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「はぁ、はぁ、はぁ……ッ!」
王宮の広大な庭園。
美しく整えられた迷路のような植え込みの中を、私はドレスの裾を抱えて疾走していた。
心臓が早鐘を打っている。
これは運動による動悸ではない。
先ほど自覚してしまった『恋心』という名の爆弾が、私の胸の中でカウントダウンを始めているからだ。
「無理無理無理! 好きとか! 愛してるとか! そんなハイカロリーな感情、私の貧弱な精神では受け止めきれません!」
私は走りながら、誰もいない空間に向かって叫んだ(不審者極まりない)。
今まで私は、殿下を『神』として崇めてきた。
神様なら、遠くから拝んで、お供え物をして、たまにファンサをもらえればそれで幸せだった。
けれど、『好きな人』となると話は別だ。
「欲が出てしまうじゃない……!」
茂みの陰に滑り込み、私は膝を抱えた。
「もっとこっちを見てほしいとか、優しくしてほしいとか、他の女の人と話さないでほしいとか……そんな図々しいこと、考えてしまう!」
そして何より恐ろしいのは、『恥ずかしい』という感情だ。
今までなら平気で言えた「殿下の顔が良いですね」というセリフも、これからは意識しすぎて「で、でんかのかお、が、す、すき……」みたいにどもってしまうに違いない。
あんな至近距離で見つめられたら?
間違いなく顔が真っ赤になる。
手汗もかく。
挙動不審になる。
「そんな無様な姿、推しに見せられないわ!」
私は頭を抱えてゴロゴロと転がった。
「可愛くありたい! 殿下の前では、余裕のある素敵なレディでいたい! 今の私じゃ、ただの『恋に浮かれたパニックご令嬢』よ!」
だから逃げるのだ。
この動揺が収まり、殿下を直視しても鼻血を出さない強靭な精神力を手に入れるまで、冷却期間(クールダウン)が必要なのだ。
「目標、実家の別邸! あそこなら父様のコレクション(古書)に埋もれて心を鎮められるはず!」
私は立ち上がり、庭園の出口である裏門を目指した。
◇
しかし、王宮からの脱出は容易ではなかった。
「……いるわね」
植え込みの隙間から覗くと、裏門の前には二人の衛兵が立っていた。
しかも、いつもより警備が厳重だ。
「おい、聞いたか? 殿下から『緊急配備』の指令が出たぞ」
「ああ。『逃げ出した婚約者を捕獲せよ。ただし傷つけるな。優しく、かつ迅速に』だってさ」
「どんな指令だよ……」
衛兵たちの会話に、私は血の気を引かせた。
(仕事が早い! まだ逃げてから十分も経っていないのに!)
さすが有能王子。
私の行動パターンを完全に読んでいらっしゃる。
「正面突破は無理ね。なら、搦手(からめて)で行くしかないわ」
私は視線を巡らせた。
そこへ、ちょうど一台の荷馬車が通りかかった。
王宮への食料搬入を終えた業者の馬車だ。
荷台には、空になった木箱や麻袋が積まれている。
「これだわ!」
私は身を低くし、忍者のような動きで馬車の背後に近づいた。
御者が鼻歌を歌いながら手綱を握っている隙に、荷台の麻袋の中に潜り込む。
「(ふふふ……これぞ『スネーク作戦』! 荷物に紛れて脱出するなんて、スパイ映画みたいでカッコいいじゃない!)」
私は麻袋の中で小さくなり、息を殺した。
馬車がガタゴトと動き出す。
振動が体に響くが、これで殿下の包囲網を突破できるなら安いものだ。
さようなら、殿下。
私は一度、普通の女の子に戻ります。
そして、いつか貴方にふさわしいレディになって帰ってきますから……!
馬車は裏門に差し掛かった。
「止まれ! 検問だ!」
衛兵の声。馬車が停止する。
ドキリと心臓が跳ねた。
「何か変わったことはないか?」
「へえ、ただの空箱ですよ。早く帰らせてくださいよ」
「念のためだ。中を見せろ」
足音が近づいてくる。
ザッ、ザッ、ザッ。
(まずい。見つかる……!)
私は麻袋の口を内側から必死に押さえた。
「……よし、異常なし。通っていいぞ」
「へい、どうも」
馬車が再び動き出す。
助かった!
衛兵さん、ありがとう! 貴方の節穴な目に感謝します!
