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第二章 エウクラトア聖王国

4話 出発!!

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「もしかして、神の使徒が見つかると世界が成長するって……」

「ええ、そういうことですよ」

 わあお!マジか!

 つまり、神と使徒が夫婦になることで新しい神々が生まれてくるってことかぁー……。

 私はなんともいえない表情になっていると思う。そんな私にウーラノスは先程よりは赤みが落ち着いた顔で言う。

「アマネ、そんなに考えなくても大丈夫。 アマネがこの世界に存在しているだけで世界は成長しているのだから焦らなくて大丈夫だよ」

「ウーラノス……」

 私が思っていることが分かったのだろうか……?

 私はちょっとだけ思ってしまった。私が早くウーラノスの想いに応えればこのアズフェールはもっと早く成長するのかと……。

 だけどウーラノスは焦らなくて大丈夫だと言ってくれた。そんな私に対して思いやりをみせてくれるウーラノスに私は温かい思いに包まれた。

「さて、流れについてなんだけど……」

 このお仕事についての流れをウーラノスから説明された。

 まずエウクラトア聖王国に向かいサポーターの大精霊達と会う。というか、エウクラトア聖王国に入る前に迎えに来てくれるという。

 国に入国する時の身分が必要になるだろうからそのサポーターの大精霊の遠縁の子的な感じで身分を用意してくれるのだということ。

 そして、近々行われるであろう偽者の使徒のお披露目パーティー。そこで偽者や教皇を観察し、どういうお仕置きがいいか考えてと言われた。

 罰に関しては私が決めないといけない。地上で人々に関与しながらのお仕事だから基本ウーラノスは罰を下せない。まあ、私を通してならできると言われたけど、とりあえず私に委ねると言われた。

「まあ、悪さをしていればしてる程その命が終わる時冥界の神によって断罪されるけどね」

 とウーラノスは言った。

「ただ、悪さをする奴が国のトップいては困るからアマネがお仕置きするんだよ」

「うん、分かってる」

「とりあえず、エウクラトア聖王国に向かって状況を観察してごらん。 アマネならきっと上手くできるから」

 確信しているような感じのウーラノス。だけど、そんなに期待しないでほしいとも思う私だった……。

「サポーターの準備もできたらまた連絡するよ。 そしたらお仕事開始」

「分かった。 まあ、頑張ってみるよ」

 ここで、これまで静かに私とウーラノスの会話を見ていたお供の精霊達が私に言った。シストもいつの間にか目覚めていた。

「アマネ様! わたくし達もお手伝いをいたしますので!!」

「我もアマネ様が危険にならないよう護衛としてお力になりますぞ!」

「わたしもお手伝いします!!」

「ぼくも! ぼくも!!」

 みんないい子達っ!!そうだよ!一人じゃないしなんとかなるよね!

「……みんなありがとう!! おかげでやる気が出てきた!!」

「僕からもお礼を言うよ。 ありがとう、アマネの力になってくれて」

 ウーラノスにそう言われた精霊達は誇らしそうにだけど嬉しさが溢れ出ていた。

「それじゃあ、僕はもう行かないと行けないから……。 名残惜しいけど、またね、アマネ」

「ええ。 またね、ウーラノス」

 そう言ってウーラノスは光と共に帰って行った。








 ◆◆◆

 ――数日後。

 ウーラノスとの会話から数日経った今日、アリーシアが私の元に訪れた。

「アマネ様、サポーターの準備ができたようですよ」

「ついにか……」

 ついにはじまるお仕事。この数日間、アリーシアや精霊達と一緒に魔法の練習をしていた。まず瞬間移動。これはなにかあった時に必須だからアリーシアに何回も練習させられた。私の場合、瞬間移動は距離とか関係なく移動できる。これもチートです。

 あとは場所のイメージさえできれば瞬間移動できる。だから、一回行ったことのある場所じゃないとイメージできない。今のところ聖域にはすぐに帰って来られる。何かあった時はすぐに帰ってくるようアリーシアに言われた。

 あとは人でも大丈夫。例えばアリーシアをイメージしながら瞬間移動するとアリーシアの近くに移動できるのだ。できた時はテンション上がりまくりだったね。

 それから色々攻撃魔法や防御魔法、回復や空間魔法までさまざまな魔法の特訓をした。

 ちょっとした修行みたいな生活だったけど、魔法が使える事実が嬉しくてたくさん練習した。

 そのおかげで結構上手く魔法は使えるようになったと思う。これなら安心とアリーシアにも言ってもらえたしね!

 さて、話は現実へと戻り私はライオンの姿に戻ったルフスの背に乗せてもらう。エウクラトア聖王国には行ったことがないので瞬間移動はできない。だから聖域を出るまではルフスの背に乗せてもらうことなったのだ。

 ルフスの背に乗ることに決まるまでリドとルフスで話し合いが密かにおこなわれたという……。どうやって決まったかは不明だが、リドがルフスに譲ったみたい。だけど、次はわたくしです!!と言っていた。そんなリドの背にはマリンとシストが乗っている。

 ルフスとリドは聖域を出る道を知っている為、道案内も兼ねている。

 そしてお見送りにはアリーシアとエメ、そして四大元素の精霊王達が来てくれた。ウーラノスは忙しくて来れなかった。

「それじゃあ、行ってくるね!」

「ええ、お気をつけていってらっしゃいませ」

「アマネ様いってらっしゃいませ!」

「何かあったら俺が駆けつけるからな!」

「私も!! すぐに呼んで!!」

「あまり無理はしないように、お身体に気をつけて」

「いつでも準備しておくから~」

 それぞれお見送りの言葉をもらい私は元気よく言う。

「みんなありがとう!! いってきます!!」

 私は精霊達を連れエウクラトア聖王国へと向かって出発した。

 
 


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