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続きの物語 ~今へと続く道~
10、報告と、過保護な婚約者。
しおりを挟む「あ、そういえば今日ね。お父様に会ったの」
「は?アギルレ公爵にか?」
「そうよ。今の時期、正確に言えば次期アギルレ公爵、だと思うけど・・そうよね?・・たぶん」
夕食の席で、父親の若いころに会ったと報告したレオカディアは、怪訝な声でセレスティノに尋ねられ、首を捻りながらそう答えた。
「まあ、そこはいいけど。なんで、アギルレ公爵がアルモンテ侯爵家に居るんだ?公爵閣下は、昔からエリアス陛下の腹心だよな?」
「そうよ。だから、アルモンテ侯爵家が騎士見習い・・しかも、素性を問わない条件で雇用したことから、何かことを起こすつもりだと予測して、潜入しているんですって。オットー、って名乗っていたわ」
魔女の操作の結果なのか、若干頼りない見解だったと、レオカディアは、問うたヘラルドに向かってため息を吐く。
「しかし、凄い確率で出会ったな。しかも、名前を聞く状況なんて・・ディア。何かあったのか?」
「何か、っていうか。ちょっと下級騎士に絡まれていたところを、一応助けてもらったというか・・あ、そうそう。それで有益と思わ」
「ディア!」
「はいっ!エルミニオ様!」
有益そうな情報を、得ることもできたと言いかけたレオカディアは、目を吊り上げて叫んだエルミニオに、それは良い返事をした。
「僕は今『ちょっと下級騎士に絡まれていた』と聞こえたのだが?」
「はい。そう言いました」
「そんな、さらっと。どうしてすぐに言わない?いや、やはり危険だ。ディアは、家で待機・・も危険か。なら、そうだ!教会に預かってもらうというのは、どうだろう」
『レイナちゃん、可愛い』などと、やはり猛獣の巣窟だったではないかと、エルミニオは、ぶつぶつと呟き、眉を寄せる。
「いえいえ、エルミニオ様。教会がお預かりするのは、両親が共働きの家の子供、ですよ?」
「わあ。何度見ても、おもしれえ」
「本当にな。このような殿下、レオカディア絡みでなければ拝めない」
普段、どのような厳しい決定も、眉一つ動かさずに告げるエルミニオが、レオカディアのこととなると、途端にぽんこつになると、ヘラルドとセレスティノは面白がった。
「ところで。レオカディアは、どうして最初からオットー殿がアギルレ公爵だと分かったんだ?というか、他人の空似ということはないのか?」
「ないわよ。謎の口髭を生やしていたけれど、若いころのお父様の肖像画、そのものだったもの。ああ、でも。生きて動いているお父様・・ええと、オットー様のことね・・は、想像以上に素敵だったわ」
アルモンテ侯爵家を疑って潜入しているにしても、アギルレ公爵だと断言するのは危険ではないのかと言うセレスティノに、レオカディアはきっぱりと言い切った。
「ああ。なるほど。しかし、自分の父親が、自分と同じ年ごろだなんて奇妙な感覚だよな・・・でも、若いころの親父か。会ってみたい気もするな」
多少、年齢の差があるにせよ、この時代に存在しているのは今の自分達の年齢に近い親世代なのだと、ヘラルドは己の父親の若いころの肖像画を思い出す。
「俺は、どうかな。会ってみたい気もするが、困難真っ只中だからな。あまり、明るい感じにならない気がする」
「ディア。それで?ディアに絡んだという下級騎士の名前は?」
「「「・・・・・」」」
実際に、自分の父親の若いころに遭遇したレオカディア、そして、それぞれ会ってみたいような、そうではないようなと話すヘラルドとセレスティノを他所に、ひとり考え込んでいたエルミニオが、真剣な顔でそう問いかけ、三人は、同じような表情でエルミニオを見た。
~・~・~・~・
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