私はホッと胸を撫で下ろした。
馬車は王宮の敷地を出て、王都の石畳を走り始めたようだ。
周囲の音が賑やかになってくる。
「(成功よ! 脱出成功!)」
私は勝利の笑みを浮かべ、麻袋から少しだけ顔を出した。
新鮮な空気が美味しい。
自由の味だ。
「さて、どこで降りようかしら……」
私が辺りを見回そうとした、その時だった。
「――どこまで行くつもりだ?」
頭上から、聞き覚えのある声が降ってきた。
「え?」
私は恐る恐る上を見た。
荷馬車の屋根――いや、御者台のすぐ後ろの屋根の上に、誰かが座っている。
夜風になびく金色の髪。
街灯の光を反射して輝くアイスブルーの瞳。
そして、獲物を追い詰めた猛獣のような、獰猛な笑み。
「で、殿下ぁぁぁぁ!?」
私は麻袋から飛び出した。
「な、な、なぜここに!? 私は完璧に隠れていたはず!」
「甘いな、ラヴィニア」
殿下はひらりと屋根から飛び降り、狭い荷台に着地した。
「お前が『裏門の警備が手薄な時間帯』と『業者の出入り』を利用することは予測済みだ。……先回りして待っていたんだよ」
「先回り!? 王太子が荷馬車の上で待ち伏せ!?」
「お前を捕まえるためなら、泥の中だろうが屋根の上だろうが行くさ」
殿下がジリジリと距離を詰めてくる。
揺れる荷台の上。逃げ場はない。
「こ、来ないでください!」
私は後ずさりし、荷台の隅に追い詰められた。
「今は駄目なんです! 顔が見られません!」
「なぜだ? さっきまで『好きだ』と泣いていただろう?」
「だからですよ!」
私は顔を覆った。
「好きだから見られないんです! 意識しすぎて爆発しそうなんです! 今の私は、殿下のフェロモンに対する耐性がゼロなんです!」
「……ほう」
殿下の足が止まった。
「意識しすぎて見られない、か」
殿下の声色が、少し変わった。
楽しそうな、それでいて甘く蕩けるような響き。
「それはつまり、俺を見るたびにドキドキしているということか?」
「そうです! 心臓に悪いです!」
「俺の声を聞くだけで、熱くなると?」
「そうです! 耳が溶けそうです!」
「……可愛いことを言う」
殿下がドン! と荷台の壁に手をついた。
「ひゃっ!」
いわゆる『荷台ドン』だ。
「なら、もっと意識させてもいいか?」
「だ、駄目です! これ以上は致死量……」
「逃がさない。……俺もお前が好きでたまらないんだ」
殿下の顔が近づいてくる。
街の灯りが流れる中、殿下の瞳だけが私を捉えて離さない。
「ラヴィニア。観念しろ。お前はもう、俺から逃げることはできない」
殿下の唇が、私の唇に触れようとした――。
ガタンッ!
馬車が大きく揺れた。
「わっ!?」
「っと……」
私たちはバランスを崩し、もつれ合うようにして荷台の中に倒れ込んだ。
麻袋がクッションになり、私は殿下の下敷きになる形になった。
「……大丈夫か?」
殿下が私を庇うように腕をついている。
その顔が、あまりにも近い。
「…………」
「…………」
見つめ合う二人。
殿下の整いすぎた顔。長いまつ毛。心配そうな瞳。
そして、私を抱きしめる腕の温もり。
ブシュッ。
私の脳内で何かのヒューズが飛んだ。
「あ、あわわわ……」
「ラヴィニア?」
「む、無理……キャパオーバー……!」
私は白目を剥きかけながら、最後の力を振り絞った。
「すきありぃぃぃ!」
「なっ!?」
私は殿下の胸を突き飛ばし(火事場の馬鹿力)、転がるように荷台から飛び降りた。
「おい、ラヴィニア! 危ないぞ!」
「着地成功! 受け身は完璧です!」
私はドレスのまま見事な着地を決めると、夜の街へ向かって全力疾走した。
「待て! くそっ、なんて素早さだ!」
殿下が馬車を止めさせている間に、私は路地裏へと逃げ込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
心臓が痛い。
でも、あんな状況(押し倒され状態)でキスなんてされたら、私は間違いなく昇天していただろう。
「命拾いしたわ……! でも、ここからどうする?」
私は暗い路地裏で立ち尽くした。
王宮には戻れない。実家もバレる。
行く当てがない。
「……とりあえず、今日はどこか安宿に泊まって……」
私がフラフラと歩き出した時。
目の前の壁に、一枚のポスターが貼ってあるのが見えた。
『指名手配(家出人捜索)』
『特徴:愛すべき変人令嬢。見つけた者には国家予算並みの報奨金を与える』
『連絡先:フリード』
「仕事が早すぎるぅぅぅ!!」
いつの間に貼ったの!?
これじゃあ王都中が私の敵(捕獲者)じゃない!
「詰んだ……」
私はその場にへたり込んだ。
恋を知った乙女の逃避行は、どうやら世界一過酷な鬼ごっこの幕開けだったようだ。
王宮の広大な庭園。
美しく整えられた迷路のような植え込みの中を、私はドレスの裾を抱えて疾走していた。
心臓が早鐘を打っている。
これは運動による動悸ではない。
先ほど自覚してしまった『恋心』という名の爆弾が、私の胸の中でカウントダウンを始めているからだ。
「無理無理無理! 好きとか! 愛してるとか! そんなハイカロリーな感情、私の貧弱な精神では受け止めきれません!」
私は走りながら、誰もいない空間に向かって叫んだ(不審者極まりない)。
今まで私は、殿下を『神』として崇めてきた。
神様なら、遠くから拝んで、お供え物をして、たまにファンサをもらえればそれで幸せだった。
けれど、『好きな人』となると話は別だ。
「欲が出てしまうじゃない……!」
茂みの陰に滑り込み、私は膝を抱えた。
「もっとこっちを見てほしいとか、優しくしてほしいとか、他の女の人と話さないでほしいとか……そんな図々しいこと、考えてしまう!」
そして何より恐ろしいのは、『恥ずかしい』という感情だ。
今までなら平気で言えた「殿下の顔が良いですね」というセリフも、これからは意識しすぎて「で、でんかのかお、が、す、すき……」みたいにどもってしまうに違いない。
あんな至近距離で見つめられたら?
間違いなく顔が真っ赤になる。
手汗もかく。
挙動不審になる。
「そんな無様な姿、推しに見せられないわ!」
私は頭を抱えてゴロゴロと転がった。
「可愛くありたい! 殿下の前では、余裕のある素敵なレディでいたい! 今の私じゃ、ただの『恋に浮かれたパニックご令嬢』よ!」
だから逃げるのだ。
この動揺が収まり、殿下を直視しても鼻血を出さない強靭な精神力を手に入れるまで、冷却期間(クールダウン)が必要なのだ。
「目標、実家の別邸! あそこなら父様のコレクション(古書)に埋もれて心を鎮められるはず!」
私は立ち上がり、庭園の出口である裏門を目指した。
◇
しかし、王宮からの脱出は容易ではなかった。
「……いるわね」
植え込みの隙間から覗くと、裏門の前には二人の衛兵が立っていた。
しかも、いつもより警備が厳重だ。
「おい、聞いたか? 殿下から『緊急配備』の指令が出たぞ」
「ああ。『逃げ出した婚約者を捕獲せよ。ただし傷つけるな。優しく、かつ迅速に』だってさ」
「どんな指令だよ……」
衛兵たちの会話に、私は血の気を引かせた。
(仕事が早い! まだ逃げてから十分も経っていないのに!)
さすが有能王子。
私の行動パターンを完全に読んでいらっしゃる。
「正面突破は無理ね。なら、搦手(からめて)で行くしかないわ」
私は視線を巡らせた。
そこへ、ちょうど一台の荷馬車が通りかかった。
王宮への食料搬入を終えた業者の馬車だ。
荷台には、空になった木箱や麻袋が積まれている。
「これだわ!」
私は身を低くし、忍者のような動きで馬車の背後に近づいた。
御者が鼻歌を歌いながら手綱を握っている隙に、荷台の麻袋の中に潜り込む。
「(ふふふ……これぞ『スネーク作戦』! 荷物に紛れて脱出するなんて、スパイ映画みたいでカッコいいじゃない!)」
私は麻袋の中で小さくなり、息を殺した。
馬車がガタゴトと動き出す。
振動が体に響くが、これで殿下の包囲網を突破できるなら安いものだ。
さようなら、殿下。
私は一度、普通の女の子に戻ります。
そして、いつか貴方にふさわしいレディになって帰ってきますから……!
馬車は裏門に差し掛かった。
「止まれ! 検問だ!」
衛兵の声。馬車が停止する。
ドキリと心臓が跳ねた。
「何か変わったことはないか?」
「へえ、ただの空箱ですよ。早く帰らせてくださいよ」
「念のためだ。中を見せろ」
足音が近づいてくる。
ザッ、ザッ、ザッ。
(まずい。見つかる……!)
私は麻袋の口を内側から必死に押さえた。
「……よし、異常なし。通っていいぞ」
「へい、どうも」
馬車が再び動き出す。
助かった!
衛兵さん、ありがとう! 貴方の節穴な目に感謝します!
私はホッと胸を撫で下ろした。
馬車は王宮の敷地を出て、王都の石畳を走り始めたようだ。
周囲の音が賑やかになってくる。
「(成功よ! 脱出成功!)」
私は勝利の笑みを浮かべ、麻袋から少しだけ顔を出した。
新鮮な空気が美味しい。
自由の味だ。
「さて、どこで降りようかしら……」
私が辺りを見回そうとした、その時だった。
「――どこまで行くつもりだ?」
頭上から、聞き覚えのある声が降ってきた。
「え?」
私は恐る恐る上を見た。
荷馬車の屋根――いや、御者台のすぐ後ろの屋根の上に、誰かが座っている。
夜風になびく金色の髪。
街灯の光を反射して輝くアイスブルーの瞳。
そして、獲物を追い詰めた猛獣のような、獰猛な笑み。
「で、殿下ぁぁぁぁ!?」
私は麻袋から飛び出した。
「な、な、なぜここに!? 私は完璧に隠れていたはず!」
「甘いな、ラヴィニア」
殿下はひらりと屋根から飛び降り、狭い荷台に着地した。
「お前が『裏門の警備が手薄な時間帯』と『業者の出入り』を利用することは予測済みだ。……先回りして待っていたんだよ」
「先回り!? 王太子が荷馬車の上で待ち伏せ!?」
「お前を捕まえるためなら、泥の中だろうが屋根の上だろうが行くさ」
殿下がジリジリと距離を詰めてくる。
揺れる荷台の上。逃げ場はない。
「こ、来ないでください!」
私は後ずさりし、荷台の隅に追い詰められた。
「今は駄目なんです! 顔が見られません!」
「なぜだ? さっきまで『好きだ』と泣いていただろう?」
「だからですよ!」
私は顔を覆った。
「好きだから見られないんです! 意識しすぎて爆発しそうなんです! 今の私は、殿下のフェロモンに対する耐性がゼロなんです!」
「……ほう」
殿下の足が止まった。
「意識しすぎて見られない、か」
殿下の声色が、少し変わった。
楽しそうな、それでいて甘く蕩けるような響き。
「それはつまり、俺を見るたびにドキドキしているということか?」
「そうです! 心臓に悪いです!」
「俺の声を聞くだけで、熱くなると?」
「そうです! 耳が溶けそうです!」
「……可愛いことを言う」
殿下がドン! と荷台の壁に手をついた。
「ひゃっ!」
いわゆる『荷台ドン』だ。
「なら、もっと意識させてもいいか?」
「だ、駄目です! これ以上は致死量……」
「逃がさない。……俺もお前が好きでたまらないんだ」
殿下の顔が近づいてくる。
街の灯りが流れる中、殿下の瞳だけが私を捉えて離さない。
「ラヴィニア。観念しろ。お前はもう、俺から逃げることはできない」
殿下の唇が、私の唇に触れようとした――。
ガタンッ!
馬車が大きく揺れた。
「わっ!?」
「っと……」
私たちはバランスを崩し、もつれ合うようにして荷台の中に倒れ込んだ。
麻袋がクッションになり、私は殿下の下敷きになる形になった。
「……大丈夫か?」
殿下が私を庇うように腕をついている。
その顔が、あまりにも近い。
「…………」
「…………」
見つめ合う二人。
殿下の整いすぎた顔。長いまつ毛。心配そうな瞳。
そして、私を抱きしめる腕の温もり。
ブシュッ。
私の脳内で何かのヒューズが飛んだ。
「あ、あわわわ……」
「ラヴィニア?」
「む、無理……キャパオーバー……!」
私は白目を剥きかけながら、最後の力を振り絞った。
「すきありぃぃぃ!」
「なっ!?」
私は殿下の胸を突き飛ばし(火事場の馬鹿力)、転がるように荷台から飛び降りた。
「おい、ラヴィニア! 危ないぞ!」
「着地成功! 受け身は完璧です!」
私はドレスのまま見事な着地を決めると、夜の街へ向かって全力疾走した。
「待て! くそっ、なんて素早さだ!」
殿下が馬車を止めさせている間に、私は路地裏へと逃げ込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
心臓が痛い。
でも、あんな状況(押し倒され状態)でキスなんてされたら、私は間違いなく昇天していただろう。
「命拾いしたわ……! でも、ここからどうする?」
私は暗い路地裏で立ち尽くした。
王宮には戻れない。実家もバレる。
行く当てがない。
「……とりあえず、今日はどこか安宿に泊まって……」
私がフラフラと歩き出した時。
目の前の壁に、一枚のポスターが貼ってあるのが見えた。
『指名手配(家出人捜索)』
『特徴:愛すべき変人令嬢。見つけた者には国家予算並みの報奨金を与える』
『連絡先:フリード』
「仕事が早すぎるぅぅぅ!!」
いつの間に貼ったの!?
これじゃあ王都中が私の敵(捕獲者)じゃない!
「詰んだ……」
私はその場にへたり込んだ。
恋を知った乙女の逃避行は、どうやら世界一過酷な鬼ごっこの幕開けだったようだ。
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