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第4話 看破の魔眼
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学園に入学して間もなく、レギナルト・フォン・ゼ―ヴェリングは、向かい側から歩いて来る少女のステイタスを見て刮目した。
俺の琥珀色の左目は「看破の魔眼」と呼ばれるものだ。
鑑定魔法はジョブとそのレベルしか鑑定できないのに対し、看破の魔眼は、筋力、俊敏さ、魔力量などの見る者のステイタスの詳細にいたるまで見破ってしまう。
このことは秘匿されており、ごく一部の者にしか知られていない能力であった。
少女のジョブは「聖魔術師」だが、なんとかその横に「(聖女)」とグレーアウトして表示されている。
俺の知る限り、このような表示があるのは1人だけだ。
それにあのギフト…
聖女は、神の祝福を受けてギフトと呼ばれる特殊スキルを身に宿している者をいう。
ギフトには、治癒、豊穣、解呪などが知られている。
聖女は聖魔術師が聖女となるため、教会に囲われ修道女となるのが通常だった。
少女のステイタスには、やはりグレーアウトしているが、治癒のギフトともうひとつ復活のギフトという聞きなれないギフトがあった。
治癒のギフトは、回復魔法の上位版のようなもので、回復魔法が怪我しか治癒できないのに対し、治癒のギフトは病気や中毒などのあらゆる状態異常も回復できるものだ。
それにしても復活のギフトか…もしかして死者を復活させるとか…いや、まさかな…
俺は学園の終業後、直ちにこのことを皇帝の側近に報告した。
その翌日。
皇帝から皇城に参内せよという使者がやってきたので、急ぎ皇城に向かう。
待っていたのは、皇帝とごく少数の側近だけだった。
それだけ極秘事項ということだろう。
皇帝の側近が口を開いた。
「報告のあった復活のギフトだがな。調べたところ死者を復活できるものだった。最も死んでから1日以内という制約はあるようだが…」
「それは…」
そのようなギフトを持っていることが知れたら、人々が殺到して大変なことになりそうだ。
「ステイタスがグレーアウトしているということは、まだ覚醒していないということか?」
「おそらくそうだと思われます。本人も自覚していない様子でしたし…」
「しかし、このまま市井に放置という訳にはいかぬ。教会に知られぬよう我らで確保するのだ」
「確保と言われましても、どうすれば? 関係者はできるだけ増やしたくありませんし…」
皇帝がそこに鶴の一声を発した。
「なに。簡単なことだ。其方がその者を娶ればいいのだ。剣聖の一族の保護下にある者にそうそう手出しはできまいて」
「はあっ! 本気でおっしゃっておられるのですか?」
「もちろんだ」
皇帝の本気の命令に逆らう訳にはいかない。
俺は渋々皇帝の命令を承知したのだった。
俺の琥珀色の左目は「看破の魔眼」と呼ばれるものだ。
鑑定魔法はジョブとそのレベルしか鑑定できないのに対し、看破の魔眼は、筋力、俊敏さ、魔力量などの見る者のステイタスの詳細にいたるまで見破ってしまう。
このことは秘匿されており、ごく一部の者にしか知られていない能力であった。
少女のジョブは「聖魔術師」だが、なんとかその横に「(聖女)」とグレーアウトして表示されている。
俺の知る限り、このような表示があるのは1人だけだ。
それにあのギフト…
聖女は、神の祝福を受けてギフトと呼ばれる特殊スキルを身に宿している者をいう。
ギフトには、治癒、豊穣、解呪などが知られている。
聖女は聖魔術師が聖女となるため、教会に囲われ修道女となるのが通常だった。
少女のステイタスには、やはりグレーアウトしているが、治癒のギフトともうひとつ復活のギフトという聞きなれないギフトがあった。
治癒のギフトは、回復魔法の上位版のようなもので、回復魔法が怪我しか治癒できないのに対し、治癒のギフトは病気や中毒などのあらゆる状態異常も回復できるものだ。
それにしても復活のギフトか…もしかして死者を復活させるとか…いや、まさかな…
俺は学園の終業後、直ちにこのことを皇帝の側近に報告した。
その翌日。
皇帝から皇城に参内せよという使者がやってきたので、急ぎ皇城に向かう。
待っていたのは、皇帝とごく少数の側近だけだった。
それだけ極秘事項ということだろう。
皇帝の側近が口を開いた。
「報告のあった復活のギフトだがな。調べたところ死者を復活できるものだった。最も死んでから1日以内という制約はあるようだが…」
「それは…」
そのようなギフトを持っていることが知れたら、人々が殺到して大変なことになりそうだ。
「ステイタスがグレーアウトしているということは、まだ覚醒していないということか?」
「おそらくそうだと思われます。本人も自覚していない様子でしたし…」
「しかし、このまま市井に放置という訳にはいかぬ。教会に知られぬよう我らで確保するのだ」
「確保と言われましても、どうすれば? 関係者はできるだけ増やしたくありませんし…」
皇帝がそこに鶴の一声を発した。
「なに。簡単なことだ。其方がその者を娶ればいいのだ。剣聖の一族の保護下にある者にそうそう手出しはできまいて」
「はあっ! 本気でおっしゃっておられるのですか?」
「もちろんだ」
皇帝の本気の命令に逆らう訳にはいかない。
俺は渋々皇帝の命令を承知したのだった。
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