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「パンがないなら、お菓子を食べればいいじゃない!」
高らかな宣言が、昼休みの食堂に響き渡った。
私の目の前には、空のお弁当箱を抱えて呆然としているミナ様がいる。
そして周囲には、ざわめく生徒たち。
フフフ、決まった。
これぞ悪役令嬢界の伝説に残る名台詞、マリー・アントワネットごっこだ。
庶民のひもじさを嘲笑い、高貴な身分を誇示する、最低最悪の侮蔑表現。
これでミナ様は屈辱に震え、周囲は私の非道さにドン引きするはず!
ことの発端は、十分前に遡る。
◇
今日の作戦は『兵糧攻め』だった。
人間、お腹が空いていれば心も折れやすくなる。
ミナ様の昼食を邪魔して、惨めな思いをさせてやろうと企んでいたのだ。
私は食堂の影から、獲物(ミナ様)が現れるのを待っていた。
すると、ミナ様はパンの入った紙袋を持って、トボトボとテラス席へやってきた。
「はあ……今日も購買のパン一個かぁ……。節約しなきゃ……」
独り言が聞こえる。
どうやら男爵家はあまり裕福ではないらしい。
しかも、彼女がベンチに座ろうとした瞬間、悲劇が起きた。
「あっ!」
手から滑り落ちたパンが、コロコロと転がり、そのまま池の中へポチャン。
「嘘……私のランチが……鯉の餌に……」
ミナ様が絶望の表情で池を見つめている。
これだ!
天は私に味方した!
私は扇子をバッと開き、優雅に彼女の背後へ忍び寄った。
「あらあら、ごきげんようミナ様。随分と哀れなランチタイムですわね?」
「ラ、ラヴィニア様……!」
ミナ様が涙目で振り返る。
「お腹が空いているの? でも食べるものがない。お可哀想に」
「ううっ……不注意でした……。お腹ペコペコです……」
「そう。それは絶好の機会だわ」
私はパチンと指を鳴らした。
控えていた従者が、恭しくワゴンを押して現れる。
そこに乗っているのは、王都で一番予約が取れない高級パティスリー『ル・レーヴ』の新作ケーキセットだ。
季節のフルーツタルト、濃厚ショコラ、宝石のようなマカロンタワー。
甘い香りが周囲に漂い、食堂にいた生徒たちが「えっ、あれ『ル・レーヴ』の……?」「すごい、全部新作だぞ……」とどよめき始めた。
私はワゴンを指差し、ミナ様を見下ろして言い放ったのだ。
「パンがないなら、お菓子を食べればいいじゃない!」
さあ、どうだ!
これは嫌がらせだ。
空腹の庶民に、栄養バランスの欠片もない砂糖の塊を見せつけ、手の届かない贅沢を見せびらかす行為。
「私のような高貴な人間は、パンなどという質素なものは食べませんの。毎日このような高級菓子でお腹を満たしておりますのよ!」
(※嘘です。ちゃんと野菜も食べてます)
さあ、悔しがりなさい。
『私にはパンすら買えないのに!』と身分の差を呪うがいいわ!
しかし、ミナ様の反応は予想外だった。
「えっ……い、いいんですか?」
「は?」
ミナ様はヨダレを拭きながら、輝く瞳でケーキを見つめている。
「パンがないから、代わりにお菓子を食べていい……ってことですか?」
「え、ええ。まあ、そういう意味だけれど……」
「ラヴィニア様、神様ですか……!?」
ミナ様が私の手を取り、拝むように握りしめた。
「私、甘いもの大好きなんです! でも『ル・レーヴ』のケーキなんて高くて買えなくて……! それを、お昼ご飯にしていいなんて!」
「ちょ、ちょっと待って! 違うのよ!」
私は慌てて手を振りほどこうとしたが、ミナ様の握力がすごい。
空腹時の火事場の馬鹿力か。
「これは嫌がらせよ! 『お前には毒々しい砂糖菓子がお似合いだ!』っていう蔑みを含んだ提供なのよ! あとカロリーも高いのよ! 太るわよ!」
「気にしません! ありがとうございます、ラヴィニア様!」
ミナ様はワゴンに向き直ると、フォークを手に取り、満面の笑みでタルトを口に運んだ。
「んん~っ! 美味しいぃぃぃ!」
その幸せそうな顔と言ったら。
背景にお花畑が見えるようだ。
一口食べるごとに「幸せ……」「生きててよかった……」と呟く姿は、見ているこっちまで幸福な気分にさせてくる。
いや、駄目だ。絆されてはいけない。
私は悪役なのだから。
「ふ、ふん! 勘違いしないでちょうだい! 私が注文しすぎて余ったから、残飯処理をさせているだけよ!」
「はい! 喜んで処理させていただきます! このマカロンも食べていいですか?」
「……好きになさい! 全部食べないと許さないわよ!」
「はいっ!」
ミナ様は凄まじい勢いでケーキを平らげていく。
その食べっぷりは見ていて気持ちがいいほどだ。
周囲の生徒たちの反応も、私がおかしいと思っていた方向へ向かい始めた。
「ラヴィニア様、優しい……」
「パンを落としたミナ様を見て、咄嗟にご自分のデザートを差し出したんだわ」
「しかも『余ったから』なんて、相手に気を使わせないための嘘までついて……」
「なんて不器用な優しさなんだ……尊い……」
聞こえてくるヒソヒソ話に、私は耳を疑った。
待って。
なんでそうなるの?
『パンがないなら~』は、歴史的に見ても無慈悲な発言の代名詞でしょう?
なんで『ツンデレな施し』として解釈されているの!?
「ごちそうさまでした! お腹いっぱいです!」
完食したミナ様が、パンパンのお腹をさすりながら満足げに笑った。
「ラヴィニア様のおかげで、午後も頑張れます! あの、お礼にまた肩たたきしますね!」
「いらないわよ! ……っ、もういいわ、失礼する!」
私は逃げるようにその場を後にした。
背後から「ラヴィニア様、ありがとうございますー!」という元気な声が追いかけてくる。
敗北だ。
完全なる敗北だ。
廊下を歩きながら、私は頭を抱えた。
「おかしい……。私の計算では、もっとこう、ドロドロした展開になるはずなのに……」
なぜか私の好感度が上がり、ミナ様が餌付けされただけになってしまった。
これでは、殿下に『ラヴィニアは意地悪な女だ』と思わせるどころか、『面倒見の良い姉御肌』という誤った情報が伝わってしまう!
「マズいわ……このままじゃ、婚約破棄どころか『王太子の良きパートナー』として外堀が埋まってしまう!」
焦燥感に駆られる私の前に、不意に影が落ちた。
「おや、ラヴィニア嬢。今日は一段と顔色が優れないようだが」
目の前に立っていたのは、アレク様だった。
「ア、アレク様……」
「食堂が騒がしかったようですね。また何かやったんですか?」
ジト目で尋ねられ、私は今度こそチャンスだと思った。
アレク様は殿下の側近だ。
彼に私の悪評を吹き込めば、それが殿下に伝わるはず!
「ええ、やりましたわ! 男爵令嬢に、栄養バランスの悪い高カロリーな食事を強制してやりましたの! どうです、酷いでしょう!」
私は胸を張って報告した。
しかしアレク様は、なぜか生温かい目で私を見た。
「……そうですか。甘いものが好きなミナ嬢のために、わざわざ取り寄せた新作ケーキを振る舞ったと」
「違います! 嫌がらせです!」
「ラヴィニア嬢。素直になれないのは貴女の可愛いところかもしれませんが、あまりやりすぎると誤解されますよ」
「だから誤解されたいんですってば!」
「はいはい。殿下には『ラヴィニアがまた照れ隠しで慈善事業をしていた』と報告しておきます」
「慈善事業じゃないー!! 悪行ー!!」
私の悲痛な叫びは、アレク様に軽くスルーされた。
彼は「そういえば」と思い出したように付け加えた。
「殿下が『ラヴィニアが選んだケーキなら、きっと絶品だろうな。俺もあいつに食べさせてやりたい』と仰っていましたよ」
「……っ!!??」
その言葉に、私の悪役の仮面が一瞬で剥がれ落ちた。
「で、殿下が……私に……あーん、を……!?」
想像してしまった。
執務室で、殿下がフォークにケーキを刺して、「ほら、ラヴィニア」と微笑む姿を。
ブワッ! と顔から火が出る。
「む、無理です! そんなことされたら糖分過多で爆発します!」
「……本当に騒がしい人だ」
アレク様は呆れて去っていった。
私は廊下の壁にへたり込み、熱い頬を手で仰いだ。
「くっ……殿下の天然タラシめ……! 私の悪役ハートを揺さぶるなんて卑怯ですわ!」
でも負けない。
次こそは、次こそは絶対に、誰が見ても「最低だ」と言われるような悪事を働いてみせる!
私は燃え上がる闘志とともに、新たな作戦を練り始めた。
ターゲットは、今度開催される『学園主催の夜会』だ。
大勢の貴族が集まるその場所こそ、悪役令嬢が断罪される最高の舞台。
「見てらっしゃい、フリード殿下。夜会で貴方の顔に泥を塗って、見事婚約破棄を勝ち取ってみせますから!」
私の決意とは裏腹に、食堂では「ラヴィニア様ファンクラブ」なるものが結成されつつあることを、私はまだ知らない。
高らかな宣言が、昼休みの食堂に響き渡った。
私の目の前には、空のお弁当箱を抱えて呆然としているミナ様がいる。
そして周囲には、ざわめく生徒たち。
フフフ、決まった。
これぞ悪役令嬢界の伝説に残る名台詞、マリー・アントワネットごっこだ。
庶民のひもじさを嘲笑い、高貴な身分を誇示する、最低最悪の侮蔑表現。
これでミナ様は屈辱に震え、周囲は私の非道さにドン引きするはず!
ことの発端は、十分前に遡る。
◇
今日の作戦は『兵糧攻め』だった。
人間、お腹が空いていれば心も折れやすくなる。
ミナ様の昼食を邪魔して、惨めな思いをさせてやろうと企んでいたのだ。
私は食堂の影から、獲物(ミナ様)が現れるのを待っていた。
すると、ミナ様はパンの入った紙袋を持って、トボトボとテラス席へやってきた。
「はあ……今日も購買のパン一個かぁ……。節約しなきゃ……」
独り言が聞こえる。
どうやら男爵家はあまり裕福ではないらしい。
しかも、彼女がベンチに座ろうとした瞬間、悲劇が起きた。
「あっ!」
手から滑り落ちたパンが、コロコロと転がり、そのまま池の中へポチャン。
「嘘……私のランチが……鯉の餌に……」
ミナ様が絶望の表情で池を見つめている。
これだ!
天は私に味方した!
私は扇子をバッと開き、優雅に彼女の背後へ忍び寄った。
「あらあら、ごきげんようミナ様。随分と哀れなランチタイムですわね?」
「ラ、ラヴィニア様……!」
ミナ様が涙目で振り返る。
「お腹が空いているの? でも食べるものがない。お可哀想に」
「ううっ……不注意でした……。お腹ペコペコです……」
「そう。それは絶好の機会だわ」
私はパチンと指を鳴らした。
控えていた従者が、恭しくワゴンを押して現れる。
そこに乗っているのは、王都で一番予約が取れない高級パティスリー『ル・レーヴ』の新作ケーキセットだ。
季節のフルーツタルト、濃厚ショコラ、宝石のようなマカロンタワー。
甘い香りが周囲に漂い、食堂にいた生徒たちが「えっ、あれ『ル・レーヴ』の……?」「すごい、全部新作だぞ……」とどよめき始めた。
私はワゴンを指差し、ミナ様を見下ろして言い放ったのだ。
「パンがないなら、お菓子を食べればいいじゃない!」
さあ、どうだ!
これは嫌がらせだ。
空腹の庶民に、栄養バランスの欠片もない砂糖の塊を見せつけ、手の届かない贅沢を見せびらかす行為。
「私のような高貴な人間は、パンなどという質素なものは食べませんの。毎日このような高級菓子でお腹を満たしておりますのよ!」
(※嘘です。ちゃんと野菜も食べてます)
さあ、悔しがりなさい。
『私にはパンすら買えないのに!』と身分の差を呪うがいいわ!
しかし、ミナ様の反応は予想外だった。
「えっ……い、いいんですか?」
「は?」
ミナ様はヨダレを拭きながら、輝く瞳でケーキを見つめている。
「パンがないから、代わりにお菓子を食べていい……ってことですか?」
「え、ええ。まあ、そういう意味だけれど……」
「ラヴィニア様、神様ですか……!?」
ミナ様が私の手を取り、拝むように握りしめた。
「私、甘いもの大好きなんです! でも『ル・レーヴ』のケーキなんて高くて買えなくて……! それを、お昼ご飯にしていいなんて!」
「ちょ、ちょっと待って! 違うのよ!」
私は慌てて手を振りほどこうとしたが、ミナ様の握力がすごい。
空腹時の火事場の馬鹿力か。
「これは嫌がらせよ! 『お前には毒々しい砂糖菓子がお似合いだ!』っていう蔑みを含んだ提供なのよ! あとカロリーも高いのよ! 太るわよ!」
「気にしません! ありがとうございます、ラヴィニア様!」
ミナ様はワゴンに向き直ると、フォークを手に取り、満面の笑みでタルトを口に運んだ。
「んん~っ! 美味しいぃぃぃ!」
その幸せそうな顔と言ったら。
背景にお花畑が見えるようだ。
一口食べるごとに「幸せ……」「生きててよかった……」と呟く姿は、見ているこっちまで幸福な気分にさせてくる。
いや、駄目だ。絆されてはいけない。
私は悪役なのだから。
「ふ、ふん! 勘違いしないでちょうだい! 私が注文しすぎて余ったから、残飯処理をさせているだけよ!」
「はい! 喜んで処理させていただきます! このマカロンも食べていいですか?」
「……好きになさい! 全部食べないと許さないわよ!」
「はいっ!」
ミナ様は凄まじい勢いでケーキを平らげていく。
その食べっぷりは見ていて気持ちがいいほどだ。
周囲の生徒たちの反応も、私がおかしいと思っていた方向へ向かい始めた。
「ラヴィニア様、優しい……」
「パンを落としたミナ様を見て、咄嗟にご自分のデザートを差し出したんだわ」
「しかも『余ったから』なんて、相手に気を使わせないための嘘までついて……」
「なんて不器用な優しさなんだ……尊い……」
聞こえてくるヒソヒソ話に、私は耳を疑った。
待って。
なんでそうなるの?
『パンがないなら~』は、歴史的に見ても無慈悲な発言の代名詞でしょう?
なんで『ツンデレな施し』として解釈されているの!?
「ごちそうさまでした! お腹いっぱいです!」
完食したミナ様が、パンパンのお腹をさすりながら満足げに笑った。
「ラヴィニア様のおかげで、午後も頑張れます! あの、お礼にまた肩たたきしますね!」
「いらないわよ! ……っ、もういいわ、失礼する!」
私は逃げるようにその場を後にした。
背後から「ラヴィニア様、ありがとうございますー!」という元気な声が追いかけてくる。
敗北だ。
完全なる敗北だ。
廊下を歩きながら、私は頭を抱えた。
「おかしい……。私の計算では、もっとこう、ドロドロした展開になるはずなのに……」
なぜか私の好感度が上がり、ミナ様が餌付けされただけになってしまった。
これでは、殿下に『ラヴィニアは意地悪な女だ』と思わせるどころか、『面倒見の良い姉御肌』という誤った情報が伝わってしまう!
「マズいわ……このままじゃ、婚約破棄どころか『王太子の良きパートナー』として外堀が埋まってしまう!」
焦燥感に駆られる私の前に、不意に影が落ちた。
「おや、ラヴィニア嬢。今日は一段と顔色が優れないようだが」
目の前に立っていたのは、アレク様だった。
「ア、アレク様……」
「食堂が騒がしかったようですね。また何かやったんですか?」
ジト目で尋ねられ、私は今度こそチャンスだと思った。
アレク様は殿下の側近だ。
彼に私の悪評を吹き込めば、それが殿下に伝わるはず!
「ええ、やりましたわ! 男爵令嬢に、栄養バランスの悪い高カロリーな食事を強制してやりましたの! どうです、酷いでしょう!」
私は胸を張って報告した。
しかしアレク様は、なぜか生温かい目で私を見た。
「……そうですか。甘いものが好きなミナ嬢のために、わざわざ取り寄せた新作ケーキを振る舞ったと」
「違います! 嫌がらせです!」
「ラヴィニア嬢。素直になれないのは貴女の可愛いところかもしれませんが、あまりやりすぎると誤解されますよ」
「だから誤解されたいんですってば!」
「はいはい。殿下には『ラヴィニアがまた照れ隠しで慈善事業をしていた』と報告しておきます」
「慈善事業じゃないー!! 悪行ー!!」
私の悲痛な叫びは、アレク様に軽くスルーされた。
彼は「そういえば」と思い出したように付け加えた。
「殿下が『ラヴィニアが選んだケーキなら、きっと絶品だろうな。俺もあいつに食べさせてやりたい』と仰っていましたよ」
「……っ!!??」
その言葉に、私の悪役の仮面が一瞬で剥がれ落ちた。
「で、殿下が……私に……あーん、を……!?」
想像してしまった。
執務室で、殿下がフォークにケーキを刺して、「ほら、ラヴィニア」と微笑む姿を。
ブワッ! と顔から火が出る。
「む、無理です! そんなことされたら糖分過多で爆発します!」
「……本当に騒がしい人だ」
アレク様は呆れて去っていった。
私は廊下の壁にへたり込み、熱い頬を手で仰いだ。
「くっ……殿下の天然タラシめ……! 私の悪役ハートを揺さぶるなんて卑怯ですわ!」
でも負けない。
次こそは、次こそは絶対に、誰が見ても「最低だ」と言われるような悪事を働いてみせる!
私は燃え上がる闘志とともに、新たな作戦を練り始めた。
ターゲットは、今度開催される『学園主催の夜会』だ。
大勢の貴族が集まるその場所こそ、悪役令嬢が断罪される最高の舞台。
「見てらっしゃい、フリード殿下。夜会で貴方の顔に泥を塗って、見事婚約破棄を勝ち取ってみせますから!」
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