溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~〈本編完結済〉

夏笆(なつは)

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続きの物語 ~今へと続く道~

4、期限付き、新しい日常。

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「ああ。今日も、ディアの料理は絶品だね」 

「うん、うまい。あのどろどろした変な液体に肉を漬けたら、こんなに旨くなるなんて、レオカディアは、ほんとに旨い物製造機だな」 

「ちょっと、私は機械じゃないわよ。せめて魔法使いとか、魔女とか言ってよ。それに、どろどろした液体・・って、確かにそうだけど!あれには、塩こうじっていう立派な名前があるんだから」 

 軍資金・・・かねがあるのは強いのか。 

 難なく、家具など日常に使うものが一通り揃っていて、手ぶらでもそのまま住める一軒家を借りた四人は、過去への転移一日目の夕食のテーブルを囲んでいた。 

「へえ、あのどろどろは塩こうじ・・って、魔女?って、なんだ?」 

「不思議な力がある女性のことよ」 

「なるほど。しかしそれなら、あの露店の主人も魔女ということか・・それにしても、本当に美味しいな」 

 人を過去へ移動させるなど、尋常ではないと呟き、セレスティノも幸せそうにフォークを口へ運ぶ。 

「ああ、そうね。私たち、過去へ来てしまったんだものね。みんな、心配しているでしょうね」 

「心配、なんていうレベルではないだろうな。何と言っても殿下とレオカディア、そして常に行動を共にしている俺たちふたりまで、同時に居なくなったのだから」 

「今頃は、騎士団が総出で動いているかもしれないな」 

 『私たち、呑気らしく食事しているけれど』と、しんみりとなって言ったレオカディアに、セレスティノとヘラルドも頷いた。 

「確かに、皆心配しているだろうし、僕たちの捜索隊も出ているだろう。だが、ここから連絡を取る手段など無いのだ。今、僕たちにできるのは、そのことを憂うのではなく、一刻も早く元の時代へ戻ること、それだけだ」 

「そうね。戻ったらものすごく怒られるでしょうけれど、それさえ再会の喜びと思えば楽しみよね」 

 『それに、ディアの傍には僕が居るから』と、蕩ける瞳で言ったエルミニオに元気をもらったよう、真顔で付け加えたレオカディアに、ヘラルドが意地の悪い笑みを浮かべた。 

「楽しみ程度で済めばいいけどな。ブラウリオなんか、無事に戻ったレオカディアのこと、軟禁しそうじゃねえ?それが一番の護りだとか言って」 

「それに、行方不明の間は過去に行っていたなど、どう説明したところで信じてもらえないだろうな」 

「あ、本当に。となると、信用問題よね。エルミニオ様の言う通り、一刻も早く戻らないと、私たち居場所を失うかもしれないわ。何と言っても、勝手に行方不明になって騎士団や官僚を動かし、国費を無駄遣いしたことになってしまうのだから」 

 『エルミニオ様も行方不明なんですもの。いったい、どれだけの人が動くことか』と、レオカディアは青くなった。 

「それにしても。改変された歴史を修正しないことには、未来が変わってしまうというのは分かるが、どこが変わっているのか」 

「そうね。一体、どの程度の改変なのか、どういった分野のものなのか。まるっきり手がかりが無いんだもの。難しいわ」 

 エルミニオの呟きに、レオカディアもどこから手を付けたものかと難しい顔になる。 

「そうだな。新聞を読んだ限り、政治経済、外交関係に於いては変化らしい変化は無いな。この時期、新しい国王が立ったことで、近隣各国と多少の交渉摩擦があったというのも、そのままだった」 

 一番、改変されているのではと当たりをいれたものの、外れだったと、セレスティノは小さく肩を竦める。 

「何も肩を落とすことはない。全員で、そういった心当たりをしらみつぶしに確認してみよう。そのためにも、きちんと食事をして寝て、無理をしないことだ・・いいね?ディア」 

 今にも立ち上がりそうなレオカディアを苦笑して見つめながら、エルミニオはそう言ってグラスを口に運んだ。

~・~・~・~・
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