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美味いものには、裏がある? 1
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美月が幸せそうにスイーツその他を頬張っているとき、それを見かけて密かに和んでいる男子がいた。
「おい、怜士。珍しいな。何笑ってやがる?」
「……いや、ちょっとね」
知らず知らずの内に、緩んでいたらしい表情を怜士は引き締めた。
と同時に、目ざとくこちらを見つけた女子の集団がこちらへ向かってくるのが分かったため、今度は眉をひそめる。
「見て!冬家の方々よ!」
「氷雨怜士様と時雨喬司様……!」
「確か、お二人は幼馴染で仲がよろしいのよね?」
「同じ冬家ですもの!当然よ」
「お近づきになれるチャンスだわ……!」「チャンスよ」「チャンスね!」
がっちりと六人で固まりひそひそ話を囁いている彼女達を見て、怜士は冷笑した。
悪いけど、僕の耳は特別製。君達の話は全部聞こえているからね?
先程とは打って変わって冷ややかな空気を纏った怜士を見て、喬司は慌てて声をかける。
「何だよ?……怒ったのか?」
「いや、そうじゃない。でも、来るよ?」
目で近づきつつある女子の集団を示した怜士を見て、事態を把握した喬司もまたちらっと嫌そうな表情を出すも、彼はすぐに朗らかな外用の仮面を被った。
この先の展開の読めた怜士は内心ため息を吐き、最後にもう一度ちらっと美月を見た。
……もう少し、天真爛漫で無邪気に楽しんでいる君を見ていたかったけどね。仕方がない。
心の呟きと共に心を切り替え、怜士もまた女生徒達に向き直った。
「ぷぷっ!な、あれ見ろよ?」
一方、こちらで声を上げたのは、飛雨颯太。
彼も五月雨財閥系の御曹司で、先ほど美月が有名人の一括りにした中に入っていた一人だ。
そして、彼の指し示す先には、やはりスイーツに悶える美月の姿が……。
「わっすごい、食べっぷり!」
「でも、いいね~」「うんうん、いい。何か癒される~」
相槌を打ったのは、天泣 涙と天泣 澪である。
二人は双子、……ではなく、母方の従妹同士で、これまた美月が目立つ連中と思った中にいた。
「お前達の意見が一致するとは、珍しいな。……どこだ?」
驚きのためか少し目を見開いて問いただしたのは、秋霖 湊。
彼は今年度の新入生の中で、最も有名と言ってもよい人物だった。
五月雨財閥の中でも一番の勢力を持つ、筆頭秋家の次代と目されているのだから……。
癖のない艶やかな黒髪に端正な切れ長の瞳。
家柄のことを知らない人でも思わず振り返って見てしまうような、非常に整った容姿を持っている。
その彼が少し身を乗り出して、颯太の指し示す方向を見た途端、吹きだした……。
「何だ?あれは。……確かに、面白い」
「だろ?あの子、ずっとああなんだよな~」
「欲望のおもむくままって感じ~でも、見てるだけで何故か幸せになるね」
「うんうん、一生懸命小動物が頬張ってる感じ~」
確かに、と涙と澪は顔を見合わせて笑った。
珍しく一同が和やかな空気に包まれる中、ふと気がついたように湊が声を上げた。
「……ずっと?」
「ああ、少なくともオレが目を付けてから、一度も見失ってはいないぜ?」
意味ありげな颯太の言葉と目つきに湊は少し考え込み、そして、誰かを呼ぶようにすっと手を上げた。
「おい、怜士。珍しいな。何笑ってやがる?」
「……いや、ちょっとね」
知らず知らずの内に、緩んでいたらしい表情を怜士は引き締めた。
と同時に、目ざとくこちらを見つけた女子の集団がこちらへ向かってくるのが分かったため、今度は眉をひそめる。
「見て!冬家の方々よ!」
「氷雨怜士様と時雨喬司様……!」
「確か、お二人は幼馴染で仲がよろしいのよね?」
「同じ冬家ですもの!当然よ」
「お近づきになれるチャンスだわ……!」「チャンスよ」「チャンスね!」
がっちりと六人で固まりひそひそ話を囁いている彼女達を見て、怜士は冷笑した。
悪いけど、僕の耳は特別製。君達の話は全部聞こえているからね?
先程とは打って変わって冷ややかな空気を纏った怜士を見て、喬司は慌てて声をかける。
「何だよ?……怒ったのか?」
「いや、そうじゃない。でも、来るよ?」
目で近づきつつある女子の集団を示した怜士を見て、事態を把握した喬司もまたちらっと嫌そうな表情を出すも、彼はすぐに朗らかな外用の仮面を被った。
この先の展開の読めた怜士は内心ため息を吐き、最後にもう一度ちらっと美月を見た。
……もう少し、天真爛漫で無邪気に楽しんでいる君を見ていたかったけどね。仕方がない。
心の呟きと共に心を切り替え、怜士もまた女生徒達に向き直った。
「ぷぷっ!な、あれ見ろよ?」
一方、こちらで声を上げたのは、飛雨颯太。
彼も五月雨財閥系の御曹司で、先ほど美月が有名人の一括りにした中に入っていた一人だ。
そして、彼の指し示す先には、やはりスイーツに悶える美月の姿が……。
「わっすごい、食べっぷり!」
「でも、いいね~」「うんうん、いい。何か癒される~」
相槌を打ったのは、天泣 涙と天泣 澪である。
二人は双子、……ではなく、母方の従妹同士で、これまた美月が目立つ連中と思った中にいた。
「お前達の意見が一致するとは、珍しいな。……どこだ?」
驚きのためか少し目を見開いて問いただしたのは、秋霖 湊。
彼は今年度の新入生の中で、最も有名と言ってもよい人物だった。
五月雨財閥の中でも一番の勢力を持つ、筆頭秋家の次代と目されているのだから……。
癖のない艶やかな黒髪に端正な切れ長の瞳。
家柄のことを知らない人でも思わず振り返って見てしまうような、非常に整った容姿を持っている。
その彼が少し身を乗り出して、颯太の指し示す方向を見た途端、吹きだした……。
「何だ?あれは。……確かに、面白い」
「だろ?あの子、ずっとああなんだよな~」
「欲望のおもむくままって感じ~でも、見てるだけで何故か幸せになるね」
「うんうん、一生懸命小動物が頬張ってる感じ~」
確かに、と涙と澪は顔を見合わせて笑った。
珍しく一同が和やかな空気に包まれる中、ふと気がついたように湊が声を上げた。
「……ずっと?」
「ああ、少なくともオレが目を付けてから、一度も見失ってはいないぜ?」
意味ありげな颯太の言葉と目つきに湊は少し考え込み、そして、誰かを呼ぶようにすっと手を上げた。
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