7 / 9
触れたい、触れられたい
しおりを挟む
「しっかし、本当に豪華なホテルだな」
「会社の社員旅行に奮発しすぎだよな」
はははと笑いながらロビーを歩いていると、ふと「莉央?」と声をかけられる。
「縁じゃん」
「サクもいたのか」
サクとは桜庭のあだ名で中学の頃はみんなにそう呼ばれていたんだとか。
「.......こんなところで莉央に会えるなんて嬉しいよ」
「.......っ、縁」
隼のことが口から出てしまいそうで、でも名前を出すわけにはいかなくて、縁の名前を口にするだけにとどめる。
「偶然だな。旅行か?」
「社員旅行だよ」
「そっか。ふたりできたのかと思って、ヤキモチ妬くとこだったよ」
「おいおい、俺は女が好きだぞー?」
「そんなの、莉央もだろ?な?」
桜庭の言葉に俺の顔を覗き込む。
「そうだよ。行くぞ、桜庭」
近くなった縁との距離は簡単に俺の心臓を騒がせる。
本当に縁は初めて会った時から俺の好みだった。
そして、大人びた縁はさらに俺好みに成長を遂げていた。
隼はあの頃の縁を少し大人にした感じで、かつての同級生と身体の繋がりを持っている感覚に陥ることができて、すごく興奮していた。
そして、実際に会った縁もまたいまの隼ととても似ていた。
「あ、隼。遅いぞ」
「悪ぃ、トイレ混んでた」
そんな声が背後から聞こえる。
振り向きたい衝動にかられながらも、俺はエレベーターホールまで振り向かずに行くことに成功した。
「ほら、ここからなら隠れて見えるぞ」
「あ、あぁ」
仲睦まじげに縁と話している隼の姿。
今度はキスシーンじゃくなくて、ちゃんと姿を捉えることができた。
やっぱり、隼は俺の心をかっさらってしまうようで、頭の中は隼でいっぱいになった。
「俺、サッパリしたいから風呂でも入ってくるわ」
部屋に着いてすぐ、桜庭が出ていって俺は一人になる。
きっと、俺を一人にさせてくれたのだろう。
「隼.......が、好きだ.......」
もう、誤魔化せない。
俺は、縁じゃなくて隼のことが好きだったんだ。
あんなにずっと縁のことが忘れられないと思っていたのに、いつの間にか隼のことが好きになっていた。
それを、縁に気持ちを告げられて気づくなんて俺もバカだな。
縁に似ている隼のことを気に入ってるだけだと思い込んでいた。
いや、俺は自分の気持ちに気づかない振りをしていたのかもしれないな。
「.......隼.......っ」
さっき久しぶりにちゃんと隼の顔をみた。
たったそれだけのことで、なにもないのに膨れ上がった自身のソレに触れる。
意地でも隼とするまでは.......とかたくなに自分でも触ってこなかった。
というか、元々そこまでの性欲はなく隼といる時だけ興奮していた。
だから、ここ2週間ほどはまったく興奮することもなく単調な日々をすごしていた。
「少しみただけで、アイツの身体思い出して.......もうダメだ」
時計をちらっとみると、桜庭が出てからまだ5分も経っていない。
「いいよな.......っ、隼.......はぁっ」
こんなコソコソと自慰行為をするなんて学生の時以来かもしれない。
頭に浮かんでくるのは、俺を抱きしめる隼の腕。
いつも頭を撫でて「可愛い」と言ってくれて、そして優しく口付けをしてくれる。
たったこれだけ頭に浮かべただけで、隼にキスをされてる感覚に陥るから不思議だ。
「.......っ、はぁっ.......んっ.......」
隼がいつもしてくれるように自然と俺の指が後ろへと回る。
「.......しゅ、ん.......しゅん.......隼!」
自分しかいないのに、自分でやっている事なのに隼がそこにいるような、隼と戯れているようなそんな感覚に俺は支配される。
「好き.......隼.......好き」
こう、実際にも言えたらいいのに。
隼と戯れているときはこんなことは言えない。
「気持ちいい」と表現をするだけで精一杯だ。
「.......はぁっ、はぁっ.......」
隼のことをたくさん頭に浮かべて、俺はあっけなく果てた。
「隼に触れたい、触れられたい.......」
隼を思いながらじゃない、隼とふたりで感じたいし、また一緒に果てる瞬間を味わいたい。
やはり、隼とふたりで果てる瞬間が一番好きだ。
たとえ隼には他にも男がいたとしても、俺と隼の空間は俺たちだけにしか作り上げることできな空間だから。
「はやく、俺のところに来てくれよ.......」
しばらくとは一体どのくらいなのか。
1ヶ月、半年、はたまた一年。
そんなに待たされたら、俺はどうなるんだろうか。
でももう別に忘れられないからといって他の男となんて今更考えられない。
だから、はやく「俺がいい」と戻ってきてくれたらいいと思っていた。
「縁と.......してるのかな」
そう考えただけで、胸が苦しくなる。
どうやら俺は隼のことが好きで好きでたまらないようだった。
もっとはやく気がついて、気持ちを伝えていたら何かが変わっていたのだろうか。
名前とIDしか知らない俺らもほかの情報をお互いに言い合うことができていたのだろうか。
どうなっていたかなんて、すぎた今ではなにもわからないけど。
「会社の社員旅行に奮発しすぎだよな」
はははと笑いながらロビーを歩いていると、ふと「莉央?」と声をかけられる。
「縁じゃん」
「サクもいたのか」
サクとは桜庭のあだ名で中学の頃はみんなにそう呼ばれていたんだとか。
「.......こんなところで莉央に会えるなんて嬉しいよ」
「.......っ、縁」
隼のことが口から出てしまいそうで、でも名前を出すわけにはいかなくて、縁の名前を口にするだけにとどめる。
「偶然だな。旅行か?」
「社員旅行だよ」
「そっか。ふたりできたのかと思って、ヤキモチ妬くとこだったよ」
「おいおい、俺は女が好きだぞー?」
「そんなの、莉央もだろ?な?」
桜庭の言葉に俺の顔を覗き込む。
「そうだよ。行くぞ、桜庭」
近くなった縁との距離は簡単に俺の心臓を騒がせる。
本当に縁は初めて会った時から俺の好みだった。
そして、大人びた縁はさらに俺好みに成長を遂げていた。
隼はあの頃の縁を少し大人にした感じで、かつての同級生と身体の繋がりを持っている感覚に陥ることができて、すごく興奮していた。
そして、実際に会った縁もまたいまの隼ととても似ていた。
「あ、隼。遅いぞ」
「悪ぃ、トイレ混んでた」
そんな声が背後から聞こえる。
振り向きたい衝動にかられながらも、俺はエレベーターホールまで振り向かずに行くことに成功した。
「ほら、ここからなら隠れて見えるぞ」
「あ、あぁ」
仲睦まじげに縁と話している隼の姿。
今度はキスシーンじゃくなくて、ちゃんと姿を捉えることができた。
やっぱり、隼は俺の心をかっさらってしまうようで、頭の中は隼でいっぱいになった。
「俺、サッパリしたいから風呂でも入ってくるわ」
部屋に着いてすぐ、桜庭が出ていって俺は一人になる。
きっと、俺を一人にさせてくれたのだろう。
「隼.......が、好きだ.......」
もう、誤魔化せない。
俺は、縁じゃなくて隼のことが好きだったんだ。
あんなにずっと縁のことが忘れられないと思っていたのに、いつの間にか隼のことが好きになっていた。
それを、縁に気持ちを告げられて気づくなんて俺もバカだな。
縁に似ている隼のことを気に入ってるだけだと思い込んでいた。
いや、俺は自分の気持ちに気づかない振りをしていたのかもしれないな。
「.......隼.......っ」
さっき久しぶりにちゃんと隼の顔をみた。
たったそれだけのことで、なにもないのに膨れ上がった自身のソレに触れる。
意地でも隼とするまでは.......とかたくなに自分でも触ってこなかった。
というか、元々そこまでの性欲はなく隼といる時だけ興奮していた。
だから、ここ2週間ほどはまったく興奮することもなく単調な日々をすごしていた。
「少しみただけで、アイツの身体思い出して.......もうダメだ」
時計をちらっとみると、桜庭が出てからまだ5分も経っていない。
「いいよな.......っ、隼.......はぁっ」
こんなコソコソと自慰行為をするなんて学生の時以来かもしれない。
頭に浮かんでくるのは、俺を抱きしめる隼の腕。
いつも頭を撫でて「可愛い」と言ってくれて、そして優しく口付けをしてくれる。
たったこれだけ頭に浮かべただけで、隼にキスをされてる感覚に陥るから不思議だ。
「.......っ、はぁっ.......んっ.......」
隼がいつもしてくれるように自然と俺の指が後ろへと回る。
「.......しゅ、ん.......しゅん.......隼!」
自分しかいないのに、自分でやっている事なのに隼がそこにいるような、隼と戯れているようなそんな感覚に俺は支配される。
「好き.......隼.......好き」
こう、実際にも言えたらいいのに。
隼と戯れているときはこんなことは言えない。
「気持ちいい」と表現をするだけで精一杯だ。
「.......はぁっ、はぁっ.......」
隼のことをたくさん頭に浮かべて、俺はあっけなく果てた。
「隼に触れたい、触れられたい.......」
隼を思いながらじゃない、隼とふたりで感じたいし、また一緒に果てる瞬間を味わいたい。
やはり、隼とふたりで果てる瞬間が一番好きだ。
たとえ隼には他にも男がいたとしても、俺と隼の空間は俺たちだけにしか作り上げることできな空間だから。
「はやく、俺のところに来てくれよ.......」
しばらくとは一体どのくらいなのか。
1ヶ月、半年、はたまた一年。
そんなに待たされたら、俺はどうなるんだろうか。
でももう別に忘れられないからといって他の男となんて今更考えられない。
だから、はやく「俺がいい」と戻ってきてくれたらいいと思っていた。
「縁と.......してるのかな」
そう考えただけで、胸が苦しくなる。
どうやら俺は隼のことが好きで好きでたまらないようだった。
もっとはやく気がついて、気持ちを伝えていたら何かが変わっていたのだろうか。
名前とIDしか知らない俺らもほかの情報をお互いに言い合うことができていたのだろうか。
どうなっていたかなんて、すぎた今ではなにもわからないけど。
0
あなたにおすすめの小説
届かない「ただいま」
AzureHaru
BL
いつも通りの変わらない日常のはずだった。
「行ってきます。」と言って出て行った貴方。1日が終わる頃に「ただいま。」と「おかえり。」を笑顔で交わすはずだった。でも、その言葉はもう貴方には届かない。
これは「優しさが奪った日常」の物語。
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
海月 ぴけ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……
僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ/Ⅱ
MITARASI_
BL
I
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。
揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。
不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。
すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。
切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。
Ⅱ
高校を卒業し、同じ大学へ進学した陸と颯馬。
別々の学部に進みながらも支え合い、やがて同棲を始めた二人は、通学の疲れや家事の分担といった小さな現実に向き合いながら、少しずつ【これから】を形にしていく。
未来の旅行を計画し、バイトを始め、日常を重ねていく日々。
恋人として選び合った関係は、穏やかに、けれど確かに深まっていく。
そんな中、陸の前に思いがけない再会をする。
過去と現在が交差するその瞬間が、二人の日常に小さな影を落としていく。
不安も、すれ違いも、言葉にできない想いも抱えながら。
それでも陸と颯馬は、互いの手を離さずに進もうとする。
高校編のその先を描く大学生活編。
選び続けることの意味を問いかける、二人の新たな物語。
続編執筆中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる