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新たな芽生え 3
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殺伐とした闇の風景の中で香る、甘い、甘いイチゴのにおい――――その香りが広がるにつれ、闇の彼方から微かな羽音と共に、温かなオレンジ色に瞬く光の渦が近づいてくる。
「あれは――――、そして、この神気は」
瞬き様々な形へと変化しつつ、段々とこちらへと近づいてくる光の帯に、皆が戸惑っている中、湊の呟きを聞きつけた霖雨教師が問いかける。
「あれが何か、分かっているのですか?」
「――――恐らく。あれは、たぶん…………」
湊がその問いに答えかけたとき、光の帯がこの場へと到着した。
(山蛍じゃ――――!お、……大きいぞ?!)
(し、神気をまとっておる――――?!)
(と、いうことは……?か、神、なのか――――?)
(山蛍神――――?!)
光の帯の先頭には、親指ほどの大きさでひと際大きな光を放つ山蛍がいた。
そして、それは美月のカバンの上を旋回し、後続の山蛍達に何か指令を送っている様子だった。
やがて、その山蛍の集団は全て美月のカバンの上へと集結し、一筋の光となって闇の鎖に覆われつつあるカバンの中へと入り込んでいく――――凝った闇の中でさえ、いや中だからこそ一層鮮やかに浮かび上がる、光の乱舞。
その場にいる人モノ全てが目を奪われる中、乱舞する山蛍達から放たれ、カバンの上にしんしんと降り積もっていく神気を帯びた光の粒子――――それに引き寄せられたかのように、三つ目を縛る足元の闇の鎖は、一気に光の、カバンの方へと移動を加速させる。
三つ目を縛る闇の鎖は、あと僅か――――それに伴い、三つ目の筋肉が盛り上がる。
どうやら、力技でもって、一気にここから抜け出す模様だ。
(…………巫女殿、我にしっかりとつかまっていて下され)
覚悟を決めたかのようなその言葉に、美月は何度も頷きながら、ツキと三つ目の首元をぎゅっと両手で抱きしめた。
――――そのとき、美月のカバンが眩い光を放つ。と、同時に、ざっと三つ目の足元を縛っていた最後の鎖がソレに巻き付く。
その瞬間を見逃さずに、三つ目もまた一気に加速し、ついに闇の凝りの圏外へと躍り出た――――!
おお~~~というどよめきは、そのことに対するものなのか、それとも、…………
三つ目に抱きかかえられたまま美月の視たモノは、鮮やかな光の放流――――美月のカバンから山蛍達が取り出したモノ達は、様々な色合いの光に包まれていた。
ひと際強く光の中心で虹色に輝いているのは、――――あれは、眼鏡の欠片――――?
お母さんのくれた、……わたしの、お守り眼鏡。
虹色に輝く欠片の光を受けて、その他のモノ達も様々な色に輝いている。
問題集は、まるでトルコ石のようにきらめいて。
おばあちゃんのおにぎりは、おばあちゃんそのもののような温もりに満ちた暖色系の様々な色に。
その他にもまるでそのモノ達に長年の想いが降り積もったかのように、それぞれに輝いていて――――
その中でも、熱心に山蛍達が祝福のような光の粒子を贈っているのは、…………美月の食べ残したイチゴだった。
やがて、渦巻く光の放流の中でそのイチゴ達は、艶々と緑色に輝く若葉を出す。
美月のカバンの上を苗床に様々な光を吸収し、次々と芽生え、成長していくイチゴ達――――
(な、何と――――?!)
(この、荒れ果てた地に、新たな芽生えが――――?!)
(――――ということは、……次代は、イチゴ様?)
(――――あそこをよぉく視ぃっ!巫女様の居った辺りに浄化の泉が)
(本当じゃ!――――あれは、巫女様の涙の痕?)
(ありがたや、ありがたや――――)
そうして新たな発見に驚き騒めくあやかし第十班に向かい、またもや三つ目の大音声が鳴り響く。
(何をしておる――――!狭間の次代が定まった今、あとしばらくで此処は閉じられるぞ?!皆のモノ、急げ!早う、此処から脱出するぞ!)
「あれは――――、そして、この神気は」
瞬き様々な形へと変化しつつ、段々とこちらへと近づいてくる光の帯に、皆が戸惑っている中、湊の呟きを聞きつけた霖雨教師が問いかける。
「あれが何か、分かっているのですか?」
「――――恐らく。あれは、たぶん…………」
湊がその問いに答えかけたとき、光の帯がこの場へと到着した。
(山蛍じゃ――――!お、……大きいぞ?!)
(し、神気をまとっておる――――?!)
(と、いうことは……?か、神、なのか――――?)
(山蛍神――――?!)
光の帯の先頭には、親指ほどの大きさでひと際大きな光を放つ山蛍がいた。
そして、それは美月のカバンの上を旋回し、後続の山蛍達に何か指令を送っている様子だった。
やがて、その山蛍の集団は全て美月のカバンの上へと集結し、一筋の光となって闇の鎖に覆われつつあるカバンの中へと入り込んでいく――――凝った闇の中でさえ、いや中だからこそ一層鮮やかに浮かび上がる、光の乱舞。
その場にいる人モノ全てが目を奪われる中、乱舞する山蛍達から放たれ、カバンの上にしんしんと降り積もっていく神気を帯びた光の粒子――――それに引き寄せられたかのように、三つ目を縛る足元の闇の鎖は、一気に光の、カバンの方へと移動を加速させる。
三つ目を縛る闇の鎖は、あと僅か――――それに伴い、三つ目の筋肉が盛り上がる。
どうやら、力技でもって、一気にここから抜け出す模様だ。
(…………巫女殿、我にしっかりとつかまっていて下され)
覚悟を決めたかのようなその言葉に、美月は何度も頷きながら、ツキと三つ目の首元をぎゅっと両手で抱きしめた。
――――そのとき、美月のカバンが眩い光を放つ。と、同時に、ざっと三つ目の足元を縛っていた最後の鎖がソレに巻き付く。
その瞬間を見逃さずに、三つ目もまた一気に加速し、ついに闇の凝りの圏外へと躍り出た――――!
おお~~~というどよめきは、そのことに対するものなのか、それとも、…………
三つ目に抱きかかえられたまま美月の視たモノは、鮮やかな光の放流――――美月のカバンから山蛍達が取り出したモノ達は、様々な色合いの光に包まれていた。
ひと際強く光の中心で虹色に輝いているのは、――――あれは、眼鏡の欠片――――?
お母さんのくれた、……わたしの、お守り眼鏡。
虹色に輝く欠片の光を受けて、その他のモノ達も様々な色に輝いている。
問題集は、まるでトルコ石のようにきらめいて。
おばあちゃんのおにぎりは、おばあちゃんそのもののような温もりに満ちた暖色系の様々な色に。
その他にもまるでそのモノ達に長年の想いが降り積もったかのように、それぞれに輝いていて――――
その中でも、熱心に山蛍達が祝福のような光の粒子を贈っているのは、…………美月の食べ残したイチゴだった。
やがて、渦巻く光の放流の中でそのイチゴ達は、艶々と緑色に輝く若葉を出す。
美月のカバンの上を苗床に様々な光を吸収し、次々と芽生え、成長していくイチゴ達――――
(な、何と――――?!)
(この、荒れ果てた地に、新たな芽生えが――――?!)
(――――ということは、……次代は、イチゴ様?)
(――――あそこをよぉく視ぃっ!巫女様の居った辺りに浄化の泉が)
(本当じゃ!――――あれは、巫女様の涙の痕?)
(ありがたや、ありがたや――――)
そうして新たな発見に驚き騒めくあやかし第十班に向かい、またもや三つ目の大音声が鳴り響く。
(何をしておる――――!狭間の次代が定まった今、あとしばらくで此処は閉じられるぞ?!皆のモノ、急げ!早う、此処から脱出するぞ!)
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