87 / 108
第三章 転生編
黒龍VSアース達②
しおりを挟む
「タイヨウはそこで待ってろ」
首をコキコキと鳴らして身体強化を発動。黒龍の真下に滑り込み、その場で大地を蹴って顎めがけて蹴りをお見舞いした。
突然の蹴りによって開いた口を強制的に閉じられた黒龍は、今まさにブレスを放とうとした勢いを殺せず、口内で炎が爆発する。
ボゴオォォン!!
黒龍は自身の口から大量の血液を吐き出した。その血液は溶岩のようで、大地からは白い煙が立ち上る。
一目で気分が悪くなるが、ここは一応戦場だ。殺しはしないが加減の実験台にはなってもらおう。そう思った時、黒龍が闇をその身にまとった。
「離れろっ」
ルシオンとトルテも異常を察して、黒龍から距離を取る。だが、黒龍と近い位置でアース達の動きがピタリと止まる。
そんな中、まるで自身には意味がないかのように、黒龍だけが動きを止めずにいた。
細かな動きで翻弄するならば、動きを止めてしまえば良い。誰もがそう思い、死を覚悟した瞬間ーーアースの声が響いた。
「【ホーリー・オクタ・カノン】!」
八つの光り輝くビームが黒龍の全身に直撃する。黒龍はアースの攻撃を予想出来なかった。それもそうだろう、黒龍以外が停止した中で、動けるとは思っていなかったのだから。
確実に盗人達を倒せると判断しての奥の手が破られたのだ。黒龍の精神的ダメージは計り知れない。もちろん、光属性による肉体的ダメージも受けている。
これで落ち着いてくれ、というアースの思いは叶うことなく黒龍はギロリとこちらを睨む。
黒龍からの怒りと憎しみの視線がアースを包む。
その深さにさすがのアースも怯んでしまった。
「ガアァァ!」
ギラリと禍々しく光る自分と同じ大きさの爪が、アースの身を傷つけた。
初めて受けた攻撃は、胸から脇腹までパックリと開き血が吹き出す。自身に慌てて「【ホーリー・メガ・ヒール】」を唱えることで傷を癒したが、胸が早鐘を打つ。
これまで重症を負わなかったこともあり、アースに衝撃が走ったのだ。それは、ルシオンやトルテも同じで、驚愕を顔に貼り付けていた。
その一瞬が隙となり、ルシオンとトルテの二人は黒龍の別々の手によって、大地に叩きつけられる。
大地を二回程跳ねてようやく止まる。だが彼らの身体は瀕死状態に近く、アースはすぐさま回復に専念した。
圧倒的な攻撃力、気力、耐久力に、二人の冒険者が瀕死状態に追いやられるのを間近で目にしたタイヨウは、震える足を叩き自身を鼓舞して黒龍の前に立ちはだかった。
黒龍からすればドーム状の守りの中にいた小さき者。払うだけでその命を散らすことが出来る程、弱々しい存在。
その小さき者が今、黒龍の前に立ちはだかり、守られる存在から守ろうとする存在へとランクアップした。
黒龍は笑みを浮かべて思った。
面白い。
黒龍が落ち着きを取り戻しつつある光景に、火の大精霊タイキは目を輝かせた。あれ程、怒り狂っていた黒龍の戦意が消えかかっている。
『今しかない!』
タイキは、タイヨウと黒龍の前に姿を現した。
首をコキコキと鳴らして身体強化を発動。黒龍の真下に滑り込み、その場で大地を蹴って顎めがけて蹴りをお見舞いした。
突然の蹴りによって開いた口を強制的に閉じられた黒龍は、今まさにブレスを放とうとした勢いを殺せず、口内で炎が爆発する。
ボゴオォォン!!
黒龍は自身の口から大量の血液を吐き出した。その血液は溶岩のようで、大地からは白い煙が立ち上る。
一目で気分が悪くなるが、ここは一応戦場だ。殺しはしないが加減の実験台にはなってもらおう。そう思った時、黒龍が闇をその身にまとった。
「離れろっ」
ルシオンとトルテも異常を察して、黒龍から距離を取る。だが、黒龍と近い位置でアース達の動きがピタリと止まる。
そんな中、まるで自身には意味がないかのように、黒龍だけが動きを止めずにいた。
細かな動きで翻弄するならば、動きを止めてしまえば良い。誰もがそう思い、死を覚悟した瞬間ーーアースの声が響いた。
「【ホーリー・オクタ・カノン】!」
八つの光り輝くビームが黒龍の全身に直撃する。黒龍はアースの攻撃を予想出来なかった。それもそうだろう、黒龍以外が停止した中で、動けるとは思っていなかったのだから。
確実に盗人達を倒せると判断しての奥の手が破られたのだ。黒龍の精神的ダメージは計り知れない。もちろん、光属性による肉体的ダメージも受けている。
これで落ち着いてくれ、というアースの思いは叶うことなく黒龍はギロリとこちらを睨む。
黒龍からの怒りと憎しみの視線がアースを包む。
その深さにさすがのアースも怯んでしまった。
「ガアァァ!」
ギラリと禍々しく光る自分と同じ大きさの爪が、アースの身を傷つけた。
初めて受けた攻撃は、胸から脇腹までパックリと開き血が吹き出す。自身に慌てて「【ホーリー・メガ・ヒール】」を唱えることで傷を癒したが、胸が早鐘を打つ。
これまで重症を負わなかったこともあり、アースに衝撃が走ったのだ。それは、ルシオンやトルテも同じで、驚愕を顔に貼り付けていた。
その一瞬が隙となり、ルシオンとトルテの二人は黒龍の別々の手によって、大地に叩きつけられる。
大地を二回程跳ねてようやく止まる。だが彼らの身体は瀕死状態に近く、アースはすぐさま回復に専念した。
圧倒的な攻撃力、気力、耐久力に、二人の冒険者が瀕死状態に追いやられるのを間近で目にしたタイヨウは、震える足を叩き自身を鼓舞して黒龍の前に立ちはだかった。
黒龍からすればドーム状の守りの中にいた小さき者。払うだけでその命を散らすことが出来る程、弱々しい存在。
その小さき者が今、黒龍の前に立ちはだかり、守られる存在から守ろうとする存在へとランクアップした。
黒龍は笑みを浮かべて思った。
面白い。
黒龍が落ち着きを取り戻しつつある光景に、火の大精霊タイキは目を輝かせた。あれ程、怒り狂っていた黒龍の戦意が消えかかっている。
『今しかない!』
タイキは、タイヨウと黒龍の前に姿を現した。
0
あなたにおすすめの小説
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
R・P・G ~転生して不死にされた俺は、最強の英雄たちと滅ぼすはずだった異世界を統治する~
イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の取材中、異世界の大地の女神と接触する。
半ば強制的に異世界へと転生させられた彼は、惑星そのものと同化し、“星骸の主”として不死の存在へと変貌した。
だが女神から与えられた使命は、この世界の生命を滅ぼし、星を「リセット」すること。凛人はその命令を、拒否する。
彼は、大地の女神により創造された星骸と呼ばれる伝説の六英雄の一人を従者とし、世界を知るため、そして残りの星骸を探すため旅に出る。
しかし一つ選択を誤れば世界が滅びる危うい存在……
女神の使命を「絶対拒否」する不死者と、裏ボス級の従者たち。
これは、世界を滅ぼさず、統治することを選んだ男の英雄譚である。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
辺境で静かに暮らしていた俺、実は竜王の末裔だったらしく気づけば国ができていた
平木明日香
ファンタジー
はるか五億四千万年前、この星は六柱の竜王によって治められていた。火・水・風・土・闇・光――それぞれの力が均衡を保ち、世界は一つの大きな生命のように静かに巡っていた。だが星の異変をきっかけに竜の力は揺らぎ、その欠片は“魂”となって新たな生命に宿る。やがて誕生した人類は文明を築き、竜の力を利用し、ついには六大陸そのものを巨大な封印装置へと変えて竜王を眠りにつかせた。
それから幾千年。
現代では六つの大国がそれぞれ封印を管理し、かろうじて世界の均衡を保っている。しかし各地で異常な魔獣が出現し、封印の揺らぎが噂されはじめていた。
そんな世界を気ままに旅する青年がいる。名はブラック・ドラグニル。三年前からハンターとして魔獣を討伐し、その肉を味わいながら各地を渡り歩く放浪者だ。規格外の実力を持ちながら名誉や地位には興味がなく、ただ「世界のうまいものを食べ尽くす」ことを楽しみに生きている。
ある日、光の王国ルミナリア近郊で王女ユリアナが大型魔獣に襲われる事件が起きる。死を覚悟した騎士団の前に現れたブラックは、その怪物をわずか数十秒で討ち倒す。彼にとっては雑魚同然だったが、その圧倒的な強さは王国中に知れ渡る。王女は自由に生きる彼の姿に心を奪われるが、ブラックは次の目的地へ向かう計画を練るばかり。
だが彼自身はまだ知らない。
自らが竜族の末裔であり、世界を再び“統合”へ導く鍵となる存在であることを。
竜の封印が揺らぐとき、自由を愛する青年は世界の命運を左右する選択を迫られる。
これは、竜の記憶と人の魂が交錯する壮大なファンタジー叙事譚である。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜
ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」
「街の井戸も空っぽです!」
無能な王太子による身勝手な婚約破棄。
そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを!
ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。
追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!?
優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。
一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。
「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——!
今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける!
※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる