5 / 6
第5話 結婚
しおりを挟む
3年間の学園生活も間もなく終わる。
私は18歳になっていた。
その間いろいろと努力をした。
ゼ―ヴェリング様との会話のコツもつかんだし、なにより無口なのはおっとりした性格の方なのだと割り切ることもできた。
今では会話がとぎれても気にならない。ここぞとばかりにゼ―ヴェリング様のイケメンぶりを鑑賞する。
だが油断していて、ときおり目が合うとゼ―ヴェリング様は微笑してくれる。
その破壊力のある微笑にはいまだに赤面してしまう。
──いい加減に慣れろよ。私。
マナーやダンスのレッスンも懸命に励んだ。
なんとか社交界に出ても恥ずかしくないレベルには達したのではないかと思う。
初めてゼ―ヴェリング邸を訪れたときは度肝を抜かれた。
執事、侍女、メイド、使用人のほか、剣術の内弟子の方たちがずらりと勢ぞろいして迎えてくれたのだ。
特に内弟子さんたちは、強面でマッチョな人が多かったので少し怖かった。
──でもゼ―ヴェリング様って、この人たちよりも強いのよね…
普段のイケメンぶりからは想像がつかない。
学園の送り迎えの馬車でのイチャイチャは、今では定番となってしまった。
「ゼ―ヴェリング様。もうそろそろ私のことは二コラと呼び捨てにしていただけませんか?」
「それもそうだな…」
「では、二コラ…と」
「ニ…二コラ」
「はい。ゼ―ヴェリング様」
ゼ―ヴェリング様は相変わらず無表情だが、顔は赤面している。
あの無表情も慣れてみると実はコロコロと感情豊かなのだ。
「くそっ。俺ばっかり。二コラも俺のことをレギーと呼べ」
そ、それは…いきなり愛称で呼ぶなんてハードルが高いですぅ。
「レ…レギー……様」
「う~ん。様はいらないのだが…まあいいや」
と言うとゼ―ヴェリング様が顔を近づけてくる。
恥ずかしくてもうゼ―ヴェリング様の顔を見ていられない私は目を閉じた。
そしてゼ―ヴェリング様と私は唇を重ねた。
◆
結婚式の日がやってきた。
誓いの言葉を述べ、結婚誓約書にサインをする。
これでゼ―ヴェリング様と私は一つになるのだな…
なんだかじわじわと感動が押し寄せてきた。
続いて披露宴。
身分不相応な結婚をいまだに悪く思っている人もいるようだが、ゼ―ヴェリング様大好きな私には痛痒を感じない。
特に喜んでくれたのが、ゼ―ヴェリング家の執事、侍女、メイド、使用人、内弟子の方々だ。
執事さんにはさんざんに注意されたのだが、騎士爵家出身の私は、主人として上から目線で接することができず、彼ら彼女らとは友達のように接している。
そしてハラハラドキドキの結婚初夜。
ゼ―ヴェリング様はとても優しくしてくれた。
私はこの上ない幸せに包まれた。
翌朝。
寝ぼけまなこで目を開けると、目の前にゼ―ヴェリング様の顔があった。
「ひえっ!」
慌てて体を起こすと…私は一糸まとわぬ裸。裸ではないか。
ゼ―ヴェリング様がまだ寝ているのに慌てて胸を隠す。
──そうか…昨夜はゼ―ヴェリング様と…
そこで私は気づいた。
なんとステイタスのジョブが「聖女」に変わっているではないか。
──ええっ! いったいどういうこと?
