53 / 70
第53話 幕間~ニコを見守る人々 その2
しおりを挟む
~城壁警備隊隊長フレイア・フェルディアス~
「各門からの報告は以上です」
「ご苦労。他に報告は?」
「国境警備隊からの報告ですが西方諸国が再び戦力を集めているようです」
「何度も飽きないな……状況は逐次報告をもらえ」
「はっ!」
「東は大丈夫か?」
「東方は国境を越えて魔獣の来襲が続いているようです。どこからか湧いて出ててきてるんじゃないかと思う程です」
「警備隊で間に合わなければ人手を貸すか」
騎竜を出せばいい。
「西方は大森林含め落ち着いているようです」
「北方は誰か聞いているか?魔族は大人しいが」
副長が北方門のエリア長に確認する。
「あぁ、それは当面大丈夫だ。私が行ったばかりだしな」
私が答える。脅威になるものはいなかった。
何より魔族の姫と仲を持てたのは僥倖だった。ニコのおかげだな。
あぁ、ニコに会いたいな。
「隊長、またニコの事を考えているんですか……顔溶けかけてますよ……」
副長は私のニコ好きを知っているのでこっそりフォローしてくれる。
それにしてもニコは可愛い。可愛過ぎる。
家族では無いことが本当に残念だ。
……?
……!
……!!
我が家の養子に迎えてしまえばよいのか!?
早速、父上に相談してみよう!
「隊長また……報告会が終わりますよ?」
はっ!
「うむ。皆、ご苦労。何かあれば逐次報告するように。解散!」
副長以外は敬礼をして各自の門に戻っていく。
「隊長、お疲れですか? 気を付けて下さいよ? ものすっごく顔が溶けてましたからね!」
女性隊員からは「薄目で見たら美形」と評される顔をしかめて喚かれる。
子供の頃からの仲だから察しはいい。
だが、今、とても良い事を思い付いたので私の期限はいい。
「テイル副長、ニコに本当の弟になってもらう為に父上に相談してくる!」
「はい?」
「これは決定事項だ!」
「……暴動が起きても良いのですか?」
「暴動?」
「ニコはこの街みんなの孫であり、子供であり、弟なのです。それを奪うような事をしたら市民が暴動を起こすでしょう」
「大げさな!?」
「隊長はほとんど本部かあの食堂だけしか行かないから分かっていない」
「ニコはどこでも好かれているのは知っているぞ」
「知っているならやめてくださいね! あなたは城壁警備隊の隊長で、侯爵家の人間なのですよ? 貴族の横暴と大問題になります!」
街を守る者として言い返せない……。
「わかった。ではニコが落ち着いたらまた来てもらおう」
「それが一番です。彼は依頼として来るのは申し訳ない、と言っていたので仕事は用意してくださいよ」
「わかった」
それはしょうがない。
「それと依頼しなくても「身内として」会いに来ます、と言ってくれているので程々ならばその言葉に甘えるといいですよ……フレイア、顔を溶かさないで!」
「だって嬉しいじゃないか!」
身分を越えて家族と思ってくれているのは嬉し過ぎる!
「私はニコが何でも出来るので警備隊に入って欲しいけどね」
それは何度も思った。だって「ずっと側に置くのはダメです」……そうか。ダメか。
「でも、ニコはすごいな。魔族領で魔族とも仲が良かったからな!」
「それはすごいですね。貴族クラスの教育を受けないと言葉が通じないのに」
私は習っているし、外交で何度も話してしいる。逆にこちらに商売などで来ている魔族は人族の言葉を覚えて話している……そうか。
ニコはいつ魔族の言葉を覚えたのだろう?
