聖女によって婚約者を取られ追放された公爵令嬢は魔王に保護される

ラキレスト

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28話

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 あの後、ミアに案内された部屋で休みましたらこれまでの疲労とそして助かったという安心感からか数日寝込んでしまいました……。

「アレクシアよ、もう体調は大丈夫か?」

「ええ、ご心配をお掛けして申し訳ありませんわ。シュバルツ様」

「いや、我は何もしておらぬぞ? 看病していたのはヴィンスだからな」

「……ヴィンス様にもご迷惑を掛けてしまいましたわ……」

 寝込んでいた数日の事を思い出す。まさかヴィンス様が私の看病をしてくれるとは思わなかった。思わず顔が赤くなる……。あんな風に優しく看病された事など無かった。すごく気持ちが温かかったし、恥ずかしかったけど嬉しかった。

「ヴィンスは心配しながらも喜んで看病していたぞ?」

「そ、それは……!」

「まあ、これからはそういう時はヴィンスに甘えれば良い」

 シュバルツ様はニヤリと笑った。それはどういうことでしょう?

「おっと、これ以上はヴィンスに怒られるからな! アレクシア、元気になった顔をヴィンスに見せに行くといいぞ?」

「……はい」

 少し恥ずかしいけどヴィンス様にお礼も言いたいし、会えるかな?なんかドキドキするな……。

 そう思い、ミアを呼んでヴィンス様に会えるか聞いてみた。

「魔王様にお会いできるか聞いて参ります。少々お待ち頂けますか?」

「ええ、忙しかったら大丈夫よ? 無理はしないでね?」

「ふふっ、大丈夫だと思いますわ。それでは聞いて参ります」

 なんだか、ミアが微笑ましそうに笑っていたけど何かしら?ちょっと疑問に思いつつヴィンス様からの返事を待った。







 しばらくすると扉をノックする音が聞こえる。そして、聞こえてきたのは……。

「アレクシア、ヴィンスだけど入っていいかな?」

 まさかのヴィンス様が直接来てしまった!ああ!どうしましょうとアレクシアは焦る。

 どうしよ!まだ心の準備が出来てませんわ!身だしなみも大丈夫かしら?でも、お待たせする訳には……。

 アレクシアの心の中は大混乱だか、そこは妃教育の賜物。顔には一切出して無い。いたって冷静に言う。

「どうぞ」

「失礼するよ。アレクシア! 元気になって本当良かったよ! うん、顔色もいい」

「ヴィンス様が看病なさってくれたおかげですわ。ありがとうございます」

「どういたしまして! でも私がアレクシアの側に居たかったからね」

「!?」

 なんて甘い笑顔なの!もう私、心臓がバクバクよ!

 アレクシアは顔を真っ赤に照れていた。そんなアレクシアを魔王な愛しそうに見つめていた。
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