10 / 27
10
しおりを挟む
「グラッセ様! 今日こそはあなたに目にもの見せてあげますわ!」
ラズベリー公爵邸の庭園で、私が優雅に「新しい商売(魔導石の加工販売)」の事業計画書を練っていたときだった。
甲高い声とともに、招かれざる客が現れた。
ミナ男爵令嬢だ。
相変わらずピンク色のフリフリなドレスを着ているが、今日の彼女は一人ではなかった。
その隣には、熊のように体格の良い、強面の男が立っている。
銀色の鎧に身を包み、腰には立派な剣。マントには王家直属を示す紋章。
近衛騎士団長、ガストン将軍だ。
「……あら、ミナ様。またいらしたのですか? 前回の『お清め塩』、完売しましたわよ。追加の納品ですか?」
私が涼しい顔で尋ねると、ミナは顔を真っ赤にして地団駄を踏んだ。
「違います! 今日はガストン様にお願いして、あなたの悪行を正しに来たのです!」
ミナはガストンの腕にギュッとしがみついた。
「ガストン様ぁ、この女ですぅ。アラン様をいじめて、国を乗っ取ろうとしている悪女は! 私、怖くて……」
ガストン団長は、ミナの頭をポンポンと撫で、太い眉を吊り上げて私を睨みつけた。
「うむ、任せておけ。か弱い乙女を脅かすとは、騎士の風上にも置けん!」
彼はドスドスと私に歩み寄り、目の前に仁王立ちした。
見上げるような巨体だ。
「貴様がグラッセか。話は聞いているぞ。王子に法外な金を請求し、城の備品を奪ったそうだな」
野太い声が庭に響く。
私はペンを置き、ゆっくりと立ち上がった。
「法外? 正当な対価です。備品に関しては、差し押さえの手続きを踏んでおりますが」
「黙れ! 屁理屈をこねるな! 俺は曲がったことが大嫌いなんだ!」
ガストン団長は腰の剣に手をかけた。
チャキ、と金属音が鳴る。
「俺は近衛騎士団長ガストン。王家の盾であり、正義の剣だ! 貴様のような守銭奴に、鉄槌を下してやる!」
「鉄槌、ですか。それは『武力行使』という認識でよろしいですね?」
「ああそうだ! 俺の剣技の前では、金など何の役にも立たんことを教えてやる!」
ガストン団長が威圧感を放つ。
ミナが背後で「きゃあ、素敵ですわガストン様! やっつけて!」とはしゃいでいる。
なるほど。
アラン王子が金欠で役に立たなくなったから、次は「武力」に頼ることにしたのか。
単純だが、わかりやすい戦略だ。
しかし。
私はため息をつき、懐から手帳を取り出した。
「ガストン団長。あなたが『曲がったことが大嫌い』で、『正義の騎士』であることはよくわかりました」
「命乞いか? 今さら遅いぞ!」
「いいえ。――確認ですが、あなたの部下たち……近衛騎士団の装備一式、どこの業者が納入しているかご存じですか?」
「あぁ? そんなもの、知るか! 補給部隊の管轄だろ!」
「そうですか。ではお教えしましょう」
私は手帳を開き、指でとあるページを弾いた。
「騎士団の鎧、剣、盾、そして馬具に至るまで……その九割は、我が『ラズベリー商会』が納入しております」
「……は?」
ガストン団長の動きが止まった。
私はニッコリと微笑み、さらに続ける。
「ついでに言えば、騎士団の宿舎の食堂に食材を卸しているのも、訓練場の維持管理を請け負っているのも、すべて私の会社です」
「な、何が言いたい」
「簡単な話です。もしあなたが私に剣を向けるなら……」
私は電卓を取り出し、パチン! と叩いた。
「来期の納入契約、すべて白紙にさせていただきます」
「……なんだと?」
「現在、鉄の価格が高騰しておりましてね。特別価格で卸していましたが、契約解除となれば……そうですね、騎士団の皆様は来月から、木の棒と鍋の蓋で国を守ることになるかと」
「な、鍋の蓋だと!?」
「ええ。それとも、他社から仕入れますか? 市場価格は今の三倍ですが、王家の予算で賄えますかね? 先日の『玉座売却事件』で、国庫は火の車だと聞いていますが」
ガストン団長の顔色が、みるみるうちに青ざめていく。
彼は脳筋(失礼)だが、騎士団のトップとして、予算不足の深刻さは理解しているようだ。
「ま、待て。三倍は困る。ただでさえ、部下たちから『給料が安い』『鎧が重い』と不満が出ているのに……」
「さらに、食堂の食材納入も止めます。来月からは、乾燥豆と水だけのメニューになりますね」
「そ、それは暴動が起きる!」
ガストン団長が悲鳴を上げた。
「騎士にとって食事は活力の源だ! 肉を! 肉を奪うのだけはやめてくれ!」
「では、剣を収めていただけますか? お客様」
私が冷ややかに告げると、ガストン団長は慌てて剣から手を離し、直立不動の姿勢をとった。
「し、失礼しました! 商談の最中とは知らず!」
「ガ、ガストン様!?」
背後でミナが目を丸くしている。
「何をしているんですか! その女をやっつけてくださいよぉ!」
「バカ言えミナ! この御方は、俺たちの胃袋と装備を握っている重要人物だぞ!」
ガストン団長は額の汗を拭いながら、私に媚びへつらうような笑みを向けた。
「いやぁ、グラッセ様とは知らず、無礼を働きました。……あ、あの、来期の納入契約ですが、現状維持でお願いできますでしょうか?」
「検討します。ただし、条件があります」
「な、なんでしょう?」
私はチラリとミナを見た。
「私の庭に『不法投棄』されたゴミ(ミナ様)を、お持ち帰りいただけますか? 処理に困りますので」
「ゴミ……!? ひどいですぅ!」
ミナが叫ぶが、ガストン団長は即座に頷いた。
「承知いたしました! おい、ミナ嬢を送り返せ!」
「ええっ!? ガストン様、私を守ってくれるって……」
「騎士団の存続がかかっているんだ! 愛だの恋だので腹は膨れん!」
ガストン団長は、あっさりとミナを見捨てた。
やはり、金と食糧の前では、愛など無力なのだ。
「そんなぁ……! 信じてたのにぃ!」
ミナは泣きながら走り去っていった。
その背中を見送りながら、私はガストン団長に向き直った。
「賢明なご判断です、団長。……ああ、それと」
「は、はい!」
「来期の契約ですが、少し見直しが必要です。鉄の価格高騰分として、二割の値上げを」
「に、二割……!?」
「嫌なら契約解除ですが?」
「わ、わかりました! なんとか予算を工面します! ですから、肉だけは……肉料理だけは減らさないでください!」
屈強な騎士団長が、涙目で懇願している。
私は満足げに頷いた。
「商談成立ですね。契約書は後ほど送ります」
ガストン団長は何度も頭を下げ、逃げるように帰っていった。
静寂が戻った庭園。
私は再び椅子に座り、優雅に紅茶を啜った。
「……チョロいわね」
物陰から、シリルが拍手をしながら現れた。
「お見事。騎士団長まで手玉に取るとはな」
「あら、見ていらしたの? 助太刀に来てくださってもよかったのに」
「必要ないだろう。君の舌先三寸と電卓があれば、軍隊一つくらい壊滅させられそうだ」
シリルは笑いながら、私の隣に座った。
「しかし、ミナも懲りないな。次は何をしてくるやら」
「次? そうですね……」
私は空になったティーカップを見つめ、不敵に微笑んだ。
「権力、暴力ときて、どちらも金(わたし)には勝てなかった。となると、次は『情』に訴えてくるか、あるいは……」
「あるいは?」
「もっと『裏』の手を使ってくるか、ですね」
ミナの正体。
ただの男爵令嬢にしては、王族への取り入り方や、人脈の広げ方が手慣れている。
もしかしたら、彼女にはまだ隠された顔があるのかもしれない。
「ま、何が来ても請求書を切るだけですけど」
私は電卓を叩き、今日得られた「騎士団との新契約(二割増し)」の利益を計算し始めた。
カチカチという音が、平和な午後の庭に響く。
それが、次の嵐の前の静けさだとは知らずに。
ラズベリー公爵邸の庭園で、私が優雅に「新しい商売(魔導石の加工販売)」の事業計画書を練っていたときだった。
甲高い声とともに、招かれざる客が現れた。
ミナ男爵令嬢だ。
相変わらずピンク色のフリフリなドレスを着ているが、今日の彼女は一人ではなかった。
その隣には、熊のように体格の良い、強面の男が立っている。
銀色の鎧に身を包み、腰には立派な剣。マントには王家直属を示す紋章。
近衛騎士団長、ガストン将軍だ。
「……あら、ミナ様。またいらしたのですか? 前回の『お清め塩』、完売しましたわよ。追加の納品ですか?」
私が涼しい顔で尋ねると、ミナは顔を真っ赤にして地団駄を踏んだ。
「違います! 今日はガストン様にお願いして、あなたの悪行を正しに来たのです!」
ミナはガストンの腕にギュッとしがみついた。
「ガストン様ぁ、この女ですぅ。アラン様をいじめて、国を乗っ取ろうとしている悪女は! 私、怖くて……」
ガストン団長は、ミナの頭をポンポンと撫で、太い眉を吊り上げて私を睨みつけた。
「うむ、任せておけ。か弱い乙女を脅かすとは、騎士の風上にも置けん!」
彼はドスドスと私に歩み寄り、目の前に仁王立ちした。
見上げるような巨体だ。
「貴様がグラッセか。話は聞いているぞ。王子に法外な金を請求し、城の備品を奪ったそうだな」
野太い声が庭に響く。
私はペンを置き、ゆっくりと立ち上がった。
「法外? 正当な対価です。備品に関しては、差し押さえの手続きを踏んでおりますが」
「黙れ! 屁理屈をこねるな! 俺は曲がったことが大嫌いなんだ!」
ガストン団長は腰の剣に手をかけた。
チャキ、と金属音が鳴る。
「俺は近衛騎士団長ガストン。王家の盾であり、正義の剣だ! 貴様のような守銭奴に、鉄槌を下してやる!」
「鉄槌、ですか。それは『武力行使』という認識でよろしいですね?」
「ああそうだ! 俺の剣技の前では、金など何の役にも立たんことを教えてやる!」
ガストン団長が威圧感を放つ。
ミナが背後で「きゃあ、素敵ですわガストン様! やっつけて!」とはしゃいでいる。
なるほど。
アラン王子が金欠で役に立たなくなったから、次は「武力」に頼ることにしたのか。
単純だが、わかりやすい戦略だ。
しかし。
私はため息をつき、懐から手帳を取り出した。
「ガストン団長。あなたが『曲がったことが大嫌い』で、『正義の騎士』であることはよくわかりました」
「命乞いか? 今さら遅いぞ!」
「いいえ。――確認ですが、あなたの部下たち……近衛騎士団の装備一式、どこの業者が納入しているかご存じですか?」
「あぁ? そんなもの、知るか! 補給部隊の管轄だろ!」
「そうですか。ではお教えしましょう」
私は手帳を開き、指でとあるページを弾いた。
「騎士団の鎧、剣、盾、そして馬具に至るまで……その九割は、我が『ラズベリー商会』が納入しております」
「……は?」
ガストン団長の動きが止まった。
私はニッコリと微笑み、さらに続ける。
「ついでに言えば、騎士団の宿舎の食堂に食材を卸しているのも、訓練場の維持管理を請け負っているのも、すべて私の会社です」
「な、何が言いたい」
「簡単な話です。もしあなたが私に剣を向けるなら……」
私は電卓を取り出し、パチン! と叩いた。
「来期の納入契約、すべて白紙にさせていただきます」
「……なんだと?」
「現在、鉄の価格が高騰しておりましてね。特別価格で卸していましたが、契約解除となれば……そうですね、騎士団の皆様は来月から、木の棒と鍋の蓋で国を守ることになるかと」
「な、鍋の蓋だと!?」
「ええ。それとも、他社から仕入れますか? 市場価格は今の三倍ですが、王家の予算で賄えますかね? 先日の『玉座売却事件』で、国庫は火の車だと聞いていますが」
ガストン団長の顔色が、みるみるうちに青ざめていく。
彼は脳筋(失礼)だが、騎士団のトップとして、予算不足の深刻さは理解しているようだ。
「ま、待て。三倍は困る。ただでさえ、部下たちから『給料が安い』『鎧が重い』と不満が出ているのに……」
「さらに、食堂の食材納入も止めます。来月からは、乾燥豆と水だけのメニューになりますね」
「そ、それは暴動が起きる!」
ガストン団長が悲鳴を上げた。
「騎士にとって食事は活力の源だ! 肉を! 肉を奪うのだけはやめてくれ!」
「では、剣を収めていただけますか? お客様」
私が冷ややかに告げると、ガストン団長は慌てて剣から手を離し、直立不動の姿勢をとった。
「し、失礼しました! 商談の最中とは知らず!」
「ガ、ガストン様!?」
背後でミナが目を丸くしている。
「何をしているんですか! その女をやっつけてくださいよぉ!」
「バカ言えミナ! この御方は、俺たちの胃袋と装備を握っている重要人物だぞ!」
ガストン団長は額の汗を拭いながら、私に媚びへつらうような笑みを向けた。
「いやぁ、グラッセ様とは知らず、無礼を働きました。……あ、あの、来期の納入契約ですが、現状維持でお願いできますでしょうか?」
「検討します。ただし、条件があります」
「な、なんでしょう?」
私はチラリとミナを見た。
「私の庭に『不法投棄』されたゴミ(ミナ様)を、お持ち帰りいただけますか? 処理に困りますので」
「ゴミ……!? ひどいですぅ!」
ミナが叫ぶが、ガストン団長は即座に頷いた。
「承知いたしました! おい、ミナ嬢を送り返せ!」
「ええっ!? ガストン様、私を守ってくれるって……」
「騎士団の存続がかかっているんだ! 愛だの恋だので腹は膨れん!」
ガストン団長は、あっさりとミナを見捨てた。
やはり、金と食糧の前では、愛など無力なのだ。
「そんなぁ……! 信じてたのにぃ!」
ミナは泣きながら走り去っていった。
その背中を見送りながら、私はガストン団長に向き直った。
「賢明なご判断です、団長。……ああ、それと」
「は、はい!」
「来期の契約ですが、少し見直しが必要です。鉄の価格高騰分として、二割の値上げを」
「に、二割……!?」
「嫌なら契約解除ですが?」
「わ、わかりました! なんとか予算を工面します! ですから、肉だけは……肉料理だけは減らさないでください!」
屈強な騎士団長が、涙目で懇願している。
私は満足げに頷いた。
「商談成立ですね。契約書は後ほど送ります」
ガストン団長は何度も頭を下げ、逃げるように帰っていった。
静寂が戻った庭園。
私は再び椅子に座り、優雅に紅茶を啜った。
「……チョロいわね」
物陰から、シリルが拍手をしながら現れた。
「お見事。騎士団長まで手玉に取るとはな」
「あら、見ていらしたの? 助太刀に来てくださってもよかったのに」
「必要ないだろう。君の舌先三寸と電卓があれば、軍隊一つくらい壊滅させられそうだ」
シリルは笑いながら、私の隣に座った。
「しかし、ミナも懲りないな。次は何をしてくるやら」
「次? そうですね……」
私は空になったティーカップを見つめ、不敵に微笑んだ。
「権力、暴力ときて、どちらも金(わたし)には勝てなかった。となると、次は『情』に訴えてくるか、あるいは……」
「あるいは?」
「もっと『裏』の手を使ってくるか、ですね」
ミナの正体。
ただの男爵令嬢にしては、王族への取り入り方や、人脈の広げ方が手慣れている。
もしかしたら、彼女にはまだ隠された顔があるのかもしれない。
「ま、何が来ても請求書を切るだけですけど」
私は電卓を叩き、今日得られた「騎士団との新契約(二割増し)」の利益を計算し始めた。
カチカチという音が、平和な午後の庭に響く。
それが、次の嵐の前の静けさだとは知らずに。
0
あなたにおすすめの小説
親切なミザリー
みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。
ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。
ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。
こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。
‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。
※不定期更新です。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)
蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。
聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。
愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。
いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。
ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。
それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。
心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
悪役令嬢の涙
拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる