁ。おにいたん♡とか言われたらちょっとね?全国の俺ならわかると思うんだけど…な?ほら…な?………な?

『まず…魔力の根源…魔素と同じように感じる所から始めよう。…えっと、この空間全域に、わっ私の神力を霧散させたから…感じて?』

 その感じ方を教えるんじゃないのかよ!…神力ってこれか?ぼやけてるけど、ちょっとだけ見える…気がする!ええい鬱陶しい!《神眼》発動!あ、これだな。ふよふよ浮いてるし、きっとこれだ。

『はぁ!?《神威》に続き《神眼》!?…もういいです。多分、無意識のうち、かなり薄い神力をあの世界でも取り込んでたんだと思います…はい』

「じゃあ魔法教えてくれ魔法」

『あ、はい。 じゃあ、神々が愛用してる滅びの魔法…《天罰》教えるね…。《天罰》さえマスター出来ればそれを応用して神力で色々な魔法が使えるから』

 ふむふむ。つまり、神の魔法は神力を自由自在に操る事なんだな。この辺は、魔力と変わらないのか…。魔力を体に纏わせる身体強化とか防御とか…それの、神力バージョンか。

『じゃあ…とりあえず体で感じてください…』

「ん?」

『我 悪しきを滅ぼし天の者 この地に平穏をもたらしたまえ!《天罰》』

 …つまりあれか?体で感じろってのは、一旦喰らってみろや!ってことか。創造神って馬鹿なの?いや、馬鹿だよな?頭おかしいよね?

「ちょ、ヤバイヤバイ!!俺の夢の世界が滅び…ああもう!《神の羽衣》発動!ついでにあれだ!えぇと…神力を拳に纏わせて…いっけえええ!!《神の鉄拳》!」

 オリジナル神界魔法《神の鉄拳》を発動したら、あら不思議。拳の形をした神力の塊が、《天罰》を飲み込んでいくではありませんか。これぞ匠の技。

『…あの』

「なんだよ!?死ぬかと思ったわ!」

『貴方もう神になりません?』

「は?…おーけーおーけー。なるなる」

 どうせ冗談だろ。

      テロン♪

   【称号《亜神》を取得しました】


 マジか。…マジか?

『マジです』

「はぁ…」

『じゃあそろそろお別れしましょうか』

「あ、はい。あざましゅた」 

『はい。またねダーリン♪』

 は?ちょっと待って。待てやクソ!おい!おいいいいい!!!!!何がダーリンだよボケ!でてこい創造神!夢なら早く覚めてえええええ!!!!



 目が覚めるとそこは、黒い龍の背中だった。そして何故か俺は…レンちゃんの乳を揉んでいた…。やったぜラッキースケベ!

 その後、俺がチハにクロの背中から突き落とされたのは言うまでもない。







   

        テロン♪





 【称号《創造神シルミユの旦那》を取得しました】







  ◇◆◇◆◇




《神威》…神の威圧。生命ある物全てを平伏させれる。使用者の力量次第では、威圧で人を殺せる。

《神眼》…神の眼。隠蔽魔法を掛けている人達に対しても、真のステータスを見ることが可能。森羅万象、世界の理を視ることが出来る。

《神の羽衣》…全身に神力を纏う物。物理攻撃、通常魔法、状態異常魔法、全てを無効化することができる。

《神の鉄拳》…拳に神力を纏う物。これは神力の無駄遣い。日本古来の、GE☆NN☆KO☆TU、に神力を纏わせ具現化させた物。ありとあらゆる防御を全て破壊する。

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みんなの感想(1件)

Rimu
2016.11.14 Rimu

全部読んだ!おもろwwwくろわろたぁwww

解除

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