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4 6年ぶりの再会
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「アシュリーじゃないの。今日は華やかな装いね」
「エバンス伯爵夫人」
エバンス伯爵家は、エドウィンのタウナー伯爵家とは仕事上の付き合いがある。と、聞いたことがありましたが、私としては夫人とは私個人として仕事上の付き合いがある人なのです。
「カサンドラ様もお輿入れなさると、このお屋敷もさみしくなるわね」
「ええ。明るい方でしたから、あのお声が聞けなくなるのは残念ですわ」
「あら?あなたはついて行くのではないの?」
私がカサンドラ様の信頼が厚いことを知っているエバンス夫人は、驚いたようですね。今ままでは未定でしたが行く一択になりそうです。
「まだお返事はしていないのですが、早々に結論を出すつもりですわ」
「そうね。まだ日はあるのだから、あなたもよく考えてね」
「ところでエバンス夫人。あのご令嬢はどこの方か御存知ですか?私、初見のような気がして気になってしまって」
そう言いながら『わからないのが恥ずかしいわ』的な顔をしたら、世話焼きのエバンス夫人は聞いてもいないことをペラペラと話してくれました。
「ああ、あの方はトレイル伯爵家のミランダ嬢よ」
「ミランダ様…」
「ええ、二カ月くらい前から夜会で顔を見るようになったのよ。それもタウナー伯爵家のエドウィン様がいつも一緒で、仲がよろしいのよね。見ているこっちが恥ずかしいくらいなのよ」
ほう、二カ月前。
まあ、私との婚約は知っている人のほうが少ないですし、というか、学園に入る時にはもうエドウィンは国境に行っていましたから紹介する機会も、一緒に何処かへ出掛けることもなかったわね。彼が私の婚約者だなんて知らないのだわ。
「まぁ、そうなんですか。トレイル伯爵家のご令嬢…」
「アシュリーのように出るとこ出てるといいのにねぇ。少し貧相?お子様スタイルね」
トレイル伯爵家といえは、確か国境近くに小さな領地を所有していらっしゃるはずよね。確か現男爵夫妻の散財が激しいと耳にしたような気がするのですが。王都に来るような暇とお金があるとは思えないですけど、なぜでしょうか。確か嫡男がいたはずですし、嫁入り先を探してるとかですかね。
それに…お子様スタイル…ですか。エバンス夫人も言いますわね。まあ、私、自慢じゃないですがスタイルはいい方だと思いますからねぇ。
「お互いにいい年齢みたいだし、そろそろかしらねぇ」
そろそろ?
それは婚約ですか?
それとも結婚でしょうか?
私の婚約者と彼女が…
そう考えながらも、私は[限りなく黒]の判定を[真っ黒]に認定して、これをどうやって認めさせて婚約を解消するか、一番酔い方法を計算し始めました。なにもかも早いほうがいいてしようし。
トレイル夫人に挨拶をして、ロドニー様と待ち合わせた場所であーでもない、こーでもないと考えている時に、突然後ろから声をかけられてしまい、少々焦りました。
こんな夜会で一人で立っていれば、否応なく声をかけられるということをすっかりと失念していたのです。
「ご令嬢。失礼ですが、お一人ですか?」
平静を装いながら振り返って、声をかけてきたその殿方のお顔を見ました。
「エバンス伯爵夫人」
エバンス伯爵家は、エドウィンのタウナー伯爵家とは仕事上の付き合いがある。と、聞いたことがありましたが、私としては夫人とは私個人として仕事上の付き合いがある人なのです。
「カサンドラ様もお輿入れなさると、このお屋敷もさみしくなるわね」
「ええ。明るい方でしたから、あのお声が聞けなくなるのは残念ですわ」
「あら?あなたはついて行くのではないの?」
私がカサンドラ様の信頼が厚いことを知っているエバンス夫人は、驚いたようですね。今ままでは未定でしたが行く一択になりそうです。
「まだお返事はしていないのですが、早々に結論を出すつもりですわ」
「そうね。まだ日はあるのだから、あなたもよく考えてね」
「ところでエバンス夫人。あのご令嬢はどこの方か御存知ですか?私、初見のような気がして気になってしまって」
そう言いながら『わからないのが恥ずかしいわ』的な顔をしたら、世話焼きのエバンス夫人は聞いてもいないことをペラペラと話してくれました。
「ああ、あの方はトレイル伯爵家のミランダ嬢よ」
「ミランダ様…」
「ええ、二カ月くらい前から夜会で顔を見るようになったのよ。それもタウナー伯爵家のエドウィン様がいつも一緒で、仲がよろしいのよね。見ているこっちが恥ずかしいくらいなのよ」
ほう、二カ月前。
まあ、私との婚約は知っている人のほうが少ないですし、というか、学園に入る時にはもうエドウィンは国境に行っていましたから紹介する機会も、一緒に何処かへ出掛けることもなかったわね。彼が私の婚約者だなんて知らないのだわ。
「まぁ、そうなんですか。トレイル伯爵家のご令嬢…」
「アシュリーのように出るとこ出てるといいのにねぇ。少し貧相?お子様スタイルね」
トレイル伯爵家といえは、確か国境近くに小さな領地を所有していらっしゃるはずよね。確か現男爵夫妻の散財が激しいと耳にしたような気がするのですが。王都に来るような暇とお金があるとは思えないですけど、なぜでしょうか。確か嫡男がいたはずですし、嫁入り先を探してるとかですかね。
それに…お子様スタイル…ですか。エバンス夫人も言いますわね。まあ、私、自慢じゃないですがスタイルはいい方だと思いますからねぇ。
「お互いにいい年齢みたいだし、そろそろかしらねぇ」
そろそろ?
それは婚約ですか?
それとも結婚でしょうか?
私の婚約者と彼女が…
そう考えながらも、私は[限りなく黒]の判定を[真っ黒]に認定して、これをどうやって認めさせて婚約を解消するか、一番酔い方法を計算し始めました。なにもかも早いほうがいいてしようし。
トレイル夫人に挨拶をして、ロドニー様と待ち合わせた場所であーでもない、こーでもないと考えている時に、突然後ろから声をかけられてしまい、少々焦りました。
こんな夜会で一人で立っていれば、否応なく声をかけられるということをすっかりと失念していたのです。
「ご令嬢。失礼ですが、お一人ですか?」
平静を装いながら振り返って、声をかけてきたその殿方のお顔を見ました。
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