97 / 161
九尾の狐の菊の陰謀
10☆先回り先回り
しおりを挟む
橘は早速侍女寮に行くと、皇太子殿下と婚約している者として扱われて、侍女寮総出で橘をちやほやしてきた。
なぜか侍女総出のようなので遠子をキョロキョロ探すがいない。
「あの、遠子さんを呼んできて欲しいのですけど……」
『眠る狐』のせいで偽りの婚約者としての権限でお願いをしてみる。
すると侍女たちはピタリと動きを止める。
(すっごく、不気味…なんだけど……)
「そんな方はいらっしゃいません。おかえりあそばせ……」
突然冷たく感情なく言われぞんざいに扱われ追い出された。
「な、なんなの⁉︎ていうか、これも『眠る狐』の仕業?」
宮中職員ほぼ全て操るとは恐れ入る。
あの威津那ですら操られてしまうほどなのだから仕方がないと諦める。
とりあえず、彼女の履歴を漁って殿下にお渡しして、良き日を選んで恋愛につなげて差し上げるのもいいかも。
橘も陰陽寮長の娘であり職員だ。
より良い運気を取り込む占いは簡単にできる。
(それに、明日すぐに結婚に繋がるわけでもないしね)
と気楽に思っていたら陰陽寮総出で騒がしく、晴綛はウキウキ気分で橘に、
「明日はついに殿下と結婚だな。我が娘ながら品が足りないが、なんとかなるだろう。皇室の恥とならぬようにせねばならぬぞ!」
橘は頭の中が真っ白になって固まった。
頭が働くようになると、
「はぁぁぁぁぁぁっ⁉︎そんな急に⁉︎」
橘は悲鳴をあげて青ざめた。
「こら、そういうところがはしたないというのだ!流花の娘なのだからできるはずだ!品よくしろ!」
父の瞳は操られているが気迫は本物で、
「は、はい….」
と、とりあえず、そう応えるしかなかった。
『眠る狐』……恐るべし!先手先手を打ってくる!
「じゃ…じゃぁ、母様に妃になるための勉強を一日で修得するから、屋敷に帰って母様を連れてきて!」
「それもそうだな」
父は母を条件にすると緊急に陛下のお召しでなければ異界を通って自宅に帰ることがある。
妖術で頭の回転が鈍っているので反射的に帰ってしまった。
宮中限定で妖術が発生されているのならば屋敷に帰れば術が解けるかもしれないと思う。いやむしろそうであって欲しい。
そして屋敷に帰って母の神の化身の力で正気に戻る事を期待をする。
とりあえず陰陽寮が管理する職員履歴の棚に遠子の履歴を急いでみつける為に漁っていると、
「熱っ!な、なに?」
頭の上の方がとつぜん熱くてみあげると紙切れが燃えカスとしておちてきた。
「………ま、まさか、履歴を燃やされた⁉︎」
人を試すように馬鹿にするようにやることなすこと一瞬で無に帰すことをするなんて『眠る狐』は根性悪いと憤る橘だった。
なぜか侍女総出のようなので遠子をキョロキョロ探すがいない。
「あの、遠子さんを呼んできて欲しいのですけど……」
『眠る狐』のせいで偽りの婚約者としての権限でお願いをしてみる。
すると侍女たちはピタリと動きを止める。
(すっごく、不気味…なんだけど……)
「そんな方はいらっしゃいません。おかえりあそばせ……」
突然冷たく感情なく言われぞんざいに扱われ追い出された。
「な、なんなの⁉︎ていうか、これも『眠る狐』の仕業?」
宮中職員ほぼ全て操るとは恐れ入る。
あの威津那ですら操られてしまうほどなのだから仕方がないと諦める。
とりあえず、彼女の履歴を漁って殿下にお渡しして、良き日を選んで恋愛につなげて差し上げるのもいいかも。
橘も陰陽寮長の娘であり職員だ。
より良い運気を取り込む占いは簡単にできる。
(それに、明日すぐに結婚に繋がるわけでもないしね)
と気楽に思っていたら陰陽寮総出で騒がしく、晴綛はウキウキ気分で橘に、
「明日はついに殿下と結婚だな。我が娘ながら品が足りないが、なんとかなるだろう。皇室の恥とならぬようにせねばならぬぞ!」
橘は頭の中が真っ白になって固まった。
頭が働くようになると、
「はぁぁぁぁぁぁっ⁉︎そんな急に⁉︎」
橘は悲鳴をあげて青ざめた。
「こら、そういうところがはしたないというのだ!流花の娘なのだからできるはずだ!品よくしろ!」
父の瞳は操られているが気迫は本物で、
「は、はい….」
と、とりあえず、そう応えるしかなかった。
『眠る狐』……恐るべし!先手先手を打ってくる!
「じゃ…じゃぁ、母様に妃になるための勉強を一日で修得するから、屋敷に帰って母様を連れてきて!」
「それもそうだな」
父は母を条件にすると緊急に陛下のお召しでなければ異界を通って自宅に帰ることがある。
妖術で頭の回転が鈍っているので反射的に帰ってしまった。
宮中限定で妖術が発生されているのならば屋敷に帰れば術が解けるかもしれないと思う。いやむしろそうであって欲しい。
そして屋敷に帰って母の神の化身の力で正気に戻る事を期待をする。
とりあえず陰陽寮が管理する職員履歴の棚に遠子の履歴を急いでみつける為に漁っていると、
「熱っ!な、なに?」
頭の上の方がとつぜん熱くてみあげると紙切れが燃えカスとしておちてきた。
「………ま、まさか、履歴を燃やされた⁉︎」
人を試すように馬鹿にするようにやることなすこと一瞬で無に帰すことをするなんて『眠る狐』は根性悪いと憤る橘だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる