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第二部 星の追葬
ラの音が取れない 2
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夢視――他人の夢の中に入れる能力というのは、ものすごく不便だ。まず一つ。夢視をしている間は起きている時と変わらなくて、つまりは休息にならない。だから、目覚めても辛い倦怠感に見舞われることもあって、ただ無駄に疲れるのだった。もう一つ。そんな苦労をしても得られるものは本当に少ない。だから、夢視師というのは大抵がお人好しか、他とは違う自分に陶酔している馬鹿者だった。
そして、それはもちろん、魔追にも当てはまることだった。
「対象は佐藤啓明。たぶん、花になったばかりだと思うから、花粉は心配するほどじゃないと思う。というわけで、今回もそんごに任せていいかな」
顔を下に向けると、頭に金の環をはめ、赤と黄色の装束を纏い、茶色くて短いふさふさの毛に覆われた尻尾を持つ、まるで孫悟空のような小さな少年がはいっ! と元気よく答えた。現実の彼はもっと大きくて頭の悪いサッカー少年だが、ここでは思わずチビと子犬のようにかわいがりたくなってしまう姿をしていた。
「了解です! 魔追さん!」
「うん」
つい頭をくしゃくしゃと撫でてやると、チビじゃないと喚いて逃げる。逃げた先で魔追の妹である追夢に蹴飛ばされて、ぽーんとゴムボールのように弾んだ。
「ぎゃんっ!」
「大人しくできないのか、ポチのくせして」
「そのネタ、まだ生きてたんですかっ!?」
「ああ、ごめん。おい、チビ」
「チビでもないですってぇ!」
足元でぎゃあぎゃあ騒ぐそんごに、追夢は面倒くさそうに髪を掻き上げると、がしっ、とその頭を押さえつけるように鷲掴みにした。
「黙れ」
「……はい。すいませんっした。黙ります」
お口チャックのジェスチャーをしてしょんぼりとするそんご。相変わらずのやりとりだったが、実は今みたいに追夢の方から始めることが徐々に増えていて、それだけ打ち解けている証拠だと思うと魔追はついついにこにことしてしまうのだった。
「私もまだ花粉は始まっていないと思う。――なに、にやにやしてんだ」
「いやあ、なんでも?」
「きしょ」
「……」
まるでゴミ屋敷と嫌いな人と抜き打ちのテストの全部に出くわしたかのような顔で吐き捨てられて、実の兄に対してあんまりじゃないかと心の中で泣いた。
「追夢。まさか、誰彼構わずそんな口利いてたりしないよな……?」
「TPOくらい知っている」
知った上で弁えてなさそうな気がしてならなかった。
「で、情報はそれだけ?」
「あ、ああ」
「じゃ、行くよ」
言い終わるや否や、継ぎ目のない白い床から――そもそも、追夢が中継地点として創造したこのターミナルに床や壁という概念が存在するのかは不明だが――植物の芽やら蔦やらがにょきにょきと生え出した。三人を取り囲むように上へ上へと伸びていき、背の高い生け垣を作る。そして、足元にぽっかりと黒いうさぎ穴が出現し、佐藤啓明の夢へと三人を引っ張るように連れて行った……。
穴の外に飛び出すと、そこは舗装された石畳だった。やけに白っぽくて綺麗な石だった。街中ではない。石畳の両脇には同色の砂利が敷き詰められている。どこかで見たことのあるような風景に首を捻りつつ、魔追は顔を上げて、絶句した。
鳥居があった。
これまた白くて大きくて、逆に視界に入らなかったのだ。鳥居の向こう側には階段があるのか道がふっと途切れている。振り返ると、それはそれは立派なお社があった。見覚えがあるはずだ。それは地元で有名な神社だった。
「咲森神社……?」
咲森神社はいわゆる一の宮というやつで、お正月には県内やもしかしたら県外からも多くの参拝客が訪れる大きな神社だった。山坂の多いこの地域で最も高い咲森山の中腹にあり、小学生の時に遠足で登ったこともある。それだけ馴染み深い場所だった。
「咲森神社、ですよね……? でも、なんか、変な感じがしませんか?」
そんごの言葉に魔追も頷いた。夢の中に出てくるものというのは、多分に本人のイメージなんかが付加されている。だから、どうしても他人の見ているものや考えているものとの間に食い違いが発生するのだが、今回はそれだけではないような気がした。
追夢を見ると、追夢はすぐさま精査を開始し、ふわりと髪が風に煽られたかのようなその一瞬で全てを終えていた。
「なるほど」
「ど、どうでしたかっ!?」
そんごがごくりと息をのむと、追夢はただ黙って右手の人差し指を立てた。そして何故か、授与所や拝殿、何の変哲もない広い境内の端っこや参道の脇に次々と指先を向け始める。ぽかんとするそんごを見下ろしてようやく発したのは、問題、という言葉だった。
「今指さしたところにはあるものがない。なんだ」
「え、ええっ! ま、待ってください、今のもう一回!」
「ごーさーんいーちぜーろ」
「はやっ!? もう一回って言ったのに! ていうか、四と二を飛ばしましたよね!?」
「まともに五秒もやったところで答えられないだろ」
「それはそうですけどぉぉ!」
「で。魔追は?」
振られて、魔追は追夢の指さした場所をもう一度見た。授与所にはお守りなどが並べられ、和紙に値段が書かれているようだ。拝殿には立派な賽銭箱がどっしりと据えられている。境内の端には背の低い樹木が植えられていて、確か春になると小さくてかわいい花をいっぱいつけるのだった。名前はなんといっただろうか。説明の書かれた看板がどこかにあったような気がして、
「あ」
魔追はぽんと手を打った。
「分かった。後から取り付けたものだ」
「ご名答」
「後から……? あっ! そういえば、なんか金属の、ポール? が立ってましたよね! お守りのところとか、お賽銭のところとか!」
おそらく、混雑時に人の波が止まらないようにするために作られたものなのだろう。他にも階段の手すりだとか、明らかに現代に取り付けられたものばかりがなくなっていた。よく見てみると、和紙に書かれた値段も適当なものになっている。一つ五百両もするお守りなんて、いったいどんなご利益があるというのか。
家内安全のお守りを追夢が摘まみ、興味なさそうにぽいと放り出した。
「今回のモチーフは、浦島太郎」
「浦島、ですか?」
「日本の昔話系か。久し振りだな」
最近はメルヘンチックな感じの夢が多かったので、魔追は少しだけ嬉しくなった。似たようなお城だとか森だとかが続いて、さすがに飽き飽きしていたのだった。しかも、某ネズミの国のせいで余計にそっくり。
「ほえ~。浦島なんていうのもあるんですね!」
「あれ? そんご、初めて?」
「はい。一寸法師とか桃太郎とかかぐや姫はやりましたよ。それで、浦島太郎はどんなストレスが多いんですか?」
個人差はあるが、ストレスによって現れるモチーフというのには共通性があった。例えば、一寸法師であれば伸び悩み、桃太郎なら大きな試練への不安、親不孝などといったものが挙げられる。もちろん、一つのモチーフに考えられるストレスは複数あるし、同じようにあるストレスに対して表れやすいモチーフというのもいろいろだった。
「浦島は別れに関するストレスが多い。今回もそのパターン」
追夢が代わりに答え、そのまま精査の結果を報告する。
「別れの中でも特に不安が原因みたい。――おい、魔追。なにしたんだ。今回、花まで発展したのはお前のせいみたいなんだけど」
「えっ!? まじで!?」
「心当たりがないなら、よく考えとけ。どうせ、まだ花粉は始まってないし。対話のところだけお前がやれば?」
提案めかしているが、追夢がわざわざそう言うということはそれが最適ということなのだろう。本当はそんごにやらせたかったが、浦島太郎は初めてらしいし、まあいいかと魔追は頷いた。
それに、全く心当たりがないわけでもなかった。
「分かった。で、どうして咲森神社が出てくるんだ? ここって、どっちかって言うと内陸だろ? そりゃ、夢に距離なんてあってないようなものだけど、ここと海が結びつくとは思えない」
「そうだな。確かに、咲森と海は関係ない。ただ、一番よく知っているから出てきただけだと思う」
「知ってる?」
「うん」
魔追とそんごが首を傾げた時、追夢が何かしたのか、微かな声が耳に届いた。はっとして黙り込み、それに耳を澄ます。よく知っている声だ。小さい女の子の可愛らしくて幼い声。歌声。しかし、なぜかいつもとメロディーが違っていた。
「これって……」
「一の宮なら、なんでもよかったというわけ」
その歌は、誰もが知っているわらべ歌だった。
一番始めは一の宮
二は日光の東照宮
三は佐倉の宗五様
四はまた信濃の善光寺
五つは出雲の大社
六つ村々鎮守様
七つは成田の不動様
八つは八幡の八幡宮
九つ高野の弘法様
十は東京泉岳寺
「アリス……」
まだ見えぬ敵は、だが、ほくそ笑んだような気がした。
そして、それはもちろん、魔追にも当てはまることだった。
「対象は佐藤啓明。たぶん、花になったばかりだと思うから、花粉は心配するほどじゃないと思う。というわけで、今回もそんごに任せていいかな」
顔を下に向けると、頭に金の環をはめ、赤と黄色の装束を纏い、茶色くて短いふさふさの毛に覆われた尻尾を持つ、まるで孫悟空のような小さな少年がはいっ! と元気よく答えた。現実の彼はもっと大きくて頭の悪いサッカー少年だが、ここでは思わずチビと子犬のようにかわいがりたくなってしまう姿をしていた。
「了解です! 魔追さん!」
「うん」
つい頭をくしゃくしゃと撫でてやると、チビじゃないと喚いて逃げる。逃げた先で魔追の妹である追夢に蹴飛ばされて、ぽーんとゴムボールのように弾んだ。
「ぎゃんっ!」
「大人しくできないのか、ポチのくせして」
「そのネタ、まだ生きてたんですかっ!?」
「ああ、ごめん。おい、チビ」
「チビでもないですってぇ!」
足元でぎゃあぎゃあ騒ぐそんごに、追夢は面倒くさそうに髪を掻き上げると、がしっ、とその頭を押さえつけるように鷲掴みにした。
「黙れ」
「……はい。すいませんっした。黙ります」
お口チャックのジェスチャーをしてしょんぼりとするそんご。相変わらずのやりとりだったが、実は今みたいに追夢の方から始めることが徐々に増えていて、それだけ打ち解けている証拠だと思うと魔追はついついにこにことしてしまうのだった。
「私もまだ花粉は始まっていないと思う。――なに、にやにやしてんだ」
「いやあ、なんでも?」
「きしょ」
「……」
まるでゴミ屋敷と嫌いな人と抜き打ちのテストの全部に出くわしたかのような顔で吐き捨てられて、実の兄に対してあんまりじゃないかと心の中で泣いた。
「追夢。まさか、誰彼構わずそんな口利いてたりしないよな……?」
「TPOくらい知っている」
知った上で弁えてなさそうな気がしてならなかった。
「で、情報はそれだけ?」
「あ、ああ」
「じゃ、行くよ」
言い終わるや否や、継ぎ目のない白い床から――そもそも、追夢が中継地点として創造したこのターミナルに床や壁という概念が存在するのかは不明だが――植物の芽やら蔦やらがにょきにょきと生え出した。三人を取り囲むように上へ上へと伸びていき、背の高い生け垣を作る。そして、足元にぽっかりと黒いうさぎ穴が出現し、佐藤啓明の夢へと三人を引っ張るように連れて行った……。
穴の外に飛び出すと、そこは舗装された石畳だった。やけに白っぽくて綺麗な石だった。街中ではない。石畳の両脇には同色の砂利が敷き詰められている。どこかで見たことのあるような風景に首を捻りつつ、魔追は顔を上げて、絶句した。
鳥居があった。
これまた白くて大きくて、逆に視界に入らなかったのだ。鳥居の向こう側には階段があるのか道がふっと途切れている。振り返ると、それはそれは立派なお社があった。見覚えがあるはずだ。それは地元で有名な神社だった。
「咲森神社……?」
咲森神社はいわゆる一の宮というやつで、お正月には県内やもしかしたら県外からも多くの参拝客が訪れる大きな神社だった。山坂の多いこの地域で最も高い咲森山の中腹にあり、小学生の時に遠足で登ったこともある。それだけ馴染み深い場所だった。
「咲森神社、ですよね……? でも、なんか、変な感じがしませんか?」
そんごの言葉に魔追も頷いた。夢の中に出てくるものというのは、多分に本人のイメージなんかが付加されている。だから、どうしても他人の見ているものや考えているものとの間に食い違いが発生するのだが、今回はそれだけではないような気がした。
追夢を見ると、追夢はすぐさま精査を開始し、ふわりと髪が風に煽られたかのようなその一瞬で全てを終えていた。
「なるほど」
「ど、どうでしたかっ!?」
そんごがごくりと息をのむと、追夢はただ黙って右手の人差し指を立てた。そして何故か、授与所や拝殿、何の変哲もない広い境内の端っこや参道の脇に次々と指先を向け始める。ぽかんとするそんごを見下ろしてようやく発したのは、問題、という言葉だった。
「今指さしたところにはあるものがない。なんだ」
「え、ええっ! ま、待ってください、今のもう一回!」
「ごーさーんいーちぜーろ」
「はやっ!? もう一回って言ったのに! ていうか、四と二を飛ばしましたよね!?」
「まともに五秒もやったところで答えられないだろ」
「それはそうですけどぉぉ!」
「で。魔追は?」
振られて、魔追は追夢の指さした場所をもう一度見た。授与所にはお守りなどが並べられ、和紙に値段が書かれているようだ。拝殿には立派な賽銭箱がどっしりと据えられている。境内の端には背の低い樹木が植えられていて、確か春になると小さくてかわいい花をいっぱいつけるのだった。名前はなんといっただろうか。説明の書かれた看板がどこかにあったような気がして、
「あ」
魔追はぽんと手を打った。
「分かった。後から取り付けたものだ」
「ご名答」
「後から……? あっ! そういえば、なんか金属の、ポール? が立ってましたよね! お守りのところとか、お賽銭のところとか!」
おそらく、混雑時に人の波が止まらないようにするために作られたものなのだろう。他にも階段の手すりだとか、明らかに現代に取り付けられたものばかりがなくなっていた。よく見てみると、和紙に書かれた値段も適当なものになっている。一つ五百両もするお守りなんて、いったいどんなご利益があるというのか。
家内安全のお守りを追夢が摘まみ、興味なさそうにぽいと放り出した。
「今回のモチーフは、浦島太郎」
「浦島、ですか?」
「日本の昔話系か。久し振りだな」
最近はメルヘンチックな感じの夢が多かったので、魔追は少しだけ嬉しくなった。似たようなお城だとか森だとかが続いて、さすがに飽き飽きしていたのだった。しかも、某ネズミの国のせいで余計にそっくり。
「ほえ~。浦島なんていうのもあるんですね!」
「あれ? そんご、初めて?」
「はい。一寸法師とか桃太郎とかかぐや姫はやりましたよ。それで、浦島太郎はどんなストレスが多いんですか?」
個人差はあるが、ストレスによって現れるモチーフというのには共通性があった。例えば、一寸法師であれば伸び悩み、桃太郎なら大きな試練への不安、親不孝などといったものが挙げられる。もちろん、一つのモチーフに考えられるストレスは複数あるし、同じようにあるストレスに対して表れやすいモチーフというのもいろいろだった。
「浦島は別れに関するストレスが多い。今回もそのパターン」
追夢が代わりに答え、そのまま精査の結果を報告する。
「別れの中でも特に不安が原因みたい。――おい、魔追。なにしたんだ。今回、花まで発展したのはお前のせいみたいなんだけど」
「えっ!? まじで!?」
「心当たりがないなら、よく考えとけ。どうせ、まだ花粉は始まってないし。対話のところだけお前がやれば?」
提案めかしているが、追夢がわざわざそう言うということはそれが最適ということなのだろう。本当はそんごにやらせたかったが、浦島太郎は初めてらしいし、まあいいかと魔追は頷いた。
それに、全く心当たりがないわけでもなかった。
「分かった。で、どうして咲森神社が出てくるんだ? ここって、どっちかって言うと内陸だろ? そりゃ、夢に距離なんてあってないようなものだけど、ここと海が結びつくとは思えない」
「そうだな。確かに、咲森と海は関係ない。ただ、一番よく知っているから出てきただけだと思う」
「知ってる?」
「うん」
魔追とそんごが首を傾げた時、追夢が何かしたのか、微かな声が耳に届いた。はっとして黙り込み、それに耳を澄ます。よく知っている声だ。小さい女の子の可愛らしくて幼い声。歌声。しかし、なぜかいつもとメロディーが違っていた。
「これって……」
「一の宮なら、なんでもよかったというわけ」
その歌は、誰もが知っているわらべ歌だった。
一番始めは一の宮
二は日光の東照宮
三は佐倉の宗五様
四はまた信濃の善光寺
五つは出雲の大社
六つ村々鎮守様
七つは成田の不動様
八つは八幡の八幡宮
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十は東京泉岳寺
「アリス……」
まだ見えぬ敵は、だが、ほくそ笑んだような気がした。
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