聖女によって婚約者を取られ追放された公爵令嬢は魔王に保護される

ラキレスト

文字の大きさ
21 / 39

21話 ダニエルside

しおりを挟む
 俺の名前はダニエル・パンテル。このパンテル王国の第一王子だ。後に王太子となってこの国の王となる男だ!そんな俺には気に食わない事がある。それは婚約者のことだ。アレクシア・テネーブル公爵令嬢。兄のリチャード・テネーブルは気さくでいい奴なのに、妹であるアレクシアはいつも澄ましていて笑いもしない。しかも、権力を使って俺の婚約者になった事が1番気に食わない!その見た目の癖に俺の婚約者になるとは!まあ、顔立ちは悪くないが色が魔族と同じで不気味だし、忌々しい。

 そんな時学園で出会ったマリーナ・ホワイトに恋に落ちた。彼女は貴族令嬢達とは違いコロコロ表情が変わって感情豊かだ。それに彼女の笑顔はすごく可愛らしい。そんな彼女だからか、俺の側近達も彼女に夢中なのがちょっと気に入らないが、マリーナが1番は俺だと言うから側近達の事は寛大にみている。

 しかし、そんなマリーナがこの頃元気が無い……。何かあったのか?と聞いても、何もありません大丈夫です!と空元気で言う。しかし、気になって問いただすと話してくれた。実はアレクシア様からいじめに遭っていると。それを聞いて私は怒りが湧いた。俺の大切なマリーナをよくも傷つけたな!と。

 思わず、アレクシアに言いに行こうとしたところ、マリーナは私も悪いかも知れないからアレクシア様を責めないでと。なんて優しいのだマリーナは。それに比べてアレクシアは醜く嫉妬してマリーナをいじめるとは……。見た目だけではなく、心までも醜かったとは。こんな女が後の王妃とはダメだ。これは婚約破棄して心優しいマリーナを王妃にしなくては。

 それから、俺はマリーナを守る為側近達にアレクシアがいじめてるかもしれないからマリーナを守ってやってくれといった……。

 そして、決定的な事件が起こった。マリーナが街に出掛けようとした時暴漢に襲われそうになった。その時はデリックがマリーナと一緒にいた事で難を逃れたが、一体何が目的でマリーナを襲ったのかと捕らえた暴漢を尋問したところ、アレクシア・テネーブル公爵令嬢に依頼されたと話した。

 アレクシアめ!ついにやり上がったな!すぐに捕らえてやりたがったが近々卒業パーティーがある。そこで皆の前で断罪し、婚約破棄してやる!







 ついに!忌々しい婚約者だった、アレクシアを断罪し、追放したぞ!これで俺の婚約者は愛おしいマリーナで、俺とマリーナは後の王と王妃だ。父上もこの事に喜んでくれる。あんな魔族の様な者じゃ無く、マリーナの様な可憐で優しい聖女が王妃になるのだ。聖女が俺の婚約者になり、これで俺の母上も王妃より上になれる!俺が王になったら今の王妃をアレクシア同様追放してやる!この国に黒髪は要らないからな!そんな未来を想像していた。

 ーーーーしかし、俺を待っていたのは俺の想像した未来とは違った……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~

tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!! 壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは??? 一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

婚約が白紙になりました。あとは自由に生きていきます~攻略対象たちの様子が何やらおかしいですが、悪役令嬢には無関係です~

Na20
恋愛
乙女ゲーム"この花束を君に"、通称『ハナキミ』の世界に転生してしまった。 しかも悪役令嬢に。 シナリオどおりヒロインをいじめて、断罪からのラスボス化なんてお断り! 私は自由に生きていきます。 ※この作品は以前投稿した『空気にされた青の令嬢は、自由を志す』を加筆・修正したものになります。以前の作品は投稿始め次第、取り下げ予定です。 ※改稿でき次第投稿するので、不定期更新になります。

弟が悪役令嬢に怪我をさせられたのに、こっちが罰金を払うだなんて、そんなおかしな話があるの? このまま泣き寝入りなんてしないから……!

冬吹せいら
恋愛
キリア・モルバレスが、令嬢のセレノー・ブレッザに、顔面をナイフで切り付けられ、傷を負った。 しかし、セレノーは謝るどころか、自分も怪我をしたので、モルバレス家に罰金を科すと言い始める。 話を聞いた、キリアの姉のスズカは、この件を、親友のネイトルに相談した。 スズカとネイトルは、お互いの身分を知らず、会話する仲だったが、この件を聞いたネイトルが、ついに自分の身分を明かすことに。 そこから、話しは急展開を迎える……。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

処理中です...