2 / 38
第一章:そして彼女は賢者と出逢う
落ちこぼれのお嬢様
しおりを挟む
ヴァルプルギス家は王家に連なり、代々優秀な魔法士を多く輩出する家系として有名です。
けれどわたしは十二歳になる今でも魔法が使えたことがありません。
ひたすらに学んでも、過去を紐解き秘伝とされる手法を用いても。
ただの一度もわたしの思いに魔法が答えてくれたことはありませんでした。
「――ティアナさん、聞いていますか?」
「はい。つまり自主的に退学しろということですね?」
呼び出され、長々と聞かされた話をまとめるとそうなってしまう。
泣き出したいほどの現状に呆然とする間もなく、現実がわたしを押しつぶしに掛かっていました。
「そうは言っていません。今一度、進退を考え直しては、との助言ですよ。
現にあなたの成績は目を見張るものです。さすがはヴァルプルギス家と言ったところでしょうか」
立場的に強く言えない王立のガーディエル魔法学園長は、はぐらかすようにわたしに言い聞かせに来ます。
あくまでも自主的なのは、ヴァルプルギス家を恐れてのこと……結局ティアナに向けた言葉は一つももらえません。
「この学園の評価は全てあなたの実現できない結果……魔法に著しく偏っています。
どんなに優秀でも、魔力のない貴女を評価する物差しがない。むしろ貴女の才をこんなところで無駄にしている場合ではないのです」
「……ですが」
「えぇ、基礎理論、構築式の整然さ、運動能力と何一つ申し分ありませんよ。
しかし唯一欠けている『魔力』こそが、この学園に在籍する限り貴女の足を引っ張り、少なくとも現時点では進級もままなりません」
わたしはここで魔法を学びたいのに反論も許されない。
ただ時間の無駄だと切り捨てられたわたしは「そう、ですよね……」と思ってもいない同意を口にしてしまう。
あぁ、なんて意思が弱いのだろうと自己嫌悪していると、学長は「期間はまだあります」と話を終わらせに入っていく。
「あなた自身の進路を今一度考えてみてください」
「はい……ありがとうございます」
ぼんやりとしたまま頭を下げ、学長室から廊下に出る。
このガーディエル魔法学園に入って二年も経たずに学長直々に退学を進められてしまった。
どうしよう……これじゃ今までのように誰にも認められないまま……思わず涙がこぼれそうになる。
いや、やることは決まっている。
ただ魔法を使えさえすればいいんだ。
どんな小さな可能性でも、とっかかりさえあればきっと何とかなる! いや、する!
わたしは縋るような思いでこぶしを握り締め、決意を新たに行動を始めました。
・
・
・
魔法とは、世界に満ちる魔力を使って世界を書き換える技術の総称です。
この技術を扱う者を『魔法士』と呼び、なるためには魔法学園と呼ばれる専門機関への参加が不可欠になります。
例外として魔法士に直接教えを乞う場合もありますが……どちらにせよ独学での習得は非常に難しいと言われています。
わたしは飛び切り優秀な魔法士が生まれやすい家系にありながら、その魔力量は測定不能。
そして成長によって魔力が増すはずが、わたしは今も変わらず測定不能のまま。
代を重ねるほどに力が増すはずの魔法士において、わたしはまさに失敗作の烙印を押されてしまいました。
これはヴァルプルギス家が『魔法士の代名詞』と扱われるようになってから初めてのことのようです。
魔法を扱うことなどできるはずもなく、練習しようにも発動すらしなくては上手くなれるはずもありません。
結果、ヴァルプルギス家を名乗ることを許されず、社交界に顔を出すこともなく学園に入学して今に至ります。
学園長から直々に退学を勧められたわたしが取れる手段は多くありません。
いえ、ただ一度でも目の前で魔法を見せれば事足りるのですが、それが果てしなく難しいことでもあります。
そうしてあれこれ考えた結果、道具と行動によって事象を書き換える呪法にたどり着きました。
しかし今必要なのはあくまでも魔法です。
だから一般的な儀式魔法の一端に呪法の要素を取り入れることにしました。
使い捨てられる借家をヴァルプルギス家から仕送りで借り、学園へ出る間も惜しんで呪法と魔法を調べ尽します。
今まで魔法にばかり固執していたので知りませんでしたが、呪法も魔法も身に余る結果を得るのには『魔力』が必要なのは変わらないということ。
ただ魔力の抽出方法や導線の引き方、継続性や効果内容が技術によって異なるそうです。
日に日に増える情報を元に、呪法を魔法に置き換えて重ね合わせていきました。
こういうことをしていると『魔法研究もいいかもしれない』 と思ってしまいますね。
「やっと、できた――」
達成感に頭がくらくらと揺れてしまいます。
七日間ほど引きこもっていたために、周りから随分な噂が聞こえてきますが仕方ありません。
時間を費やすにしては少し思い切りが良すぎたかもしれません。
でも散らばる要素を繋ぎ合わせるにはこれくらいしないと無理ですよね。
それと時間もお金も限られていますから、多くの材料は周囲で手に入るものを量や混合で代用しています。
