聖なる衣

丸井竹

文字の大きさ
39 / 42

39.帰宅

しおりを挟む
 王国の西の町から高名な彫刻家が去って、五年の月日が経った。
季節は廻り、そこで生まれた息子は十六歳になっていた。
息子は一人前の調教師になり、王都に嫁いだ母親から贈られた聖獣クーガを乗りこなし、魔獣の調教のため牧場に住んでいた。
西の町の大門にある父親の店はまだ健在で、牧場の息子と連携し、馬車の修理から騎獣の販売と、地道な商売を続けていた。

父親と別々に住むようになった息子は、その日、牧場からクーガを走らせ大門の父親の店に飛び込んだ。

「父さん!大変だよ!」

騎獣屋には息子が調教したクーガが数頭並んでいる。
それは完全に販売用で、騎士や狩人達が猟犬として買い求めた。
高級な魔獣であるが、戦力になるため騎士団にはかかせない存在になりつつあった。

汗を拭いながら、巨大な車輪を固定していた男は、後ろを振り返り飛び込んできた息子を眩しそうに見あげた。
明るい日差しを背景に、クーガから下りてきた息子は、手を繋いで歩いていたのが嘘のように立派に成長していた。
その全身にも責任感を持ってい仕事をしている男としての逞しさが漲っている。

喜びと興奮に満ちた息子を抱きしめ、男はほっとしたように言った。

「まだまだだな」

腕の太さも体の分厚さも父親にはまだ遠く及ばない。
成長した息子の姿は誇らしいが、まだ追い越されたくない想いもある。
息子は父親の腕を振りほどいた。

「父さんよりはもてるけどね」

得意げに笑い、息子はそれよりも重要な話があると声を下げた。

「母さんが帰って来るよ」

無言で目を見開く男の表情をまっすぐに見て、息子はさらに続けた。

「双子と一緒に、教会に戻ってくるって」

それはどういう意味なのかと、男は無言で顔をしかめた。
息子は母親と手紙のやりとりを続けている。
学校に行ったことのない母親は、子供の名前しか書けなかった。

王都で家庭教師を付けてもらい、字を学び始めてすぐに息子に手紙を送ってきた。
それからやり取りが始まり、月に一度は贈り物が届くようになった。
それは貴族しかもっていない聖獣クーガや、乗馬用の衣装や靴、軍馬用の鞍や高価な貴族仕様の工具などで、高級品ばかりだった。

貴族でもないのに、そんな上等なものはいらないと息子が手紙に書くと、今度は大金が送られてきた。
彫刻作品も送られてきたが、それは販売用で父親に渡して欲しいと手紙が添えられていた。

女は男と直接やりとりしようとはしなかったのだ。

もう夫がいる女性であり、既にその夫との間に子供もいた。
それは隣国の傭兵たちに襲われた時に出来た子ではなく、嫁いで二年目に生まれた正真正銘レイフの子供で、男女の双子だった。
息子から夕食時に子供が生まれた話を聞いた男は、少しばかり動揺したが、なんとかその事実だけを受け入れた。

ところが、もう関係のない女性だと言い聞かせて過ごしてきた年月が、次の息子の言葉であっという間に吹き飛んだ。

「レイフ様と離縁したんだって」

ごくりと喉を鳴らし、男は自分のごつごつした両手を見おろした。
若くも、美しくもない手は分厚く、固いたこがたくさんできている。

手の甲も日に焼け、関節の皺も目立つ。
容姿端麗な上位騎士のレイフに比べたら、容姿的には完全に負けているし、性格や経済力でも太刀打ちできない。
それなのに、かすかな希望が身の程知らずにも頭をもたげようとしている。

「なぜ?」

「子供たちを権力闘争から守るためだって手紙には書いてあった。レイフ様、王様になるらしい」

そんな人の妻であった人が、自分を選ぶわけがない。
男は大きくため息をついた。

「そうか……。苦労されたようだな……」

「そうかな?手紙の内容はいつも楽しそうだったよ。でも、教会での生活が懐かしいとも書いてあった。あと、父さんに会いたいみたいなことも書いてあった」

時間が止まったように、男は硬直した。
反応のなくなった父親に、息子が首を傾ける。

「大丈夫?」

目を二回瞬かせ、男はやっと口を開いた。

「俺に?なぜ?」

「さあ?でも三日後に帰ってくるって。一緒に教会に行こうよ」

息子は簡単にそう父親に告げ、教会のロベル様に伝えに行くからとクーガにまたがった。

「じゃあ三日後ね」

大門を飛び出していく息子の背を呆然と見送り、男はもう一度自分の両手を見おろした。
その時、店頭から明るいウィルの声が響き、男はちらりと視線を向けた。

まだ身を固めることは考えていないウィルが、女性客に囲まれている。
これ見よがしに袖をまくり、さっそく客の一人と食事の約束を取り付けていた。
一人の女性に決めるより、その日、その日を楽しみたい男なのだ。

長い禁欲生活を送る男は、その活力を羨ましそうに眺め、厩舎の裏に戻って行った。



 三日後、ついに王宮からの馬車が到着した。
ルカから知らせを受けたロベルは、やれやれといった面持ちで教会の正面に立ち、女の帰りを待っていた。

「やっと肩の荷が下りたと思ったが、ずいぶん早い帰りとなったな」

がっかりしているのか、それとも喜んでいるのか、横に並ぶ息子にはわからなかった。
皺深いロベルの顔はその心を完全に隠し、前を向いている。

男は来なかった。仕事が忙しいと言い訳をしたが、臆病風に吹かれたのだと息子は知っていた。
直前まで身だしなみに気を使い、これで大丈夫だろうかと、鏡の前に立っていた父親は、やっぱり行かないと言い出し、急ぎの仕事があると家を出て行ったのだ。
息子は一応追いかけた。

「父さん、大丈夫だよ。レイフ様と結婚していた母さんが、今更父さんを選ぶことなんてないんだから、気楽に会いに行こうよ」

あまり気負わず会えるようにと配慮したつもりだったが、その容赦のない言葉は、男の心に思いがけず深く刺さってしまった。

今更、縁が戻るとは男自身思っていなかったが、周りの目から見ても、やはりあり得ない話なのだと再認識すると、ちょっぴり期待していた自分が恥ずかしくなったのだ。
うっかりそんな感情が顔に出てしまえば、身の程知らずな恋が周りにばれてしまうかもしれない。

「俺が会わなければならない用事もないだろう……」

店に逃げていく男の背中を見送り、息子は仕方なく、クーガに乗って一人で教会にやってきたのだ。

と、その時、金属の軋む音がして教会の門が開き始めた。
いつの間にか馬車がその前で開門を待っている。

門が開くと、突然馬車の扉が開いて誰かが飛び下りた。

二つの小さな影が一気にゆるやかな坂を上ってくる。
続いて馬車から下りてきた女性が、その後ろをドレスをつまみ上げながら走りだした。

門を通過した馬車は、走る三人の後ろを、ゆっくりとついてくる。

なぜ馬車でここまで来ないのだろうかと息子は不思議に思いながら待っていたが、すぐにじっとしていられなくなった。

小さな子供達の走り方は今にも転びそうで危なっかしく、見ていられなくなったのだ。

警戒して泣かれてしまうかもしれないと思いながらも、息子は迎えに走り、二人の子供を両腕で抱きとめた。
そのあまりにも軽い感触に、息子は驚いた。

腕の中を見おろすと、小さな二つの顔が息子を見上げている。

「にいに!」

男女の双子は警戒心の欠片もない満面の笑顔で、無邪気な声を発した。
双子を追いかけてきた女が、そんな息子と双子を両腕で抱きしめた。

「ルカ、会いたかった。大きくなったのね」

落ち着いた優しい声に、息子はまた驚いた。
まるでつきものでも落ちたかのように、女は大人びて本当の貴族のような淑やかな物腰だった。

「母さんも……変わったね。すごく……きれいだ」

五年も経っているのに、逆に若返ったようだった。
王都での生活ですっかり心の疲弊は取れ、生まれ変わったかのように明るい表情になっていた。

「ありがとう、ルカも素敵よ。恋は出来た?」

難解な両親のせいで、恋をするのは気が重いと、息子がもらしていたことを母親は覚えていた。

「良いなと思っている子は何人かいるよ」

思いがけず浮気な発言をした息子に、母親は一瞬驚いたような顔をしたが、明るく笑った。
それから、幼い双子を息子に託し、ロベルの方へ進み出て優雅な仕草でお辞儀をした。

「ロベル様……私、帰ってきました」

「困ったものだ……まだ……」

ロベルが最後まで言い終わらぬうちに、女はロベルに抱き着き、その老いた頬に口づけをした。

「ちっとも困っていません。後悔もありません。とても幸せです」

ロベルの顔がくしゃりと崩れ、ほっとしたように微笑んだ。

「それならば良い。西の屋敷に住むのであろう?」

以前の女の家には、弟子だった棺桶職人たちが住んでいる。
まさか王の血筋であるレイフと結婚した女が、そんな場所に住むとは思わずロベルは確認した。
しかし女はきっぱりと否定した。

「リースのお墓の傍に住みます。この町に帰ってきた以上、ここ以外ありえません」

墓参りに来れば良いのではないかと思ったが、ロベルはそれを口には出さず、ただ頷いた。

「そうか……。では新たに建てる必要があるな。ちょうど業者が出入りしている。優先して建てさせよう」

教会周りは確かに少し賑やかになっていた。工事の資材が山積みであり、大型の馬車が何台も敷地内に並んでいる。

「ここは昔、大きな要塞だったのだよ。もう覚えている者はいないだろうが……。またここに要塞が出来ることになった」

「そうなのですか?」

「昔と同じ場所ではないが、レイフ様がここの守りを強固にしたいと提案されたらしい。お前のことを考えてのことだろう。ずいぶん前から計画されていたようだ」

寂しそうに女は微笑んだ。

「選択肢の一つだったのです。レイフ様は亡きお母様の願いをかなえるべきか迷っていました。権力とは無縁の場所で国を支えて行くか、あるいは、矢面に立ち王座を求めるのか。戦場に私と子供達を置いてはおけないと、離縁を決められました。
でも、それは私たちが話し合って決めたこと。だから、後悔はないのです」

初恋を苦い結末で終わらせた女は、どこかすがすがしい様子で子供達を振り返った。

「どうして後悔することがあります?こんなに幸せなことはありません」

女にとって、子供たちの安全を守ること以上に大切なことはなかった。
そしてレイフもそうした女性だからこそエリンに惹かれたのであり、これは妻の気持ちを尊重した結果だった。

ロベルは安堵して微笑み、三人と双子は教会内の応接間に場所を移し、用意された軽食を囲み再会を喜び合った。
双子たちが大人しく出来なくなってくると、女はレイフの西の屋敷に戻ると息子とロベルに告げた。

「こちらに住む場所が出来たらすぐにでも、戻ってきますね」

屋敷を建てることを改めて約束し、ロベルは優しく頷いた。
女と双子を見送るため、外に出た息子は、父親の想いを告げるべきか迷ったが、そんな息子の心を見透かしたようにロベルがその肩を叩いた。

「子供が気にすることでは無い」

百年近くも生きているロベルの言葉に、ルカは素直に従った。

「わかりました。ロベル様」

母親の馬車を見送り、息子は町に帰った。
その日の夕暮れ、やっと男がロベルのもとにやってきた。

「仕事が終わったので……」

日に焼けた顔には皺が増え、その物腰もすっかり落ち着いていた。
燃えるような情熱は息を潜め、飲み込んできた感情の全てが心の底に沈んでいるかのようだった。

まだ迷いがある様子で、男は躊躇いがちに口を閉ざす。
次の言葉を待たず、ロベルが告げた。

「エリンならレイフ様が住んでおられた西の屋敷だ。貴族街にあるが、場所を教えるか?」

男はロベルを真っすぐに見て、静かに頭を下げた。


 迷いが生じる前に、男はその足で女のもとへ向かった。
屋敷の門番に名前を告げた途端、後悔が襲ってきたが、男は逃げずに待った。

門番が扉に消えて数分も経たないうちに、屋敷の扉が再び開いた。

別人のようにきれいになった女が飛び出してきて、男を見つけるとドレスをつまみ上げて走ってきた。

男は完全に委縮して、片膝をついてお辞儀するべきか迷い、曖昧に頭をさげた。
女の後ろから小さな子供たちが現れ、無邪気に男の足にしがみついた。

急いで腰をかがめ、その小さな体を支えてやりながら、男はこんな警戒心のない子供で大丈夫だろうかと、心配そうに眉をしかめた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

花里 美佐
恋愛
榊原財閥に勤める香月菜々は日傘専務の秘書をしていた。 専務は御曹司の元上司。 その専務が社内政争に巻き込まれ退任。 菜々は同じ秘書の彼氏にもフラれてしまう。 居場所がなくなった彼女は退職を希望したが 支社への転勤(左遷)を命じられてしまう。 ところが、ようやく落ち着いた彼女の元に 海外にいたはずの御曹司が現れて?!

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

処理中です...