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7.スイート・キング3

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 「顔を洗ってくる」と礼慈さんが言った。わたしも、脱衣所までついていった。
 トイレにも行った。
 顔をきれいにして、スキンケアもした。わたしが終わるまで、礼慈さんが後ろで待っていた。
 手をつないで、寝室に戻った。


 二度目のセックスは、おだやかだった。やさしくしてもらった。
 すごく、長い時間していた。
 つらいとは、思わなかった。よく眠って、元気になったからかもしれない。
 口で、した。わたしも、口でしてもらった。きもちよくて、少しだけ泣いてしまった。
 入れてる時も、やさしかった。体を撫でてくれて、やさしい言葉でほめてくれた。愛されてる感じがした。
 わたしがいく時も、やさしかった。はげしくしないで、やさしいままで、ちゃんといかせてくれた。
 礼慈さんにとっては、じれったかったかもしれない。でも、ぜんぜん、いやそうな顔はしなかった。
 礼慈さんがいってからも、抱きしめてくれていた。わたしが、「もう、だいじょうぶです」って、言うまで。それから、いっぱいキスをしてくれた。
 かんちがいしそうになってしまう……。礼慈さんは、わたしのことが好きで、たまらないんだって。
 ううん。かんちがいじゃない、はず……。
 この人のことを、信じたいと思った。信じられる、とも。
 だから、もう、一瞬だけなんだとは、思わないようにしようと思った。本当の終わりがくるまでは、そんなことは考えなくてもいいんだって、心から思えた。

「よかった?」
「うん。ありがとうー」
「お礼はいらない。ごめん。疲れてるって、分かってたのに」
「ううん。いいの。
 わたしとしたいって、思ってくれて、うれしい……」
 すぐ近くにある顔に向かって、笑いかけた。礼慈さんの顔が、ゆがんだ。
「……れいじさん?」
「何でもない」
「そう……?」
 また、ぎゅっとしてくれた。

「れいじさん? どうしたの……?」
「もう少しだけ、こうさせて」
「いいけど……」

 ずっと、だきしめられていた。
 「もう、いいです」って、わたしが言っても、しばらく離してくれなかった。
 うれしかった。
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