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番外編 合コン

3話 黎の好きなタイプは? 亮です。

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「ねぇ、黎君っ!!」

女子たちが黎の肩を触ろうとしていた。黎のナイフを出そうとする動きをおれは瞬時に抑える。

「…なんだ?」
「黎君の好みのタイプってなに?」

女子たちはドキドキとしながら黎の回答を待っていた。
黎はきょとんとしていた。

「好きなタイプ…とは?」
「えー、だから、かわいいとかそういう…」

黎はうーんっと考えるような仕草をしてあっと声を上げた。

女子たちはドキドキっと黎の答えを待っていた。


「おれの好きなタイプは亮だぞ?」


黎は───そう、首を傾げながら答えた。

れ、黎っ──────!!!!!

「黎っ…ちょっ…」
「おれは亮が好きだからな。」
「え、黎君…?」

女子たちは引くような目で俺たちをみていた。

「え、あ、友達だからねぇ…あはは、」
「あぁ。好きだ。亮のような人が付き合うならいいなっ。」
「黎ぃぃっ!!!」
「?何かおかしなことを言ったか?」

おかしいっ…こと?いや、おかしいよ!!

「こういう感じの女の子ならいいってことだもんね?おれみたいな女の子、みたいな?」
「出来れば亮がいいんだが…。」

おれたちのやり取りを女子はやや引き気味に見ていた。

「へ、へぇ…。黎君は亮君のような人が好きなんだ…。」
「あぁ。そうだな。」
「へぇ…、それは…よかったね?」

女子たちはそういうとギロッとおれを睨んでいた。ま、まて!?何でおれが睨まれる!?
おかしいっ!!

「黎君は…亮君のどういうところが好きなの?」

女子たちのその質問に

「亮は…おれの人生を変えてくれた人だ。おれの…生きる希望を、意味を与えてくれた…おれの命よりも大切な人だ。
とても────好きだ。」

そう答えた。うわぁっっ!!黎っ!!

「へえ、そのぐらい黎君は亮君のことが好きなんだねぇ。…ヒソッぶち殺すか?」
怖い、女子の怖い声が聞こえましたけど!?
「もし…亮を傷つけるようなことがあれば…おれはお前ら全員ぶっ刺して殺すがな?」

黎はそういってナイフを…、やめて、てか、なんでこんなことになってんのぉっ!!



そして、またしばらく時が過ぎた。やや疲れていると…。

「…弟は…今どうしている?」

黎がそう話しかけた。

「勇太?家にいると思うよ。」
「連絡したのか?」
「あ、うん。」
「…弟も…いればよかったな。」
「え?」
「亮も…弟がいたほうが…嬉しいだろう?」

黎がそう聞いてきてびっくりした。まぁそりゃ…勇太がいたら…もっと賑やかにはなるとは思うけど…。

「まぁ、いたほうが…嬉しいかな。」
「そうか。」

黎は、そう頷くと携帯をいじりはじめた。

「え、黎…なにして?」

おれがちょっとびっくりしていると──

「あぁ。ちょっとラインを打っていた。」

その答えにおれはひやりっと身体を震えさせた。

「えっと…ラインって…誰…に?」

「────ん?弟にだが?」

──────わぁぁっっっ!!???

「ちょっ!?黎ぃ!?」
「ん?連絡したのではないのか?」
「したけど…飲みに行っていることは知らせてなくてっ…!!」
「…あっ。」

おれと黎がしばし硬直していると…。

ざわざわっと音が聞こえた───

もしかして…いや、そんなことは…。

──────まさか。

体を震えながらその声のする方に耳を傾けると──



「──────おい、兄貴は!?
クソ────兄貴はどこだ…っ?」


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