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文明の進歩に…ってこれは違うでしょ!?②
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「ゲート…?」
「何だよー、いいじゃない。便利なんだからさ。」
「便利だからって勝手に繋げるな!訴えるぞ!」
「え、え?繋げるって?訴えるって何?」
「あ、説明するよユキさん。来て来て!」
何やら怒っているらしい郡司さんを尻目に、ナインは嬉々として私の手を引いている。向かう先は…やはり玄関ではなく浴室。一体何があるというのか。郡司さんはゲートが…って言っていたけど。
「これこれ!」
「これは…浴室のドア、ですねぇ…。」
まごうことなき浴室のドア。すりガラスになっていて、一般的なものと言えるだろう。使用後はしっかり換気しているので、水滴もついておらずきれいなものだ。
「じゃなくて!浴室にドアがついてるなんて普通じゃない。ナイン、何を見せたいっていうの?」
「開けてみてよ。」
「えー?なんで…。」
「いいから!」
ナインの意図が読めないながらも、渋々言われた通りに浴室のドアに手をかける。そのままゆっくりと力を籠めると…。
「…え!?」
「ね?すごいでしょ!便利でしょ!?」
「こ、これ…どうなってるの!?」
ドアを開けた先に広がっていた光景は浴室、ではなくなんと先日あれこれ検査をされたナインの家にある研究室だった。
「え!?ここにあったはずのお風呂は?どうして研究室に…えぇ?」
「えへへー。これも天才のなせる業なのさ!」
「郡司さーん!大変、お風呂場なくなっちゃった!!どうしよう!!」
「聞いて?」
まずはここの家主に知らせなければ!リビングに向かって声を張り上げると、顔を顰めた郡司さんがこちらを見ていた。
「さっき見た…。まず、風呂場がなくなったわけじゃないから安心して。」
「あ、そうなんだ…。」
「もーちゃんと説明するのに。ユキさん、これは離れた場所とドアを介して空間を繋げているんだ。一般的にゲートって呼ばれてる。これがあれば遅刻知らず!超便利!」
「超便利はいいが、接続先の許可なく開通させることは禁止されてる。当然だけどな。」
「…ですよね。」
ある日知らずに扉を開けた見たこともない場所でした、なんてマンガや小説の中だけで十分だ。…ある意味、現状私が体験していると言えなくもないが、できることなら経験したくない場面だ。しかもここは浴室。お風呂に入ろうと服を脱いでいたらと思うと…最悪だ。
「現行犯で逮捕されたくなかったら今すぐゲートを閉じろ。」
「職権乱用だ!」
「現行犯だったら警察じゃなく一般人でも可能だ。」
「…むぅ。」
ナインは『非常に遺憾です』と言わんばかりに、わざとらしくほっぺを膨らませて腕を組んでいる。その目の前には同じく腕を組んだ郡司さんが対峙。…申し訳ないが、体格差がありすぎで勝負にすらなっていない。もはや駄々をこねる子供を叱っている大人の図。ここは正直に謝った方がいいよ、ナイン。
「…少なくとも、この位置は私もやめてほしいな。これって誰でも作れちゃうの?」
「そんなわけないだろ。こんなもんがポンポン繋げられたら犯罪し放題だ。こいつが高い技術を無駄に使っているだけだ。」
「無駄じゃないよ!…あ、今僕が高い技術を持っているって認めたね!?」
「通常ゲートを繋げるのなんて、接続先の許可を取るのから始まり施工自体も大仕事なんだ。」
「離れた所と繋がってるなんて、私からしてみたら意味分からないもんね。」
「あれ、さっきの誉め言葉は僕の聞き間違い?」
「でも、ナインは簡単に繋げられちゃうんだね…。これって予防できるものなの?」
「まぁなくはない。…おい、自称天才。」
「自称じゃないやい、自他ともに認める天才!…何?」
「誓約書、書いてけ。」
「えー!?そこまでする!?」
「お前はそこまでするようなことをしたし、これからしないとも言い切れないから、書け。」
「えー…。」
あからさまにナインは落ち込んでいるというか…渋っている?誓約書って…契約するときに書かされるような、あの誓約書?この世界での誓約書とは、私が想像しているような物で合っているのだろうか。
「あのー…誓約書って、約束事を書き残すようなあれのこと?あれを書いたからって、ナインが守ってくれるとは限らないんじゃない?」
「僕の信用ってそんなに低いの?」
「確かに、ナインが約束を破ることなんて日常茶飯事。」
「…もういいやい。」
「だが、誓約書はちゃんと効力がある。ただの紙切れじゃない。」
そう言いながら郡司さんは適当な紙を見繕っている。ちぇーと口を尖らせながらも、ナインは大人しく郡司さんの後に続く。…誓約書なんて言うから、てっきりお堅い書類を準備するんだと思ったけど、そうでもないのかな。結局郡司さんはポストに投函されていたらしいチラシを手に取った。チラシの裏の誓約書なんて、効力本当にあるのか不安になるんですが…。
