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第十話 食事と宿
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「いやー、思いの外早く終わりましたね」
「だから言ったでしょう?大丈夫だって」
「はは……そうですね……。それはそうと俺今日泊まるとこないんですけど……」
そう。今俺には宿がない。
なぜなら寮に入れるのが明日からだからだ。
金もないし、どうすればいいものか……
「それなら心配しなくていいわよ。宿代は私が出すから。ご飯も奢るし」
「ほ、本当ですか!ありがとうございます!」
……おい。今、初めからそのつもりだっただろって思ったやついるだろ。
そんなわけ……!……あります。実はめちゃくちゃ期待してました。ごめんなさい。
……それはさておき……これで今日の問題は解決した。
明日からヘイト学園の生徒になって寮生活が始まるから、今日さえ乗り切れば何の問題もない。
「じゃあ、まずはご飯にしましょうか。ここの店美味しいの」
「そうなんですか~……」
……ん?待て待て。よく考えろ葛城充。
あいつ……自称神って飯のことについてなにか言ってたっけ?
……何も言ってねえ!!
あれ!?じゃあどんな飯なのかわかんねえじゃん!!
……どうかうまい飯……せめて食べられる飯でありますように……
「おじさん!いつもの二つね!」
「はいよー!」
「あの……いつものって、なんて料理なんですか……?」
「え?ハンバーグよ?」
「ハ、ハンバーグ!?」
「そうだけど……あ!も、もしかして嫌いなの!?」
「いや、むしろ大好きですけど……」
「そうよね!良かった……ハンバーグ嫌いな人見たことないからビックリしたわ……」
……ハンバーグがこの世界に存在したなんて……
恐らく、いや間違いなく前の転生者が残した料理だろう。
ハンバーグが存在するということは、他にも前の世界の料理が存在しているはずだ。
……馴染みなる料理で良かった……本当に。
「はい!どうぞ!」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
運ばれてきたのは前の世界のファミレスのハンバーグと遜色ないものだった。
……え?そんなに美味そうに聞こえない?
だってしょうがないじゃん。
高いハンバーグとか食ったことねぇし、それが一番身近なハンバーグだったんだから。
「う~ん!美味しい!いつも通りの美味しさね!」
「いただきます……うわっ!ホントだ!美味い!」
美味しさもファミレス並だな!
……いや、褒めてるからね?
言っとくけどファミレスのハンバーグってめちゃくちゃ美味いからね?
俺じゃこんなの作れないからね?
……なんか悲しくなってきた……
「ごちそうさまでした」
「よし、宿に向かいましょうか」
「決めてあるんですか?」
「ええ。今日は私も宿だし同じ宿に泊まろうかと思ってるわ」
「え……ええ!?」
「?何を驚いてるの?あ、着いたわよ。部屋取ってくるからちょっと待ってて」
そ、それはもしかして……一緒の部屋でという事ですか!?
そんなの俺には刺激が強すぎ――
「二部屋開いてます?できれば近くの……」
「はい。ご用意できますよ」
……ですよね~。
分かってた、分かってたよ。
でもさ……少しは期待しちゃうじゃん?
こんな綺麗な人相手だったら期待しちゃうじゃん?
俺だって健全な男子高校生だもん。
この気持ちを理解してくれる人はこの世界にごまんといるはずだ!
……いるかな?どうだろう?いてほしいな。
……まぁ、この気持ちは一旦どこかにやって部屋の確認をしないと。
ぶっちゃけ寝れればどうでもいいが寝れる環境であって欲しい。
「お部屋、こちらの二部屋になります」
おー!普通に綺麗だ!
前の世界のビジネスホテルのような感じがする。
これならよく眠れそうだ。
「じゃあ、おやすみ。ミツル。明日の六時には起きておいてね。入学式の会場に案内するから」
「分かりました。おやすみなさい。アテナさん」
……六時、か……
正直に言うといつも起きている時間よりは少し早い時間だ。
つまり、いつも通りの時間に寝たら明日起きられないかもしれないということだ。
今日は明日に備えて早く寝ることにしよう。
……それにしても……入学手続き、本当にあれで大丈夫だったのだろうか……
無性に嫌な予感がするんだが……
「だから言ったでしょう?大丈夫だって」
「はは……そうですね……。それはそうと俺今日泊まるとこないんですけど……」
そう。今俺には宿がない。
なぜなら寮に入れるのが明日からだからだ。
金もないし、どうすればいいものか……
「それなら心配しなくていいわよ。宿代は私が出すから。ご飯も奢るし」
「ほ、本当ですか!ありがとうございます!」
……おい。今、初めからそのつもりだっただろって思ったやついるだろ。
そんなわけ……!……あります。実はめちゃくちゃ期待してました。ごめんなさい。
……それはさておき……これで今日の問題は解決した。
明日からヘイト学園の生徒になって寮生活が始まるから、今日さえ乗り切れば何の問題もない。
「じゃあ、まずはご飯にしましょうか。ここの店美味しいの」
「そうなんですか~……」
……ん?待て待て。よく考えろ葛城充。
あいつ……自称神って飯のことについてなにか言ってたっけ?
……何も言ってねえ!!
あれ!?じゃあどんな飯なのかわかんねえじゃん!!
……どうかうまい飯……せめて食べられる飯でありますように……
「おじさん!いつもの二つね!」
「はいよー!」
「あの……いつものって、なんて料理なんですか……?」
「え?ハンバーグよ?」
「ハ、ハンバーグ!?」
「そうだけど……あ!も、もしかして嫌いなの!?」
「いや、むしろ大好きですけど……」
「そうよね!良かった……ハンバーグ嫌いな人見たことないからビックリしたわ……」
……ハンバーグがこの世界に存在したなんて……
恐らく、いや間違いなく前の転生者が残した料理だろう。
ハンバーグが存在するということは、他にも前の世界の料理が存在しているはずだ。
……馴染みなる料理で良かった……本当に。
「はい!どうぞ!」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
運ばれてきたのは前の世界のファミレスのハンバーグと遜色ないものだった。
……え?そんなに美味そうに聞こえない?
だってしょうがないじゃん。
高いハンバーグとか食ったことねぇし、それが一番身近なハンバーグだったんだから。
「う~ん!美味しい!いつも通りの美味しさね!」
「いただきます……うわっ!ホントだ!美味い!」
美味しさもファミレス並だな!
……いや、褒めてるからね?
言っとくけどファミレスのハンバーグってめちゃくちゃ美味いからね?
俺じゃこんなの作れないからね?
……なんか悲しくなってきた……
「ごちそうさまでした」
「よし、宿に向かいましょうか」
「決めてあるんですか?」
「ええ。今日は私も宿だし同じ宿に泊まろうかと思ってるわ」
「え……ええ!?」
「?何を驚いてるの?あ、着いたわよ。部屋取ってくるからちょっと待ってて」
そ、それはもしかして……一緒の部屋でという事ですか!?
そんなの俺には刺激が強すぎ――
「二部屋開いてます?できれば近くの……」
「はい。ご用意できますよ」
……ですよね~。
分かってた、分かってたよ。
でもさ……少しは期待しちゃうじゃん?
こんな綺麗な人相手だったら期待しちゃうじゃん?
俺だって健全な男子高校生だもん。
この気持ちを理解してくれる人はこの世界にごまんといるはずだ!
……いるかな?どうだろう?いてほしいな。
……まぁ、この気持ちは一旦どこかにやって部屋の確認をしないと。
ぶっちゃけ寝れればどうでもいいが寝れる環境であって欲しい。
「お部屋、こちらの二部屋になります」
おー!普通に綺麗だ!
前の世界のビジネスホテルのような感じがする。
これならよく眠れそうだ。
「じゃあ、おやすみ。ミツル。明日の六時には起きておいてね。入学式の会場に案内するから」
「分かりました。おやすみなさい。アテナさん」
……六時、か……
正直に言うといつも起きている時間よりは少し早い時間だ。
つまり、いつも通りの時間に寝たら明日起きられないかもしれないということだ。
今日は明日に備えて早く寝ることにしよう。
……それにしても……入学手続き、本当にあれで大丈夫だったのだろうか……
無性に嫌な予感がするんだが……
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