Dreamen

くり

文字の大きさ
18 / 36
第一部 罪人の涙

白もしくは無 6

しおりを挟む
「あれ?」
 ルナは立ち止まった。
 学校だ。門を入って少し行ったところにある芝生広場のあたりだ。このまま行くと初等部校舎が見えてくる。今日は学校だったか。でも、制服は着てるけど、手ぶらだ。なんだっけ? と首を捻って、すぐに気が付いた。夢の中だ。
 その時、広場の方から声がした。知っている声の気がして、そちらに足を向けた。
 芝生広場にはブランコやジャングルジム、雲梯があって、初等部の遊びの中心になっている。でも、ルナは使ったことがない。いや、レクリエーションで一回はあるけど、休み時間に自分から行ったことがないのだ。だって、そんなことをしたら、華くんが一人になってしまう。華くんは体が弱い。みんなと同じように遊ぶと、すぐに疲れて熱が出てしまい、いつも飼育係の仕事がないと外にも出なかった。でも、華くんだってみんなと一緒に遊びたいのだ。だから、ルナはことあるごとに華を連れ出すことにした。華くん、高等部の方に行ってみよう。ノア兄とテラ姉に会えるかも。華くん、朝すっごくきれいなお花見つけたんだ。そうだ、学食行こうよ。第一の方。大丈夫だよ、たぶんノア兄がいるから、一緒にいれば怒られないよ。テラ姉もいるかなあ。華くんはいつも、いいよ、分かった、と言ってルナについてきてくれる。
 でも、本当は迷惑なんじゃ……?
 足が竦んで、前にも後ろにも動けなくなる。じゃあ、横だ! と身をよじったら、見事に大転倒した。
「ぎゃんっ!」
「ルナちゃん?」
 すぐそばで声がした。顔を伏せたまま転がっていると、肩のあたりに手が触れてくる。すぐに引っ込み、だがまた触る。今度はしっかり掴んでルナを揺さぶった。
「ルナちゃん、大丈夫? ルナちゃん」
「ちーん」
「ルナちゃん?」
「しょーてーん」
「生きてるじゃない」
 ルナはごろんと回転し、仰向けになった。華が四つん這いになって、不思議そうにルナを見ていた。その後ろから別の誰かが顔を出す。ふわふわのショートカットに星のピンを留めたセーラー服。華月だ。やっぱり、ここは華の夢らしい。
 ぎゅっと目を瞑る。
「ルナちゃん?」
 夢には想像が、精神が反映されるそうだ。
 目を開けると、心配そうな顔があった。
「ルナちゃん、どうしたの?」
「……んー」
 足を振り上げ、勢いよく立ち上がる。
「なんでもない!」
「えっ、ないの?」
「それより、あそぼ!」
 華の手を引く。少し迷ったが、華月の手も取った。さりげなく振り向くと、華は目を白黒させつつも嬉しそうに笑いだす。そう、笑って。もっともっと笑って。たとえ夢でも、この気持ちは永遠に変わらない。目が覚めて全て忘れてしまっても、気持ちだけはずっと心を温めてくれる。
「たとえ、お前が夢視師となったとしても、その変化は一摘まみの砂にも満たん。こいつらが死ぬ気でやれば必要のない、なくても困らないものじゃ。じゃがな、お前の力はそれとこれとは別じゃ。耐性はいずれ全ての人間が身につけるが、お前のそれは早い。早すぎる」
 決めろと言われた。
 魔追おにーさんと追夢おねーさん、それに奏良おにーさんが今追いかけてるアリスを倒すまでに、ルナは決めなきゃいけないらしい。
 もう誰かの夢に迷い込まないよう、制限を掛けるか。
 それとも、奏良おにーさんみたいに。
「タッチ! 鬼ごっこだよ、華くん鬼!」
「えー、ルナちゃんずるい―! あ、華月ちゃんタッち、あー待ってえ……」
 楽しいなあ。
 ずっと続いてほしい。
 せめて、華くんがみんなとこうして走り回れるようになるまで。










 慌ただしかった休日はあっという間に終わりを迎え、月曜日がやって来た。
 スマホをいじっていると、誰かが教室にやって来た。ノアだった。
「おっはよう、魔追くん」
「ん? あ、おはよう。早いな。まだ七時になったばっかりだぞ」
「部活始めたんだ。でもさー、朝練の日間違えて」
 ノアは鞄を持ったまま来ると、魔追の前の席に腰を下ろし、
「と、いうのは嘘」
「へっ」
「ていうのも嘘、と思ったら嘘の嘘で、百回回って嘘に帰らずというのが実は嘘かもしれなく」
「どっちだよ!?」
「嘘だよ、嘘。部活は本当だけど、朝練は週一しかなくて、ゆるーいとこだから」
 あははと手を振り、
「ていうか、嘘が上手いのは魔追くんの方じゃない?」
「なんっ……」
 魔追は絶句した。魔追はノアに嘘をついたことなどない。いや、まるっきりついてないかと言われると自信がないが、それでもノアだけでなくほかの誰にも、少なくとも悪い意味での嘘をついた記憶はなかった。
 良い意味では。
 自分が善と信じることでは。
 何百回と嘘をついてきたけれども。
「追夢ちゃんは、まあ、あれだけど、魔追くんはもしかして心理学かじってるんじゃないの?」
「……まあ」
 心理学というほどのものではない。それは先人から教えられ、自ら獲得した“技術”。
 ノアが笑みを濃くしたのが分かる。突き刺さる視線に、魔追はいたたまれなくなって目を逸らした。
「魔追くん、話すの上手いなと思ってさ。特に誰かを説得するときとか」
 当たり前だ。夢視師を始めてから、説得担当はずっと魔追だったのだから。
 魔追はうなだれた。
「うまくないよ。全然。後ろめたいっていうかさ。だから、どうしてもぼろが出そうになる」
 魔追が完璧な嘘をつけるのは、夢の中だけだ。夢に出てくる誰かになりすますから、感染者と相対しても剥き出しになるのは相手の心のみ。顔を突きつけ合わせても自分の本音は絶対にばれないと分かっているから、安心して嘘をつけるのだ。魔追の本音はとんでもなく卑屈なのだ。
 優しい言葉も、勇気づけるような台詞も。
 もしかしたら、それを支えに生きている人もいるのかもしれない。そう思うと、余計に胸が苦しくなる。
 魔追が吐く言葉は、本当はその場限りの空っぽなものなのだ。
「知ってるよ。だから、最初から与える情報を決めておいたんだろ」
 その通りだった。
 もう魔追は黙って頷くことしかできなかった。
「なあ、魔追くん」
 肩に手が置かれる。軽く乗っているだけなのに、錘でもそこにあるかのようだった。
「魔追くん? こら、ちゃんとこっち向けよ……」
 ごめん。
 でも、オレはまっすぐに見ることなんてできない。
 怖いんだ。
 夢視の力は、いつだって俺に恐怖をもたらす。例えば、今この瞬間、夢視の力に何かが起こって、ノアの心が分かってしまったら。知られたくない思い、知られたくない記憶を知ってしまったら。
 この関係は終わってしまうだろう。
 違う。
 本当は、嫌われていたらと思うと気が気ではなかった。
 いつもそんなことを考えながら暮らしていた。だから、今回打ち明けると妖追が決めた時も、なんとかしてごまかせないかと悩んで、なるべく魔追が主導できるように動き回った。
 そうして、嘘はつかずに隠した。
 一番大事なことを。
「だーかーら、こっち向けっつってんだろっ!」
「っ!」
 怒鳴り声に驚いて、思わず顔を上げていた。
 ノアの眉間には皺が寄っている。いつもにやにやとしている口元もぐっとへの字だ。そしてなにより、その灰色の瞳が怒気をはらんで魔追を強く睨みつけている。
 魔追は真っ白になって、ぱくぱくと口を動かした。
「えっ……うそ、怒ってる……?」
「ああ」
「えっ……怒るの?」
「意味わかんねえよ」
「ご、ごめん。だって、そんなイメージないから」
「そりゃ、俺だって自分がへらへらしてる自覚はあるけどさ、怒るときに怒らないような間抜けになった覚えはないぞ」
 ノアは何かを堪えるように目を閉じ、二回三回大きく息を吐き出すと、魔追の肩から手をどかした。おそるおそる覗き込むと、硬いながらもいつものにやにや顔に戻っていた。
「あのさ。魔追くん」
「は、はいっ」
 背筋を伸ばすと、ノアは小さく噴き出した。
「いつから、俺、怒ってたと思う?」
「えっ? えーと……」
「五、三、一、ゼロー。ブーッ、時間切れー」
「はやっ」
「だって、魔追くん、まじで考え出して絶対長くなるだろ」
「うっ……」
「正確には昨日話してる時だけど、きっかけは二回目に魔追くんが夢に現れた時からだな」
「えっ?」
 言われて、その時のことを振り返る。だが予定通りに動いた記憶しかないし、そもそも夢の中の魔追は完璧のはずなのだ。困ってノアを見ると、ノアはこらえきれずに腹を抱えだした。
「魔追くんさ、自分が実はすごく分かりやすいって知らないだろ?」
 首を捻ると、完全に普段のテンポに戻ったノアはそう言った。
「話してると、絶対に相手から目を逸らさない。ちゃんと相手の顔見て聞いてくれて、どもりながらも答えを返してくれる。――だから、逆に目が合わなかったり、雄弁に語られなんかしたら、不審に思って当然だろ」
「あ」
 思わぬ指摘に驚き、ぱっと口を押さえると、ノアは大きく首を縦に振った。
「ま、日頃の人徳が災いした、ってことだな」
「人徳って……。そんなもん、オレは」
「ある。だから、俺はこんなに魔追くんのこと好きになったんじゃん」
 魔追は完全に固まった。それから、じわじわと熱い何かが胸のうちに広がって、何故か無性に泣きたくなった。ノアが慌てたように身を乗り出す。
「え? ちょ、魔追くん? あっ、ほら。泣くな泣くな」
 渡されたハンカチは、もったいなくて使えなかった。シャツの袖でごしごし擦ると、使わないのかよと呆れられた。
「使えないよ。だって、こんな」
「野郎のハンカチじゃなくて美少女のをよこせと?」
「いやいや、名前も知らない相手よりノアのがいいっ」
「それはそれで健全な男子高生としてどうよ」
 ノアは冷めた目でハンカチを奪い返すと、魔追のポケットに手を突っ込んだ。
「ほら、せめて自分の使え。なんとかレンジャーの、裏に『たんぽぽぐみ かみおりみやまおい』って書いてあるやつ」
「なんで知ってるんだよ!?」
「俺は何でも知ってるよ?」
 なんてことはないといった風に返されて、魔追は背筋が寒くなるのと同時になにもかもどうでもよくなるような気がした。一人であれこれ悩んで足掻いていたのが、なんだか馬鹿らしく思えてきた。
「ありがとう、ノア」
「はいはい。まだ話は終わってないからな?」
 じっとせかしてくる視線に棘はない。大きいな、と。魔追は少しだけ羨ましく感じながら、どこから話すべきだろうかと考えた。
 もしかしたら。
「……一応言っておくけど、昨日の話は全部本当だ。オレ達は夢視師で、アリスと戦っている」
「それは疑ってない」
「……。だから、ノアの言うとおり、オレは全部は喋らなかった」
 妖追がいきなりこんなことを言い出したのは、魔追のことを考えてくれたからなのかも、なんて。
「夢視の、いや……想像力の効果は、夢だけに与えるものじゃないんだ」








「妖追が三二九歳、れい子やアサも長生きだっていうのは昨日話したよな?」
「ああ。テラを越える中二病かと思ったけどな」
「……」
 ノアにとってはただの冗談だったが、魔追は全く笑えなかった。
「……それだけじゃなくて、実はオレと追夢の先祖でもあるんだ」
「……まじで?」
「まじで」
 言われてみれば、確かに三人とも目が赤い。色素異常は彼女からの遺伝なのだと考えられないこともない。
「え? じゃあ、夢視師の母っていうのは比喩じゃなく、ガチの母?」
「じゃなきゃ、あんなただ飯食らい、今頃放り出してるから」
 さらに、一日中物置で電気も使うので、代々の神居宮家当主の悩みの種となっていた。
「ん? てことは、あの人って人間なの? 人間やめちゃった感じ?」
「いや、生まれた時からやめてるらしい。……そもそもさ、どうやって妖追は生まれたんだと思う」
「どうって……」
 さっきのノアではないが答えを言ってしまおうかと考えた時、まさかと呟きながらノアは目を見開いた。
「それで、想像力なのか? ……もしかして、アサちゃんとれい子さんも?」
 今度は魔追が驚く番だった。へえ、と声も上げていた。
「すごい。よく分かったな」
「ヨーロッパやアメリカの暮らしの方が長いからな。獏よりも夢魔の方が耳になじみ深い」
 夢魔。サキュバスやインキュバスともいう。寝ている人を襲い、性交をするということぐらいしか魔追は知らない。だが、もしそれを知っている女が一七、八世紀の日本にいたら。
 いたら、ではなく、いたのだ。
 妖追はある一人の女と、その想像力――この場合はイマジネーションと呼ぶべきなのかもしれない――によって生まれた。
「昔は、未婚の女性が妊娠した時に、夢魔のせいだなんて言ったこともあったらしいからな。そういう悩みを解決するのに利用されるところは、獏に似てると言えるのかもしれないけど…………そこまで行くと、ちょっと非現実的すぎないか」
「オレも思った。でも、本人が言うから、たぶん、そうなんだろう。確かなのは、夢視がそこから始まっていることだ」
「……獏。いや、それらを生んだ想像力か」
「人間だよ。人間がいるから想像も生まれたんだ」
 そして、妖怪、すなわち不可解な現象を説明するために考え出された異形も。
 やがて、人の想像力によって、“人を変質させていく”。
 れい子とアサは、本人たちに自覚はないが、もとは人間だったのだ。
「いやいやいや……」
 自分でたどり着いた答えなのに、ノアは受け入れられないようだった。というより、認められないのだろう。僅かに声が上ずっていた。
「想像力でそんなことができるんだったら、なんだって解決してもいいはずだ。だって、そんな、人体にまで影響を及ぼせるんだったら、怪我だって直せる」
「でも、スポーツと精神の関わりは見つかってる」
「それとはまた別だ。身体能力をちょっと向上させるだけのもので、組織や骨格の根本的な変化なんて起こらない。もし万に一つの可能性でできたとしても、普通はそんな急激なショックに耐えられない。妖追みたいに発生の段階からならともか、く――あ」
 急激でなかったら。
 例えば、妖追の色素異常が魔追の代では目にしか残っていないように、代を重ねるごとに少しずつ変質していった結果なのだとしたら。
 れい子とアサは祖父母よりもずっと前の代から、徐々に、徐々に組み立て直されて。
「うそだろ……?」
 自分の声なのに自分じゃないみたいだった。
 想像力は人間に様々な影響を及ぼす。
 それは、つまり――
 バアンッと教室の扉が開け放たれた。
「魔追っ、ごめっ、遅くなった……!」
 追夢だった。
 ここまでずっと走ってきたのか、追夢は汗だくで荒い呼吸を繰り返していた。ノアが思考を無理矢理中断させて駆け寄ろうとすると、それより早く魔追がよろめいた追夢を抱きとめ、器用に体を反転させておんぶした。追夢も息絶え絶えながらも、なんとか首に腕を回す。魔追はそのまま教室を出ていこうとしてたたらを踏み、立ち止まり、困ったようにノアを振り返った。
「あー……ここまで話してあれなんだけどさ。実は今朝、感染者を見つけたんだ。たぶん、例のアリスだと思う」
「それって、昨日言ってた」
「かなり成長してた。あのままだともっとたくさんの人に感染する。話しきれなくて申し訳ないんだけど、続きはまた明日ってことで……」
「俺も行く」
 すかさず言い返すと、魔追はますます困ったように眉をハの字にした。だが、このまま魔追を黙って見送ることはできなかった。
 足踏みをする魔追に、追夢がいらだって髪の毛を鷲掴む。
「いって!」
「もう知ってるんだ、別にいいだろ。それより、早くしないと」
「わ、分かった。じゃ、じゃあ、行くよ」
 手綱のように髪を掴まれて、魔追はよたよたと――と思ったが、意外に速い。ノアは慌てて後を追いかけようとし、少し考えて自分と魔追の荷物を取ると再び走り出した。すでに魔追の姿はない。
 早く追いつかなければ。
 階段を駆け上がる。何かが倒れるような盛大な音がした。



 転校だらけの軽い日々が終わった。いや、変わったのはノアの方だ。そして、変えてくれたのは魔追だ。
 だから、ノアには分かる。魔追という人物のことが手に取るように。

 魔追は、まだ一番重要なことをノアに伝えていない。

「魔追っ……!」

 自然と、もう数日も前になってしまった先日の欠席のことを思い出していた。














しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...