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第1章 迷子の子狐とたまごサンド
27.小さな新しい家族
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私は腕を組んで真剣に考えた。神様の事を言える程の名前が付けられるか、ちょっと不安になってきた。
(そもそも今日はパン屋さんに出掛けたんだよな……きんいろベーカリー、パン……「金色」が表しているのって……)
子狐の尻尾が揺れている。それを見ていた私は、ふと畑でゆらゆらと揺れる「それ」のイメージが浮かび、ぽんと手を打った。
『……こむぎ、こむぎってどうかな?』
こんがりパンの色をした尻尾をふわふわ揺らして、ふんわりした毛並みとほっぺをした子狐の名前。
『いいんじゃない? 可愛くて!』
『わしは、たまご丸が良いと……』
『却下!』
私とシュンは同時に叫ぶ。
『お父さん、お母さんが見つかるまでの間、よろしくね、こむぎ』
期間限定かもしれないけど、小さな新しい家族は、ほっぺにまだ卵のかけらを付けたまま、きょとんと此方を見上げていた。
(そもそも今日はパン屋さんに出掛けたんだよな……きんいろベーカリー、パン……「金色」が表しているのって……)
子狐の尻尾が揺れている。それを見ていた私は、ふと畑でゆらゆらと揺れる「それ」のイメージが浮かび、ぽんと手を打った。
『……こむぎ、こむぎってどうかな?』
こんがりパンの色をした尻尾をふわふわ揺らして、ふんわりした毛並みとほっぺをした子狐の名前。
『いいんじゃない? 可愛くて!』
『わしは、たまご丸が良いと……』
『却下!』
私とシュンは同時に叫ぶ。
『お父さん、お母さんが見つかるまでの間、よろしくね、こむぎ』
期間限定かもしれないけど、小さな新しい家族は、ほっぺにまだ卵のかけらを付けたまま、きょとんと此方を見上げていた。
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