「何だよー、いいじゃない。便利なんだからさ。」
「便利だからって勝手に繋げるな!訴えるぞ!」
「え、え?繋げるって?訴えるって何?」
「あ、説明するよユキさん。来て来て!」
何やら怒っているらしい郡司さんを尻目に、ナインは嬉々として私の手を引いている。向かう先は…やはり玄関ではなく浴室。一体何があるというのか。郡司さんはゲートが…って言っていたけど。
「これこれ!」
「これは…浴室のドア、ですねぇ…。」
まごうことなき浴室のドア。すりガラスになっていて、一般的なものと言えるだろう。使用後はしっかり換気しているので、水滴もついておらずきれいなものだ。
「じゃなくて!浴室にドアがついてるなんて普通じゃない。ナイン、何を見せたいっていうの?」
「開けてみてよ。」
「えー?なんで…。」
「いいから!」
ナインの意図が読めないながらも、渋々言われた通りに浴室のドアに手をかける。そのままゆっくりと力を籠めると…。
「…え!?」
「ね?すごいでしょ!便利でしょ!?」
「こ、これ…どうなってるの!?」
ドアを開けた先に広がっていた光景は浴室、ではなくなんと先日あれこれ検査をされたナインの家にある研究室だった。
「え!?ここにあったはずのお風呂は?どうして研究室に…えぇ?」
「えへへー。これも天才のなせる業なのさ!」
「郡司さーん!大変、お風呂場なくなっちゃった!!どうしよう!!」
「聞いて?」
まずはここの家主に知らせなければ!リビングに向かって声を張り上げると、顔を顰めた郡司さんがこちらを見ていた。
「さっき見た…。まず、風呂場がなくなったわけじゃないから安心して。」
「あ、そうなんだ…。」
「もーちゃんと説明するのに。ユキさん、これは離れた場所とドアを介して空間を繋げているんだ。一般的にゲートって呼ばれてる。これがあれば遅刻知らず!超便利!」
「超便利はいいが、接続先の許可なく開通させることは禁止されてる。当然だけどな。」
「…ですよね。」
ある日知らずに扉を開けた見たこともない場所でした、なんてマンガや小説の中だけで十分だ。…ある意味、現状私が体験していると言えなくもないが、できることなら経験したくない場面だ。しかもここは浴室。お風呂に入ろうと服を脱いでいたらと思うと…最悪だ。
「現行犯で逮捕されたくなかったら今すぐゲートを閉じろ。」
「職権乱用だ!」
「現行犯だったら警察じゃなく一般人でも可能だ。」
「…むぅ。」
ナインは『非常に遺憾です』と言わんばかりに、わざとらしくほっぺを膨らませて腕を組んでいる。その目の前には同じく腕を組んだ郡司さんが対峙。…申し訳ないが、体格差がありすぎで勝負にすらなっていない。もはや駄々をこねる子供を叱っている大人の図。ここは正直に謝った方がいいよ、ナイン。
「…少なくとも、この位置は私もやめてほしいな。これって誰でも作れちゃうの?」
「そんなわけないだろ。こんなもんがポンポン繋げられたら犯罪し放題だ。こいつが高い技術を無駄に使っているだけだ。」
「無駄じゃないよ!…あ、今僕が高い技術を持っているって認めたね!?」
「通常ゲートを繋げるのなんて、接続先の許可を取るのから始まり施工自体も大仕事なんだ。」
「離れた所と繋がってるなんて、私からしてみたら意味分からないもんね。」
「あれ、さっきの誉め言葉は僕の聞き間違い?」
「でも、ナインは簡単に繋げられちゃうんだね…。これって予防できるものなの?」
「まぁなくはない。…おい、自称天才。」
「自称じゃないやい、自他ともに認める天才!…何?」
「誓約書、書いてけ。」
「えー!?そこまでする!?」
「お前はそこまでするようなことをしたし、これからしないとも言い切れないから、書け。」
「えー…。」
あからさまにナインは落ち込んでいるというか…渋っている?誓約書って…契約するときに書かされるような、あの誓約書?この世界での誓約書とは、私が想像しているような物で合っているのだろうか。
「あのー…誓約書って、約束事を書き残すようなあれのこと?あれを書いたからって、ナインが守ってくれるとは限らないんじゃない?」
「僕の信用ってそんなに低いの?」
「確かに、ナインが約束を破ることなんて日常茶飯事。」
「…もういいやい。」
「だが、誓約書はちゃんと効力がある。ただの紙切れじゃない。」
そう言いながら郡司さんは適当な紙を見繕っている。ちぇーと口を尖らせながらも、ナインは大人しく郡司さんの後に続く。…誓約書なんて言うから、てっきりお堅い書類を準備するんだと思ったけど、そうでもないのかな。結局郡司さんはポストに投函されていたらしいチラシを手に取った。チラシの裏の誓約書なんて、効力本当にあるのか不安になるんですが…。
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