128 / 336
128
しおりを挟む
「何かいいことがあった?」
ミランダとローニャのおかげで、四日目の試験は楽しく終わった。
だから、ちょっと浮かれていたんだろう。
馬車に乗ると同時にカークにそう聞かれた。
別に隠すことも無い。
「友達が出来た……かも?」
「友達?」
「うん、前の席の子たちなんだけど、今日、話しかけてくれて……」
あ、自分で言っててちょっと胸が痛い……。
「……なんか、一人の子が家族ぐるみでオンリンナの発明品のファンなんだって。それで勇気を持って話しかけたって。そしたら意外と話が弾んで……」
カークがじっと見てくるので、ぺらぺらと一人で話し続けてしまう。
うーん、今度はカークの視線が痛いな。
―――――すいませんね。どうせ友達いませんよ……。浮かれまくっていますよ。
「それで、試験の最終日のお昼なんだけど」
「お昼?」
「ほら、今日の一個目の試験、最終日の午後になったから」
「あぁ、そうか。教室で食べるんだろう?」
「それがサロンを借りてるから、そっちで一緒に食べないかって誘われたんだけど、いいかな?」
カークが教室を出るなって言うから、一応お伺いを立ててみる。
「……キーラ、その友達の名前は?」
「え? ミランダとローニャだよ」
「家名は?」
「えっと、確か、リスターだったはず」
「そう……キーラ、それは私も一緒に食べたら駄目だろうか?」
「は?」
女子会ですよ? カークが来たら、女子トークできないじゃないですか。
「カーク、仲間に入りたいの?」
「そうじゃない。心配なだけだ」
「ご飯を食べるだけだよ?」
サロンは棟ごとにある。
ミランダたちが借りたのは、教室がある棟のものだと言っていた。
「……行くなって言っても、行きたいんだろう?」
「うん」
せっかくだし。サロンって言うのも見てみたい。
それに、教室じゃ話しにくいことがたくさんある。
普通の人たちに聞きたいことも。
「キーラ、君はリーナに会いたくないんだろう?」
ため息交じりに、カークがそう言った。
「会いたく、ないけど……」
お昼休みは一時間。ご飯食べてトイレに行ったら終わりだ。
サロンは個室だって言うから、行き帰りさえ気をつければ何とかなりそうだ。
そんなに悩むことでもないと思うけど。
「返事は明日まで待ってくれ」
カークが厭味ったらしく、ため息をついた。
ミランダとローニャのおかげで、四日目の試験は楽しく終わった。
だから、ちょっと浮かれていたんだろう。
馬車に乗ると同時にカークにそう聞かれた。
別に隠すことも無い。
「友達が出来た……かも?」
「友達?」
「うん、前の席の子たちなんだけど、今日、話しかけてくれて……」
あ、自分で言っててちょっと胸が痛い……。
「……なんか、一人の子が家族ぐるみでオンリンナの発明品のファンなんだって。それで勇気を持って話しかけたって。そしたら意外と話が弾んで……」
カークがじっと見てくるので、ぺらぺらと一人で話し続けてしまう。
うーん、今度はカークの視線が痛いな。
―――――すいませんね。どうせ友達いませんよ……。浮かれまくっていますよ。
「それで、試験の最終日のお昼なんだけど」
「お昼?」
「ほら、今日の一個目の試験、最終日の午後になったから」
「あぁ、そうか。教室で食べるんだろう?」
「それがサロンを借りてるから、そっちで一緒に食べないかって誘われたんだけど、いいかな?」
カークが教室を出るなって言うから、一応お伺いを立ててみる。
「……キーラ、その友達の名前は?」
「え? ミランダとローニャだよ」
「家名は?」
「えっと、確か、リスターだったはず」
「そう……キーラ、それは私も一緒に食べたら駄目だろうか?」
「は?」
女子会ですよ? カークが来たら、女子トークできないじゃないですか。
「カーク、仲間に入りたいの?」
「そうじゃない。心配なだけだ」
「ご飯を食べるだけだよ?」
サロンは棟ごとにある。
ミランダたちが借りたのは、教室がある棟のものだと言っていた。
「……行くなって言っても、行きたいんだろう?」
「うん」
せっかくだし。サロンって言うのも見てみたい。
それに、教室じゃ話しにくいことがたくさんある。
普通の人たちに聞きたいことも。
「キーラ、君はリーナに会いたくないんだろう?」
ため息交じりに、カークがそう言った。
「会いたく、ないけど……」
お昼休みは一時間。ご飯食べてトイレに行ったら終わりだ。
サロンは個室だって言うから、行き帰りさえ気をつければ何とかなりそうだ。
そんなに悩むことでもないと思うけど。
「返事は明日まで待ってくれ」
カークが厭味ったらしく、ため息をついた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
289
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる