俺のことだけを見てればいいのに。

とらまーる

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第三章

修学旅行一日目 1

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「――萊、おきて。」
「……ん、はやと……?」
「ほら、着いたよ。」

 隼人に揺さぶられながらぼんやりと目を覚ました。
 周りは全員立っていて、それに倣って俺もシートベルトを外して立ち上がった。

「ふふっ。萊、眠そう。」
「んー……?」
「早く目覚まさないと怪我するかも。」
「ん……」
「ライライ唸ってばっかだぞ。ほんとに起きてんのか?」
「ふぎゃっ!」

 重い瞼を頑張ってあげながら隼人に返事をしていると、翔が笑いながら俺の頬をつついた。近づいてくる指に気が付かなかったために驚き、変な声を上げながら隼人にしがみついた。
 うわ、はずっ! 目は覚めたけど、感謝はしねーわ!

「ぶはっ、猫みて―!」
「バカにすんじゃねーよ!」
「いっててて!」

 指さして笑われ、さらに羞恥心が募る。翔の人差し指をつかみ、少しずつひねっていると俺たちが下りる順番が来てしぶしぶ指を離した。


「うおおおっ!」
「萊、落ち着いて。」
「ふふっ、藤山君いつもよりテンション高いねー。」
「当たり前だろ!」

 なんか空気が違う感じがして気持ちいい!
 萩田さんのいうようにいつも以上にテンションが高い。旅行ハイ的な!

「よーし、点呼とるぞー。班長報告ー」

「全員いるね。報告行ってくるよ。」
「隼人、行ってらー!」
「ライライ落ち着けって。」
「目立つよ、静かに……!」

 ニコニコと隼人を見送っていると、二人に静かにするように指摘された。
 目立つのは嫌だけど、このテンションは抑えられそうにない!

「藤山君なんでそんなにテンション高いの?」
「修学旅行だからだ! なんか楽しい!」
「……頭おかしくなったか?」
「なってねーよ! ふふふっ」

 今なら何でもできそうな気がする……!
 少し含み笑いしていると、二人に引かれた。うわ、ひどい。

「なんか……いっつも不愛想で苦手だったけど、こうやってテンション高いのも変な感じだね」
「あ、それ俺も思った。」
「マジでひでー!」
「萊、あっちでも丸聞こえだったよ。静かにしないと。」

 隼人に言われてばっと口を手で押さえる。あっちまで聞こえてたとか……!

「……早乙女、なんかあそこに落ち込んでるやつが……」
「え? 俺には見えないけど……どこどこ?」

「おし、バスに乗ってホテル行くぞー。」

 翔が恐る恐る指さした方向を見ようとしても、ちょうど隼人がいて見えなかった。
 それに、見ようとしてもバスに乗るため人が流れてさえぎられたので諦め、その波に流されながら指定された席に乗った。
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