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第2章 グランタリア大陸東部編
73.ラバネス半島三国会議のその後!
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ラバネス半島三国の王家の会合は夜まで続いた。
『ロンメル商会』の工場建設の件は、イシュガルド帝国に『ブラーフ&パンピ』の工場、ファラレスト皇国には『ボーン食器』の工場、アシュラム王国では薬品工場を建設することで決まった。
ゲアハルト国王陛下から自分の国にも工場を建設しろと言われて、困った僕はトランスベル王国に石鹸と香水の工場を建てることを約束した。
もちろん工場建設の費用はトランスベル王国の王宮が持つことになっている。
どさくさに紛れてアレン兄上とフィーネの婚約も決まっちゃったけど……アレン兄上もフィーネのことが気になっていたようだからいいよね……
今後、もしグランタリア大陸の国々が僕に爵位の話を持ち掛ける可能性を考えて、セレーネ王妃の案により、ブリタニス王国、ナブラスト王国、トランスベル王国から栄誉準男爵の称号を承ることになった。
栄誉準男爵というのは栄誉称号の一つで、領土を持つ必要もなく、王宮や王国のために働く必要もない、あなたは栄誉ある働きをしましたという証しの称号らしい……
この称号を持っておくと、もし他国から爵位を申し出られた時、栄誉準男爵の称号をくださいと言えるから、他国の王家の機嫌を損ねることもないと、マリナ女王陛下が教えてくれた。
……各国の王家の心象を悪くするのは、なるべく避けたいもんね。
ラバネス半島三国は『ロンメル商会、スポンサーの会』を結成し、『ロンメル商会』の大スポンサー兼、協力者として、引き続き僕と商会の後ろ盾になってくれるという。
今度、工場を建設するイシュガルド帝国、ファラレスト皇国、アシュラム王国の三国についてはラバネス半島三国より使者を送り、『ロンメル商会、スポンサーの会』に加盟するか、打診するという。
今後、新しく『ロンメル商会』の店舗及び工場建設をする国については、『ロンメル商会、スポンサーの会』への加入義務を課すことになった。
するとリンメイさんが名乗りをあげ、『ロンメル商会、スポンサーの会』の使者については商業ギルド東支部が請け負ってくれるという。
リンメイさん曰く、国々は対立でなく、平和的に良好な関係を摸索するのであれば、地域の経済を発展させ、商品の流通を円滑に広げていく、『ロンメル商会、スポンサーの会』の活動は、商業ギルドの理念と一致しているのだとか。
王家の会合では『ロンメル商会』の件についての話し合いは終わり、それに続いてラバネス半島三国の同盟について話し合われ、早ければ一年後には三国の同盟が締結するという。
それから連合国の構想については、国々の貴族達を説得する必要があり、近年中に連合国にするのは困難だけど、将来的に『ラバネス連合国』となることで王家の方々の意見は一致した。
会合が終わって王都の別邸へと戻ってきた僕は、疲れきってベッドに横になるとすぐ寝てしまった。
翌日、僕はアグウェルに頼んで、 ファラレスト皇国へ行ったもらい、アミーレ王妃とクラウスへ、工場を建設する旨の伝言を頼んだ。
アグウェルなら霧化の術で、一瞬のうちに長距離でも移動できるからね。
その次の日、サイフォン魔法学院に登校した僕はカイロスへ「工場を作ってもいいよ」と伝えると、カイロスは父であるフスタース国王陛下を手伝うため、アシュラム王国へと馬車で旅立っていった。
それから一週間後、アシュラム王国の王都アッシュと ファラレスト皇国の皇都ファランで、『ロンメル商会』の工場の建設が始まった。
そして五日後、旅に出ていた僕達生徒がサイフォン魔法学院に戻ってきたことを、エヴェ学院長から聞いたウェルム先生は、学院に戻らないとごねていたけど、結局魔法学院に連れ戻されることになった。
これ以上、ウェルム先生に迷惑をかけないでおこうと、僕も毎日学院に通っている。
その三週間後、王都アッシュと皇都ファランの工場が完成し、本格的に稼動を開始し、それから少しして、帝都イシュタルへと戻ってきたカイロス、クラウス、グレースの三人がサイフォン魔法学院へと登校してきた。
三人は僕を囲んで、嬉しそうに笑顔を浮かべる。
「やっと工場が完成したぜ。これでアシュラム王国の労働者達を日焼けから守ることができるぞ。それも全てシオンのおかげだ。ありがとう」
「こちらの工場も完成した。私の商会の名は、私とグレースの名に因んで『クラグレ商会』と名付けたんだ。これから二人で、どんどん『ロンメル商会』の商品を売っていくつもりだ。シオン、工場を建設させてくれてありがとう」
「私もクラウスを助けて共に、商会を盛り上げていきます」
……そんな大したこともしていないのに、こんなに感謝されると、ちょっと照れるよ……
四人で和やかに雑談していると、いきなり肩を鷲掴みにされた。
ビックリして振り向くと、エレミアが目を細めて僕をジーっと見据えている。
「工場建設って何のこと? 帝都イシュタルにも『ロンメル商会』の工場を作ってほしいって私、言ってたわよね。まさか忘れてないでしょうね」
「……うん、覚えてはいたよ……」
……そういえば、エレミアに工場を建ててもいいって、いうのを忘れてた……
『ロンメル商会』の工場建設の件は、イシュガルド帝国に『ブラーフ&パンピ』の工場、ファラレスト皇国には『ボーン食器』の工場、アシュラム王国では薬品工場を建設することで決まった。
ゲアハルト国王陛下から自分の国にも工場を建設しろと言われて、困った僕はトランスベル王国に石鹸と香水の工場を建てることを約束した。
もちろん工場建設の費用はトランスベル王国の王宮が持つことになっている。
どさくさに紛れてアレン兄上とフィーネの婚約も決まっちゃったけど……アレン兄上もフィーネのことが気になっていたようだからいいよね……
今後、もしグランタリア大陸の国々が僕に爵位の話を持ち掛ける可能性を考えて、セレーネ王妃の案により、ブリタニス王国、ナブラスト王国、トランスベル王国から栄誉準男爵の称号を承ることになった。
栄誉準男爵というのは栄誉称号の一つで、領土を持つ必要もなく、王宮や王国のために働く必要もない、あなたは栄誉ある働きをしましたという証しの称号らしい……
この称号を持っておくと、もし他国から爵位を申し出られた時、栄誉準男爵の称号をくださいと言えるから、他国の王家の機嫌を損ねることもないと、マリナ女王陛下が教えてくれた。
……各国の王家の心象を悪くするのは、なるべく避けたいもんね。
ラバネス半島三国は『ロンメル商会、スポンサーの会』を結成し、『ロンメル商会』の大スポンサー兼、協力者として、引き続き僕と商会の後ろ盾になってくれるという。
今度、工場を建設するイシュガルド帝国、ファラレスト皇国、アシュラム王国の三国についてはラバネス半島三国より使者を送り、『ロンメル商会、スポンサーの会』に加盟するか、打診するという。
今後、新しく『ロンメル商会』の店舗及び工場建設をする国については、『ロンメル商会、スポンサーの会』への加入義務を課すことになった。
するとリンメイさんが名乗りをあげ、『ロンメル商会、スポンサーの会』の使者については商業ギルド東支部が請け負ってくれるという。
リンメイさん曰く、国々は対立でなく、平和的に良好な関係を摸索するのであれば、地域の経済を発展させ、商品の流通を円滑に広げていく、『ロンメル商会、スポンサーの会』の活動は、商業ギルドの理念と一致しているのだとか。
王家の会合では『ロンメル商会』の件についての話し合いは終わり、それに続いてラバネス半島三国の同盟について話し合われ、早ければ一年後には三国の同盟が締結するという。
それから連合国の構想については、国々の貴族達を説得する必要があり、近年中に連合国にするのは困難だけど、将来的に『ラバネス連合国』となることで王家の方々の意見は一致した。
会合が終わって王都の別邸へと戻ってきた僕は、疲れきってベッドに横になるとすぐ寝てしまった。
翌日、僕はアグウェルに頼んで、 ファラレスト皇国へ行ったもらい、アミーレ王妃とクラウスへ、工場を建設する旨の伝言を頼んだ。
アグウェルなら霧化の術で、一瞬のうちに長距離でも移動できるからね。
その次の日、サイフォン魔法学院に登校した僕はカイロスへ「工場を作ってもいいよ」と伝えると、カイロスは父であるフスタース国王陛下を手伝うため、アシュラム王国へと馬車で旅立っていった。
それから一週間後、アシュラム王国の王都アッシュと ファラレスト皇国の皇都ファランで、『ロンメル商会』の工場の建設が始まった。
そして五日後、旅に出ていた僕達生徒がサイフォン魔法学院に戻ってきたことを、エヴェ学院長から聞いたウェルム先生は、学院に戻らないとごねていたけど、結局魔法学院に連れ戻されることになった。
これ以上、ウェルム先生に迷惑をかけないでおこうと、僕も毎日学院に通っている。
その三週間後、王都アッシュと皇都ファランの工場が完成し、本格的に稼動を開始し、それから少しして、帝都イシュタルへと戻ってきたカイロス、クラウス、グレースの三人がサイフォン魔法学院へと登校してきた。
三人は僕を囲んで、嬉しそうに笑顔を浮かべる。
「やっと工場が完成したぜ。これでアシュラム王国の労働者達を日焼けから守ることができるぞ。それも全てシオンのおかげだ。ありがとう」
「こちらの工場も完成した。私の商会の名は、私とグレースの名に因んで『クラグレ商会』と名付けたんだ。これから二人で、どんどん『ロンメル商会』の商品を売っていくつもりだ。シオン、工場を建設させてくれてありがとう」
「私もクラウスを助けて共に、商会を盛り上げていきます」
……そんな大したこともしていないのに、こんなに感謝されると、ちょっと照れるよ……
四人で和やかに雑談していると、いきなり肩を鷲掴みにされた。
ビックリして振り向くと、エレミアが目を細めて僕をジーっと見据えている。
「工場建設って何のこと? 帝都イシュタルにも『ロンメル商会』の工場を作ってほしいって私、言ってたわよね。まさか忘れてないでしょうね」
「……うん、覚えてはいたよ……」
……そういえば、エレミアに工場を建ててもいいって、いうのを忘れてた……
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