溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~〈本編完結済〉

夏笆(なつは)

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続きの物語 ~今へと続く道~

11、似た者、婿舅。

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「生意気なのよ、あんた!新人の分際で、オットー様に近づこうなんてずうずうしい!」 

「・・・・・」 

 

 ええと、このひと誰だっけ? 

 

 掃除中、水を汲みに外へ出たところで、先輩とおぼしき下級メイドに絡まれながら、レオカディアは、会ったことがないはずの相手の顔を見た。 

 

 知らないひとなんだけど。 

 『オットー様に近づこうなんてずうずうしい』かあ。 

 この言い方だと、多分勝手にお父様と親しいつもりでいるんだろうけど、どうしようかな。 

 オットー様に近づくなと言われても、この前みたいに『はいっ、絶対に近づきません!』んて言えないし。 

 

 つい昨日のこと『イポルト様に近づかないで!』と言われ、速攻で快諾したようにはいかないと、レオカディアは、言い方は悪いが、どう言い逃れしようかと考えを巡らせる。 

 

 何か、うまい理由。 

 このひとも納得してくれて、お父様と会話をしても大丈夫な理由。 

 ただ単に『挨拶して、世間話をしていただけ』とか言っても、こういうひとは聞いてくれないし。 

 

「ちょっと、聞いているの!?オットー様はね、私の恋人なの!もうすぐ、婚約するんだから!」 

「え」 

 エルミニオ達と一緒に居る関係で、女性から妬まれ、的外れな暴言を受けることもあるレオカディアが、何とか穏便にと過去例に答えはないかと思っていると、相手は、まさかの言葉を自信たっぷりに言い切った。 

 

 ええと、なんですって? 

 恋人? 

 それでもって、もうすぐ婚約? 

 いや、でも。 

 お父様の婚約者は、お母様・・ミレイア・オルモス侯爵令嬢だけよ・・って。 

 そっか。 

 お母様も、この時代は未だ侯爵令嬢なのね。 

 ・・・・会ってみたい。 

 

「ふふん。そんなにショックだった?でも、分かったなら二度とオットー様に近づかないで!オットー様の隣に並んでいいのは、婚約者になる私だけなんだから!」 

「お前こそ、何をほざいている。私の婚約者は、お前など足元にも及ばない、素晴らしい女性だが?そのような虚偽の発言。名誉棄損で訴えられたいか?この詐欺師」 

「お、オットー様」 

 

 あ! 

 お父様に最初に会ったとき、遠くで『オットー様ー』って、呼んでいたひと! 

 

 自分に対する、脅しのようなドスのきいた声では分からなかったと、レオカディアは『謎が解けた、誰だか分かった』と、ほくほくした気持ちになる。 

「オットー様。幾度も申し上げているではありませんか。私こそが、オットー様の運命なのだと」 

「そのような事実はない。私の運命は、私の婚約者だ」 

 

 わあああ。 

 お父様、惚気ですか!? 

 惚気ですね! 

 ああ、私もエルミニオ様に言われてみたいです! 

 

 既に、その願いが叶っていることを知らないレオカディアは、また、母であるミレイアも、この頃、自分の婚約者であるオットー・・もといエルビディオ・アギルレ公爵令息が、このような発言をしていた事実を知らない。 

 つまり。 

 後の婿と舅は、似たような気質の持ち主なのである。 

  
~・~・~・~・
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