自重知らずの転生貴族は、現代知識チートでどんどん商品を開発していきます!

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第2章 グランタリア大陸東部編

69.ごめんなさいの一日!

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王都ブリタスに戻ってきた僕は、久しぶりにサイフォン魔法学院へ登校してみると、学院長室へ呼び出された。

ソファに座るエヴェ学院長は少し機嫌が悪そうだ。


「どうして呼ばれたかわかるかい?」

「えっと……学院を休んでいたからですか?」

「その通りだ。シオン君一人が学院を休んでも、さほど問題視するつもりはなかった。しかし君に追随するように他の生徒も休みだした」


……僕の他にエレミア、カイロス、クラウス、グレース……よく考えると七人しかいない生徒の中で、僕も含めて五人が一緒に旅をしていたんだよね……一人はずっと学校に来ていないから……僕達がいない間、レト君一人で授業を受けていたのかな……


「シオン君達がいないばかりか、レト君は家の仕事の手伝いで、しばしば学院を休んでいてね。さてクラスはどうなったと思うかね」

「……生徒が誰もいなくなった……」

「Sクラスの生徒全員が休んでいる、もう学級崩壊の有様だ。このようなこと、私が学院長になってから初めてのことだよ。まさに前代未聞だ。そのおかげでウェルム先生は自分に生徒を教える実力がないと言って、家に引きこもってしまってね」


……ウェルム先生……なんだかホントにごめんなさい……


エヴェ学院長は、そこで言葉を切って、首を傾ける。


「それで君達は魔法学院を休んで、何をしていたんだい?」

「ちょっとクラウスとカイロスの手伝いを……」


僕は帝都イシュタルを出てから、ファラレスト皇国とアシュラム王国を巡って来たこと、その一部始終と、日焼け止め薬を開発したことを漏らさず説明した。

するとエヴェ学院長の目がクワッと見開く。


「日焼け止め薬だと! それがあれば日中、日差しの強い中、外出しても日焼けしないということかい! ぜひ私にも、その薬を分けてほしい!」


エヴェ学院長ってめちゃくちゃ肌の色が白いから、すぐに日に焼けしてしまうらしい。

その日焼け跡が何日も残って困ると、エヴェ先生はボヤく。

僕は制服のポケットから日焼け止め薬を取り出し、テーブルにそっと置いた。


「エヴェ学院長へのお土産です。どうか受け取ってください」

「そうか、シオン君はよくできた生徒だな。今回のSクラスの生徒で旅行に行ったことは、日焼け止め薬を開発したということで、不問にしよう。以後、このようなことがないようにな」

「……ウェルム先生の件は?」

「少し生徒が学院に来ないぐらいで、凹むようではまだまだウェルム先生も教師としての経験が少ないということだ。放置していても、そのうち学院に顔を出すようになるだろう。Sクラスについては他の教員が教えるので、学院としては問題ない」


……エヴェ学院長、さっきまで前代未聞と言っていたような……


エヴェ学院長との話し合いも終わり、教室へ行ってみると僕の他に登校しているSクラスの生徒は、誰もいなかった。

ウェルム先生も休みだし、学友の皆もいないから、街の大通りにある店舗へ行くことにした。

そして店でレミリアと合流し、商業ギルド東支部の建物へと向かう。

支部長室へ入ると、なぜか僕を見て、リンメイさんが頬をピクピクとさせる。


「久しぶりシオン君、サイフォン魔法学院に編入して以来ね。君の行動はだいたい把握してるわ。シェルダン王陛下とお会いしたみたいね」

「えっと……毛生え薬と脱毛剤を開発して、シェルダン王陛下から爵位をいただけることになって断りました」


僕の答えを聞いて、リンメイさんは額に手を当てて、頭が痛そうな表情をする。


「知らないうちに、毛生え薬と脱毛剤を発明して……それで爵位を断ったですって……シオン君、自分の商品が評価されて爵位を持つというのは、商人にとって一つの憧れなのよ……ある意味、商会ギルドのプラチナになるより難しいかもしれないのに。それを簡単に断るなんて、どうして私に相談してくれなかったの」

「……どうもすみません……でも勝手に爵位をもらうと、父上やセレーネ王妃、マリナ女王陛下からも怒られるかなと思って……」

「そうでしょうね。ラバネス半島の三国では『ロンメル商会』の商品は順調な売れ行きだし、ブリタニス王国の王宮と、ナブラスト王国の王宮に卸しているダイエット薬も、グランタリア大陸の貴族達に広まっているわ。そんな『ロンメル商会』の会長であるシオン君が、イシュガルド帝国で爵位を受けるなんて、ラバネス半島の三国の王家が許さないでしょうね」


……他人から自分の商売の現状を聞くと、僕ってスゴイ人達と取引してたんだって、改めてビックリするな……


リンメイさんは困った子を見るような眼差しを僕に向け、「ハァー」と大きく息を吐く。


「それで、私に会いに来るなんて、今度は何をやっちゃったのかな?」

「……アシュラム王国に行って、日焼け止め薬を開発したら、フスタース国王陛下から爵位をあげるから、薬剤工場を建設してくれと言われて……ファラレスト皇国のアミーレ王妃に、そのことを話したら、また爵位をあげるから工場を建設してってお願いされて……」


そこまで話したところで、チラリとリンメイさんの顔を見ると、彼女の額に青筋が浮かんび、ピキピキと脈打っていた。


「シオン君、ちょっとは自分の行動を自重しようか」

「……はい……ホントすみません……」


なんだかもう、今日は謝ってばかりの一日だったな……

でも、僕ってそんなにダメなことしたのかな?
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