俺のことだけを見てればいいのに。

とらまーる

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第三章

修学旅行一日目 2

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「初めまして。今日から四日間、皆さんのバスガイドを務めます、岸本 春子です。」
『よろしくお願いしまーす!』

 バスに乗ると、バスガイドさんの自己紹介が始まった。
 若そうな人で、すごくおっとりしてそうな雰囲気。ちょっと隼人に似てる気がする。


「右手に見えるのは――」

 バスガイドさんの話を聞きながら、言われた通り右の方を見る。
 そこは普段見慣れていない景色で、やっぱりキラキラして見える。ちらりと後ろの席の翔をみると、自分の右手を見ていた。

「何してるんだ?」
「え? 右手みろって言ったから右手を見ただけだぞ?」
「……景色見ろよ。」
「なんだよー、定番だぞー?」

 理由を聞けばばかばかしくて、呆れたように言えばわざとらしく拗ねた。
 まあ、かまってやる必要もないかと思い景色の方に視線を戻した。うん、あんなくだらないの見るよりは景色だよな。



「はい、ホテルに着きましたよ。」
「よーし、後ろの奴から降りろー。
降りたら荷物もってホールに行って並んどけよー。」
『はーい』

 俺たちの席は後ろの方だったので先に降り、荷物を受け取って言われた通りホールに行く。
 ホテルはすごく綺麗で、玄関にはライトアップ用の大きな木があった。うわあ、ときょろきょろしながら歩いていると、隼人に手を握られた。

「萊、危ないよ。」
「あっ、悪い。」
「気を付けてね?」

 隼人に手を握られなければ別の団体の方に流れていくところだった……隼人に感謝しながら今度はしっかりと前を向いて歩いた。

「おし、そろったかー?」
『全員いまーす』
「じゃ、部屋の鍵配るぞー」

 先生が「班長取りに来いー」と言い、隼人が取りに行く。
 部屋は、俺と隼人と翔の三人部屋だ。萩田さんは、別の女子のグループの部屋に入れてもらっている。

「いまから部屋にいくからついて来いよー。
迷子になったらとりあえず一階ホールに戻るんだぞー」

 先生の言う通りついていくと、部屋に着き、それぞれが決められた部屋に入った。
 部屋は広く、三人部屋とは思えない位だった。しばらくゆっくりしたかったけど、荷物の整理が終わったら早速夕食だ。

 とんとん拍子で進むけど、一つ一つしっかり楽しもう!
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