悩んでいるうちにゼ―ヴェリング様が起きてきた。
そして私の顔を見た瞬間、ゼ―ヴェリング様が目を見開いた。
琥珀色の左目が金色に光ったように見えた。
「そうか…覚醒したか…」とゼ―ヴェリング様が呟く。
「レギー様はご存知だったのですか?」
「ああ」
そして夫婦になったのだからと、これまでのいきさつをすべて話してくれた。
「では結婚は皇帝陛下の命令だったのですか?」
私は少なからぬショックを受けた。
「だが、誤解しないでくれ。きっかけはどうであれ、俺は二コラを心から愛している」
その言葉を聞いて、心から安堵した。
「レギー様…」
私は生まれて初めて自分から求めてキスをした。
私は18歳になっていた。
その間いろいろと努力をした。
ゼ―ヴェリング様との会話のコツもつかんだし、なにより無口なのはおっとりした性格の方なのだと割り切ることもできた。
今では会話がとぎれても気にならない。ここぞとばかりにゼ―ヴェリング様のイケメンぶりを鑑賞する。
だが油断していて、ときおり目が合うとゼ―ヴェリング様は微笑してくれる。
その破壊力のある微笑にはいまだに赤面してしまう。
──いい加減に慣れろよ。私。
マナーやダンスのレッスンも懸命に励んだ。
なんとか社交界に出ても恥ずかしくないレベルには達したのではないかと思う。
初めてゼ―ヴェリング邸を訪れたときは度肝を抜かれた。
執事、侍女、メイド、使用人のほか、剣術の内弟子の方たちがずらりと勢ぞろいして迎えてくれたのだ。
特に内弟子さんたちは、強面でマッチョな人が多かったので少し怖かった。
──でもゼ―ヴェリング様って、この人たちよりも強いのよね…
普段のイケメンぶりからは想像がつかない。
学園の送り迎えの馬車でのイチャイチャは、今では定番となってしまった。
「ゼ―ヴェリング様。もうそろそろ私のことは二コラと呼び捨てにしていただけませんか?」
「それもそうだな…」
「では、二コラ…と」
「ニ…二コラ」
「はい。ゼ―ヴェリング様」
ゼ―ヴェリング様は相変わらず無表情だが、顔は赤面している。
あの無表情も慣れてみると実はコロコロと感情豊かなのだ。
「くそっ。俺ばっかり。二コラも俺のことをレギーと呼べ」
そ、それは…いきなり愛称で呼ぶなんてハードルが高いですぅ。
「レ…レギー……様」
「う~ん。様はいらないのだが…まあいいや」
と言うとゼ―ヴェリング様が顔を近づけてくる。
恥ずかしくてもうゼ―ヴェリング様の顔を見ていられない私は目を閉じた。
そしてゼ―ヴェリング様と私は唇を重ねた。
◆
結婚式の日がやってきた。
誓いの言葉を述べ、結婚誓約書にサインをする。
これでゼ―ヴェリング様と私は一つになるのだな…
なんだかじわじわと感動が押し寄せてきた。
続いて披露宴。
身分不相応な結婚をいまだに悪く思っている人もいるようだが、ゼ―ヴェリング様大好きな私には痛痒を感じない。
特に喜んでくれたのが、ゼ―ヴェリング家の執事、侍女、メイド、使用人、内弟子の方々だ。
執事さんにはさんざんに注意されたのだが、騎士爵家出身の私は、主人として上から目線で接することができず、彼ら彼女らとは友達のように接している。
そしてハラハラドキドキの結婚初夜。
ゼ―ヴェリング様はとても優しくしてくれた。
私はこの上ない幸せに包まれた。
翌朝。
寝ぼけまなこで目を開けると、目の前にゼ―ヴェリング様の顔があった。
「ひえっ!」
慌てて体を起こすと…私は一糸まとわぬ裸。裸ではないか。
ゼ―ヴェリング様がまだ寝ているのに慌てて胸を隠す。
──そうか…昨夜はゼ―ヴェリング様と…
そこで私は気づいた。
なんとステイタスのジョブが「聖女」に変わっているではないか。
──ええっ! いったいどういうこと?
悩んでいるうちにゼ―ヴェリング様が起きてきた。
そして私の顔を見た瞬間、ゼ―ヴェリング様が目を見開いた。
琥珀色の左目が金色に光ったように見えた。
「そうか…覚醒したか…」とゼ―ヴェリング様が呟く。
「レギー様はご存知だったのですか?」
「ああ」
そして夫婦になったのだからと、これまでのいきさつをすべて話してくれた。
「では結婚は皇帝陛下の命令だったのですか?」
私は少なからぬショックを受けた。
「だが、誤解しないでくれ。きっかけはどうであれ、俺は二コラを心から愛している」
その言葉を聞いて、心から安堵した。
「レギー様…」
私は生まれて初めて自分から求めてキスをした。
0
あなたにおすすめの小説
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
貴方なんて大嫌い
ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と
いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている
それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる