溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~〈本編完結済〉

夏笆(なつは)

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続きの物語 ~今へと続く道~

3、知っているのに、知らない街。

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「それにしても・・・父上が即位した年、か」 

「私たち、本当に過去に来ちゃったのね」 

 購入した新聞の日付を見、目を見開いたレオカディア達は、半信半疑のまま街を歩いて顔見知りの居る店を覗いては、その店主や女将の若さに驚き、自分達が過去に来てしまったことを確信した。 

「しかし、通貨が俺たちが持っているのと同じだったのは、僥倖だな」 

「確か、今の陛下がご即位なさった時に、変更したんだったか」 

 『おかげで、日銭を稼ぐ手間が省けた』と言うセレスティノとヘラルドに、レオカディアも頷きを返す。 

「本当にそうね。下手なことをして歴史を変えてしまったら、元の世界に戻れなくなりそうだもの」 

「そこまで心配する必要は無いんじゃないか?日雇いなんだから、荷運びとかだろ」 

 心底安心したように言うレオカディアに、慎重が過ぎると笑ったヘラルドは、しかしエルミニオとセレスティノに『わかっていない』と断じられた。 

「ヘラルド。レオカディアが、そういう日銭の稼ぎ方を考えると思うか?」 

「ああ。子供のころからの食の開拓を、ここで披露してみろ。一発で歴史が変わる」 

「あ、なるほど」 

「流石に、そんなことはしないわよ。でも、そうなると、私たちの食生活が問題よね」 

「「「確かに」」」 

 食材は同じでも、調理方法が違いすぎると四人は頭を抱え、当然のように自炊する道を選ぶ。 

「となれば、街はずれに家を借りるのが妥当か」 

「資金、足りなければ私の」 

「「「問題ない」」」 

 資金が足りなければ、自分が身に着けている何かを売ろうかと言いかけたレオカディアの言葉を、三人が同時に封じた。 

「大丈夫だ、ディア。それなりに金子きんすを持っているし、それこそ、足りなくなれば俺たちが日銭を稼ぐ」 

「いや、そこは俺とセレスティノが稼ぐんで」 

 当然のように、自分も稼ぐと言ったエルミニオに、ヘラルドが苦笑する。 

「ともかく、動こう。俺たちの世界へ帰るための指針も、探さないといけないだろう」 

「そうね。あの露店のひと『過去を少しいじった』みたいなことを言っていたから、それを修正すればいいのかしら」 

 変えられてしまった部分だけを修正し、後の歴史は変えない。 

 それが、元の世界へ帰る条件なのではないかと言うレオカディアに、三人も同意の頷きを返した。 

「急務は家を借りること。それから、しばらく生活できるだけの用意をすること、だな」 

「どうする?今日中には難しいかもしれないから、エルミニオ様とレオカディアは宿をとって、そこで待機しておくか?」 

 至極当然といった様子で提案したヘラルドに、セレスティノも同意を示す。 

 しかし、レオカディアは大きく首を横に振った。 

「まさか!ふたりだけを働かせるなんて、しないわ」 

「ああ。俺も、ディアと同じ気持ちだ。それに、この場所は俺たちが知る王都の過去とはいえ、色々違うこともあるだろうから、なるべく一緒に行動した方がいい」 

「それじゃあ、私たちの仮のおうち探し、スタートってことで!」 

 右も左もわからない状況だけれど、みんなと一緒だから不安もそうないと、レオカディアは土地や家屋の賃貸や売買を扱う商会目指して歩き出した。 


~・~・~・
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