16 / 38
16.仕置き
しおりを挟む「暴れないでくださいね。落としてしまいますから」
背中に両腕を回されて、手錠の鎖を巻かれて自由を奪われると、肩に担ぎ上げられた。以前もこのように持ち上げられたし、3階にいくつものトレーニングマシンがあることを考えると、普段からかなり身体を鍛えているのだろう。ポンコツの俺が勝てるはずなかった。
そうして傍に停めてあった車の、倒されたままの後部座席に乗せられる。こんな近くに停められた車に気付かなかったなんて、どれだけ気を抜いていたのか。
家に戻ると、また担がれて玄関から中に入った。
抵抗なんて出来無かった。足裏を痛めている状態で逃げようとしても、すぐに捕まるだけ。そしてさらに、酷いことをされてしまう。最初のように睾丸を握られて潰されでもしたら、あまりにもつらすぎる。だから逃げるという選択肢を選べなかった。
担がれたまま連れていかれたのは、3階の風呂場だ。身体を洗われる予定だったから、湯船には湯が張ったままである。
タイルに下ろされて、尻を付いたところでガッと頭を掴まれて床に押し付けられ、うつ伏せにさせられる。
「っ……、う」
乱暴だったものの、スポンジタイプの浴室マットが下にあったので膝や頬が痛くなることはなかったし、押さえる手もすぐに離れていった。代わりに尻を上げさせられ、腹にバスクッションを押し込まれる。
神崎にアナルを見られている羞恥はあまり感じなくなっていたけど、これから仕置きされる状況で、無防備な場所を曝け出しているのはとても怖い。今まではアナルを傷付けられることはなかったけど、いったい何をされるのか。
無理矢理デカいものを突っ込まれて血まみれになるかもしれないし、想像も付かないような変なものを突っ込まれるかもしれない。逃げられないように手足を切断される、なんてことも絶対に無いとは言えなくて、どうしても恐怖に震えてしまう。
「ヒッ……」
尻を掴まれるだけでビクリと腰が跳ねたし、喉が引き攣った。怖くて、怖くて。恐怖から逃れるようにぎゅっと目を瞑り、身体を強張らせる。
神崎の少しヒヤリとした指がアナルを撫でてきて、ぬめったものを塗られた。それがなんなのかわからなくて、さらに全身が強張った。だからか声を掛けられる。
「ローションで解そうとしているだけですから、そんなに緊張しなくて良いですよ。リラックスして、お尻を緩めていて」
「ぁ……」
いつものように柔らかな声に誘導され、つい尻から力が抜けてしまった。すると神崎の指が簡単に中へと入ってきて、慣れ親しんだ感覚に身体が喜んだ。ぶるりと背筋にまで快感が走っていく。くちくちと前立腺を何度か押されるだけで、腰が震えてしまう。
「あ……あん、……ふぁ……」
「ふふ、これから仕置きをされるというのに、美味しそうに指を咥え込んでしまってますね。ペニスもすでに勃起してトロトロ先走りを漏らしてますし、淫乱になったものです。もしかして後ろを弄られないと、イけなくなってませんか?」
「そ、そんな……ぁ、あんっ」
そんなことはないと首を横に振るけれど、気持ち良くて腰がくねるのも、喘いでしまうのも止められなかった。だからか愉しげに笑われてしまい、情けなさと羞恥で顔が熱くなる。
「まったく、可愛い人だ。さて、これくらいで充分かな。ちょっと待っていてくださいね」
つぽんと指が抜かれ、それだけで身体が大きく震えた。
神崎が浴室から出ていくので、尻を上げたまま、不安になってその姿を目で追っていく。ガラス越しに、戸棚を開いているのが見えた。何かを持ってくるつもりのようだ。
神崎はすぐに戻ってきた。その手にあるものを見た途端、ヒッと小さく悲鳴を上げてしまう。
ホースだった。この状況でホースだなんて、何をされるか一目瞭然である。
「い、いやだ……そんな、そんなの」
無意味だとわかっていても、拒否の言葉を吐いていた。恐怖にまた震えてしまう。いや、果たして恐怖だけなのだろうか? わからない。わからないが、神崎がホース先を石鹸で洗っているのを見ているだけで涙が滲んできたし、アナルに宛がわれると、涙が零れてしまった。
「ゃ、やだ……やだ」
「入れますから、そのまま可愛くていやらしいアナルを、くっぱり開いていてくださいね」
「ううぅ……、んうっう……ふあぁ」
どれだけ拒否しても当然のように無視され、アナルにホースを咥えさせられた。そして少しずつ、奥に入ってくる。バイブよりだいぶ細いからか、なんとなく腸壁に挟まっているだけのもどかしい感覚に、ゆるゆる腰が動いてしまう。
「ああ、ん……んん、ひ、……あ、あっ」
けれど次第に、ホースは今まで入れられたことのない腰の奥まで侵入してきて、未知の快感に身体が大きく撓った。いったいどこまで入れられているのか。このままでは腸をブチ破られてしまう。死んでしまう。
「や、やだ、やだ……っ、は、ぐ……もう、奥、死んじまっ……」
「大丈夫、入っているのは15cm程度です。まだS状結腸にも届きませんよ。それにこれ以上は、入れませんから」
「は……はう、あ……ん」
死なないと安心したからか苦しさが無くなり、今まで以上に奥まで届いている感覚に、きゅっとアナルが窄んだ。こんなものを入れられても胎内は収縮して味わい、快楽を得てしまう。
しかし情けないと凹んでいる場合ではない。神崎が蛇口を回し、水を出し始めたのだ。タイルに落ちる水音に、また喉が引き攣ってしまう。
「水温は37度にしますから、腹を壊すことも、内部を火傷することもありませんよ。仕置きと言っても、痛みを負わせて叫ばせるのには興味無いので、安心してください」
蛇口から出てくる湯に触れていた神崎は、適温になったのか、もう反対側のホースの先端を蛇口に嵌めた。何をされるのかなんてホースを見た瞬間からわかっていたものの、それでも恐ろしくて、止めてほしくて神崎を見つめる。けれど無言で見返されるだけ。そうして数秒後には、胎内にお湯が流れ込んできた。
34
あなたにおすすめの小説
またのご利用をお待ちしています。
あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。
緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?!
・マッサージ師×客
・年下敬語攻め
・男前土木作業員受け
・ノリ軽め
※年齢順イメージ
九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮
【登場人物】
▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻
・マッサージ店の店長
・爽やかイケメン
・優しくて低めのセクシーボイス
・良識はある人
▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受
・土木作業員
・敏感体質
・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ
・性格も見た目も男前
【登場人物(第二弾の人たち)】
▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻
・マッサージ店の施術者のひとり。
・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。
・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。
・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。
▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受
・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』
・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。
・理性が強め。隠れコミュ障。
・無自覚ドM。乱れるときは乱れる
作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。
徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。
よろしくお願いいたします。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる