天上の星、地上の露

Y.

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試練と真実の暴露

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 ある夜、サキのアパートの窓辺に、青白く光る使者が現れた。それは、上級神が遣わした、純粋な光の存在だった。
「アストラル。すぐに天界へ戻れ」
 冷徹な声が響き、部屋の空気が凍りついた。サキは恐怖で動けなくなった。
 アキトは、サキを背中に隠し、使者に冷たい視線を送った。
「私は戻らない。私の使命は、ここで見つけた」
「貴様の身勝手な振る舞いが、世界の法則を乱している。このままでは、貴様が愛するその定命の女の命が、法則の乱れによって尽きる。定命の者は、定命の法則の中で生きるべきだ。神の光は、彼女の器を壊す」
 アキトの顔から血の気が引いた。最近、サキが理由もなく倦怠感を訴え、突然高熱を出すことが増えていた。それは、アキトが傍にいることで、彼女の肉体が神の干渉を受け、人間としての寿命の法則が乱れ始めている証拠だったのだ。
 使者は続けた。「今すぐ戻れば、彼女は救われる。だが、留まれば、貴様が彼女を殺すことになる」
 使者が消えた後、アキトは膝から崩れ落ちた。
「アキト……一体、どういうこと?」サキは震えながら尋ねた。
 アキトは、ついに隠し通せないと悟り、サキの両手を強く握りしめた。
「サキ。私は、アストラル。星々の法則を司る者だ」
 彼はサキに真実を告白した。自分が神であること、彼女の優しさに心を奪われて禁忌を犯したこと、そして、二人の愛が世界の調和を崩し、サキ自身の生命を危険に晒していること。
 サキは泣いた。それは、恐怖の涙ではなく、愛する人の絶望を知った悲しみの涙だった。
「ごめんなさい、アキト。私のせいで、あなたが……世界が乱れるなんて。私、大丈夫よ。私、人間だもの。いつか死ぬのは当たり前だわ」
「違う!私が、そうはさせない。私はお前と共にいたい。永遠にお前を守りたい!」アキトは苦悩に満ちた叫びを上げた。しかし、神である彼は、サキを天界に連れて行けないことを知っていた。人間の魂は、天界の波動に耐えられない。
 二人の愛は、世界の理と、サキの命という、超えることのできない壁に突き当たった。
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