普通に話していたので気が付かなかった。
「……ニコはとても勉強熱心なのだろうな!」
「急な結論ですね……でもそうだと思います」
「今のニコの依頼が完了したらテイルも一緒に「まるいひつじ亭」で行こう」
「溶けない笑顔……いつもその顔でいればいいのに……承知しました。隊長!」
「各門からの報告は以上です」
「ご苦労。他に報告は?」
「国境警備隊からの報告ですが西方諸国が再び戦力を集めているようです」
「何度も飽きないな……状況は逐次報告をもらえ」
「はっ!」
「東は大丈夫か?」
「東方は国境を越えて魔獣の来襲が続いているようです。どこからか湧いて出ててきてるんじゃないかと思う程です」
「警備隊で間に合わなければ人手を貸すか」
騎竜を出せばいい。
「西方は大森林含め落ち着いているようです」
「北方は誰か聞いているか?魔族は大人しいが」
副長が北方門のエリア長に確認する。
「あぁ、それは当面大丈夫だ。私が行ったばかりだしな」
私が答える。脅威になるものはいなかった。
何より魔族の姫と仲を持てたのは僥倖だった。ニコのおかげだな。
あぁ、ニコに会いたいな。
「隊長、またニコの事を考えているんですか……顔溶けかけてますよ……」
副長は私のニコ好きを知っているのでこっそりフォローしてくれる。
それにしてもニコは可愛い。可愛過ぎる。
家族では無いことが本当に残念だ。
……?
……!
……!!
我が家の養子に迎えてしまえばよいのか!?
早速、父上に相談してみよう!
「隊長また……報告会が終わりますよ?」
はっ!
「うむ。皆、ご苦労。何かあれば逐次報告するように。解散!」
副長以外は敬礼をして各自の門に戻っていく。
「隊長、お疲れですか? 気を付けて下さいよ? ものすっごく顔が溶けてましたからね!」
女性隊員からは「薄目で見たら美形」と評される顔をしかめて喚かれる。
子供の頃からの仲だから察しはいい。
だが、今、とても良い事を思い付いたので私の期限はいい。
「テイル副長、ニコに本当の弟になってもらう為に父上に相談してくる!」
「はい?」
「これは決定事項だ!」
「……暴動が起きても良いのですか?」
「暴動?」
「ニコはこの街みんなの孫であり、子供であり、弟なのです。それを奪うような事をしたら市民が暴動を起こすでしょう」
「大げさな!?」
「隊長はほとんど本部かあの食堂だけしか行かないから分かっていない」
「ニコはどこでも好かれているのは知っているぞ」
「知っているならやめてくださいね! あなたは城壁警備隊の隊長で、侯爵家の人間なのですよ? 貴族の横暴と大問題になります!」
街を守る者として言い返せない……。
「わかった。ではニコが落ち着いたらまた来てもらおう」
「それが一番です。彼は依頼として来るのは申し訳ない、と言っていたので仕事は用意してくださいよ」
「わかった」
それはしょうがない。
「それと依頼しなくても「身内として」会いに来ます、と言ってくれているので程々ならばその言葉に甘えるといいですよ……フレイア、顔を溶かさないで!」
「だって嬉しいじゃないか!」
身分を越えて家族と思ってくれているのは嬉し過ぎる!
「私はニコが何でも出来るので警備隊に入って欲しいけどね」
それは何度も思った。だって「ずっと側に置くのはダメです」……そうか。ダメか。
「でも、ニコはすごいな。魔族領で魔族とも仲が良かったからな!」
「それはすごいですね。貴族クラスの教育を受けないと言葉が通じないのに」
私は習っているし、外交で何度も話してしいる。逆にこちらに商売などで来ている魔族は人族の言葉を覚えて話している……そうか。
ニコはいつ魔族の言葉を覚えたのだろう?
普通に話していたので気が付かなかった。
「……ニコはとても勉強熱心なのだろうな!」
「急な結論ですね……でもそうだと思います」
「今のニコの依頼が完了したらテイルも一緒に「まるいひつじ亭」で行こう」
「溶けない笑顔……いつもその顔でいればいいのに……承知しました。隊長!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
722
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる