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お家へ帰ろう
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「おお……!これが、五月雨財閥が新たに開発したという、車という乗り物か~~!妾は、初めてじゃ……!」
研究所から出されてきたモノ対応燃料電池自動車を、目を輝かせて食い入るように見つめる山姫。
(美月殿~!決して、決して後悔はさせませぬ故、何卒末永くよろしくお願い申す――)
と、超ご機嫌で美月の横にぴたりと控える、一角鬼の三つ目。
「……そうだね。三つ目さん、くれぐれもおばあちゃんを脅かさないよう、お願いしますね……?」
(そのような心配は、無用かと……普通の人間に我々は視えず、聴こえませぬ故――)
「そっか……そういうものなの?」
まだまだ自覚の追いつかない美月は、不安そうに周りのあやかし達をきょろきょろと見渡した。
(美月様――!お早いお帰りをお待ちしております!)
(――明日は、我ら第一班がお迎えに参上致しますからね~~!!)
(くっ……!一角め~、まんまと上手くやりおって~~!)
そこへ、満面の笑顔で大森チーフが登場した。
「疲労で倒れそうな理事長に車の運転を任せるわけには参りませんので……!お待たせしました~それでは、私の運転で、星野さんのお家まで皆様をお送り致しましょう!」
「おお……!やはり「食」ぐるーぷは、なかなかやりおる!よろしく頼むぞ~!」
物珍し気にしげしげと車に見入っていた山姫は、颯爽と一番に乗り込む。
続いて、美月殿、ささっどうぞ、と三つ目に促され、乗り込むのは美月とツキと三つ目。
そして、最後にため息を吐きながら、顔色の悪い緑雨理事長と山姫居住の手前、石段辺りで足止めを食らっていたその旧友達が乗り込んだ。
「……どうして、……どうしてこうなった?」
緑雨理事長の力ない呟きは、超ご機嫌な大森チーフと山姫と三つ目の、さあ、出発~!という歓声にかき消された……。
お家に帰れるのは、とっても嬉しいのだけど…………。
美月は腕の中のツキを自分の精神安定のためにぎゅっと抱きしめながら、そっと両隣でハイテンションで騒ぎまくる、山姫と三つ目を窺う。
「おお~~!……こ、これは、なかなかのモノじゃの~~!おお、速い、速い~~!」
(なんのなんの~~。……このくらい、我の全速力に比べれば)
「この車はですねぇ~、人造物、とくに精密機械等になかなか馴染めないモノ対応として、特別に研究開発されたモノでして。「住」グループ渾身の傑作で、純水素を燃料とし、何と排気ガスは水だけという…………」
三者三様に話しまくる、マイペースな三人組……。
ワゴンの後ろには、胃を抑えた緑雨理事長とその旧友達がずらりと乗っていて、沈黙を保っている。
き、気まずい――……だけど、絶対に理事長案に乗ることは出来ないし。
美月は、先程のあやかし達の嘆願から始まった諍いを思い返す。
あの時――――どうしようもなくお家に帰りたくて、……でも、周りに集い嘆願するあやかし達を、振り切ることも出来なくて、途方にくれた美月に理事長はある提案をした。
それは、五月雨学園の特別寮に入ること――――五月雨財閥の敷地内であれば、それら深山のあやかし達を近くに棲まわせることも可能だ、と言葉巧みにその他の利点も合わせて彼は美月に訴えた。
それに、山姫率いる社のモノ達が大反撃。
その様な処に今更行かずとも、ずっとずっとこのまま此処に居た方が良い!何より、深山のあやかし達は山姫にとって、同じ山に属する親戚のようなモノなのだから、そちらよりももっともっとより良い環境を提供できる!――と。
互いに一歩も引かず、にらみ合う両者と、うるうると美月に離れたくない~と訴えるあやかし達に囲まれて、思わず美月も泣きたくなった時、――――それに気づいた山姫から、次の案が出された。
それは、……ツキと同じく身体の大部分を闇に侵された三つ目のみを美月の供とし、その他のあやかし達はいったんこのまま山姫の住処に棲まわせ、美月の部屋と山姫の住処を一時道で繋ぐ、というものだった。
そうすれば、少なくとも美月が自分の部屋で休む時間は、深山のあやかし達は例え離れた山姫の領域に居たとしても、美月の気配を感じられ、癒されることが出来るから――――と。
困り果てていた美月にとっては、願ってもない提案で、…………自分の部屋と山姫の領域を繋ぐ、ということはよく分からないまでも、これが今の最善とばかりに、美月はこっくりとその提案に頷いた。
そこへ山姫が、ならば美月殿の家へ妾を連れていけ。妾は一度行ったことのある場所しか繋ぐことが出来ぬ故――と言い出したならば、ホクホク顔で大森チーフが運転手に名乗りを上げ、あっという間に帰宅の手配が整うことに。
けれども、…………残されるあやかし達の再嘆願により、もう一つ条件が足されることとなる。
それは、美月の家から離れたバス停辺りにも道を作り、毎朝毎夕?深山のあやかし達が班替わりで美月の送迎を行うこと。
それに関しても、山姫はノリノリで、これならば、美月殿は妾の住処から学園に通うようなものよ~と超ご機嫌と相成った……。
美月は、はあ~っとため息を吐く。
お家に帰れるのは、とっても嬉しいのだけど、…………超不安。
研究所から出されてきたモノ対応燃料電池自動車を、目を輝かせて食い入るように見つめる山姫。
(美月殿~!決して、決して後悔はさせませぬ故、何卒末永くよろしくお願い申す――)
と、超ご機嫌で美月の横にぴたりと控える、一角鬼の三つ目。
「……そうだね。三つ目さん、くれぐれもおばあちゃんを脅かさないよう、お願いしますね……?」
(そのような心配は、無用かと……普通の人間に我々は視えず、聴こえませぬ故――)
「そっか……そういうものなの?」
まだまだ自覚の追いつかない美月は、不安そうに周りのあやかし達をきょろきょろと見渡した。
(美月様――!お早いお帰りをお待ちしております!)
(――明日は、我ら第一班がお迎えに参上致しますからね~~!!)
(くっ……!一角め~、まんまと上手くやりおって~~!)
そこへ、満面の笑顔で大森チーフが登場した。
「疲労で倒れそうな理事長に車の運転を任せるわけには参りませんので……!お待たせしました~それでは、私の運転で、星野さんのお家まで皆様をお送り致しましょう!」
「おお……!やはり「食」ぐるーぷは、なかなかやりおる!よろしく頼むぞ~!」
物珍し気にしげしげと車に見入っていた山姫は、颯爽と一番に乗り込む。
続いて、美月殿、ささっどうぞ、と三つ目に促され、乗り込むのは美月とツキと三つ目。
そして、最後にため息を吐きながら、顔色の悪い緑雨理事長と山姫居住の手前、石段辺りで足止めを食らっていたその旧友達が乗り込んだ。
「……どうして、……どうしてこうなった?」
緑雨理事長の力ない呟きは、超ご機嫌な大森チーフと山姫と三つ目の、さあ、出発~!という歓声にかき消された……。
お家に帰れるのは、とっても嬉しいのだけど…………。
美月は腕の中のツキを自分の精神安定のためにぎゅっと抱きしめながら、そっと両隣でハイテンションで騒ぎまくる、山姫と三つ目を窺う。
「おお~~!……こ、これは、なかなかのモノじゃの~~!おお、速い、速い~~!」
(なんのなんの~~。……このくらい、我の全速力に比べれば)
「この車はですねぇ~、人造物、とくに精密機械等になかなか馴染めないモノ対応として、特別に研究開発されたモノでして。「住」グループ渾身の傑作で、純水素を燃料とし、何と排気ガスは水だけという…………」
三者三様に話しまくる、マイペースな三人組……。
ワゴンの後ろには、胃を抑えた緑雨理事長とその旧友達がずらりと乗っていて、沈黙を保っている。
き、気まずい――……だけど、絶対に理事長案に乗ることは出来ないし。
美月は、先程のあやかし達の嘆願から始まった諍いを思い返す。
あの時――――どうしようもなくお家に帰りたくて、……でも、周りに集い嘆願するあやかし達を、振り切ることも出来なくて、途方にくれた美月に理事長はある提案をした。
それは、五月雨学園の特別寮に入ること――――五月雨財閥の敷地内であれば、それら深山のあやかし達を近くに棲まわせることも可能だ、と言葉巧みにその他の利点も合わせて彼は美月に訴えた。
それに、山姫率いる社のモノ達が大反撃。
その様な処に今更行かずとも、ずっとずっとこのまま此処に居た方が良い!何より、深山のあやかし達は山姫にとって、同じ山に属する親戚のようなモノなのだから、そちらよりももっともっとより良い環境を提供できる!――と。
互いに一歩も引かず、にらみ合う両者と、うるうると美月に離れたくない~と訴えるあやかし達に囲まれて、思わず美月も泣きたくなった時、――――それに気づいた山姫から、次の案が出された。
それは、……ツキと同じく身体の大部分を闇に侵された三つ目のみを美月の供とし、その他のあやかし達はいったんこのまま山姫の住処に棲まわせ、美月の部屋と山姫の住処を一時道で繋ぐ、というものだった。
そうすれば、少なくとも美月が自分の部屋で休む時間は、深山のあやかし達は例え離れた山姫の領域に居たとしても、美月の気配を感じられ、癒されることが出来るから――――と。
困り果てていた美月にとっては、願ってもない提案で、…………自分の部屋と山姫の領域を繋ぐ、ということはよく分からないまでも、これが今の最善とばかりに、美月はこっくりとその提案に頷いた。
そこへ山姫が、ならば美月殿の家へ妾を連れていけ。妾は一度行ったことのある場所しか繋ぐことが出来ぬ故――と言い出したならば、ホクホク顔で大森チーフが運転手に名乗りを上げ、あっという間に帰宅の手配が整うことに。
けれども、…………残されるあやかし達の再嘆願により、もう一つ条件が足されることとなる。
それは、美月の家から離れたバス停辺りにも道を作り、毎朝毎夕?深山のあやかし達が班替わりで美月の送迎を行うこと。
それに関しても、山姫はノリノリで、これならば、美月殿は妾の住処から学園に通うようなものよ~と超ご機嫌と相成った……。
美月は、はあ~っとため息を吐く。
お家に帰れるのは、とっても嬉しいのだけど、…………超不安。
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