たとえば『金縁の鶏の卵』は『魔鋼の上澄』と『海馬の胆嚢』で代用できます。
『海馬の胆嚢』は『魔女の涙』と『醜悪な爪』で、『醜悪な爪』はすぐに手に入ります。
『魔鋼の上澄み』は『核鉄の煮汁』という面倒ながら安価な代用品をあてがい、『魔女の涙』は『ゴーレムの核』と『スライムの核』を掛け合わせて代用品が作れます。
全て完成品を手に入れられば最高ですが、さすがに学生の身分では手が届きません。
結局、こうして連想と組み合わせで手に入る材料になるまで調べ尽すのが大変でした。
けれどやってしまえば補充も簡単なので、失敗はどんとこいです。
一度試してみてから微調整を繰り返せばいつかは……いやいや、それでも難易度の高い古代竜の髭なんかは代用品がありませんでした。
この高級素材が尽きるまでに何とか成功させなくては。
というより次の試験までが最終期限ですよね。
そういえばこの七日間で学長が何度か訪ねて来られましたね。
忙しかったので適当にあしらってしまったような気がしますが……なんの話だったのでしょうか。
そんなことよりも。
「詠唱は『異界の門よ――万物の障害を越えて顕現せよ』だけで本当に良いんでしょうか?」
練習がてら詠唱を諳んじてみましたがやっぱり短い。
この部屋を作るための材料や資料は膨大でしたのに、なんだか拍子抜けしてしまう詠唱です。
これで魔法が使えれば疲れも吹き飛ぶというものです。
目を瞑ってうんうん頷いて完成を噛み締めていると、なんだか身体が温かく感じ始めました。
「高揚しているのかしら?」
思わず口にした言葉ですが、単純に寝不足でしょうかね。
この七日間、まさに寝る間も惜しんで調査と作業に没頭しすぎていましたし。
「体調不良で失敗してもつまらないですね」
そうと決まれば食事も用意しなくては。
自覚していたのは眠気でしたが、今日一日作業の追い込みで何も口にしていません。
ですが用意するのも、食事を取りに寮に戻るのももどかしいので外で食べるとしましょう。
「えぇ、魔法成功の前祝というものです!」
ご機嫌なわたしは一つ頷き、部屋を後にします。
さあて、何を食べましょうか?
けれどわたしは十二歳になる今でも魔法が使えたことがありません。
ひたすらに学んでも、過去を紐解き秘伝とされる手法を用いても。
ただの一度もわたしの思いに魔法が答えてくれたことはありませんでした。
「――ティアナさん、聞いていますか?」
「はい。つまり自主的に退学しろということですね?」
呼び出され、長々と聞かされた話をまとめるとそうなってしまう。
泣き出したいほどの現状に呆然とする間もなく、現実がわたしを押しつぶしに掛かっていました。
「そうは言っていません。今一度、進退を考え直しては、との助言ですよ。
現にあなたの成績は目を見張るものです。さすがはヴァルプルギス家と言ったところでしょうか」
立場的に強く言えない王立のガーディエル魔法学園長は、はぐらかすようにわたしに言い聞かせに来ます。
あくまでも自主的なのは、ヴァルプルギス家を恐れてのこと……結局ティアナに向けた言葉は一つももらえません。
「この学園の評価は全てあなたの実現できない結果……魔法に著しく偏っています。
どんなに優秀でも、魔力のない貴女を評価する物差しがない。むしろ貴女の才をこんなところで無駄にしている場合ではないのです」
「……ですが」
「えぇ、基礎理論、構築式の整然さ、運動能力と何一つ申し分ありませんよ。
しかし唯一欠けている『魔力』こそが、この学園に在籍する限り貴女の足を引っ張り、少なくとも現時点では進級もままなりません」
わたしはここで魔法を学びたいのに反論も許されない。
ただ時間の無駄だと切り捨てられたわたしは「そう、ですよね……」と思ってもいない同意を口にしてしまう。
あぁ、なんて意思が弱いのだろうと自己嫌悪していると、学長は「期間はまだあります」と話を終わらせに入っていく。
「あなた自身の進路を今一度考えてみてください」
「はい……ありがとうございます」
ぼんやりとしたまま頭を下げ、学長室から廊下に出る。
このガーディエル魔法学園に入って二年も経たずに学長直々に退学を進められてしまった。
どうしよう……これじゃ今までのように誰にも認められないまま……思わず涙がこぼれそうになる。
いや、やることは決まっている。
ただ魔法を使えさえすればいいんだ。
どんな小さな可能性でも、とっかかりさえあればきっと何とかなる! いや、する!
わたしは縋るような思いでこぶしを握り締め、決意を新たに行動を始めました。
・
・
・
魔法とは、世界に満ちる魔力を使って世界を書き換える技術の総称です。
この技術を扱う者を『魔法士』と呼び、なるためには魔法学園と呼ばれる専門機関への参加が不可欠になります。
例外として魔法士に直接教えを乞う場合もありますが……どちらにせよ独学での習得は非常に難しいと言われています。
わたしは飛び切り優秀な魔法士が生まれやすい家系にありながら、その魔力量は測定不能。
そして成長によって魔力が増すはずが、わたしは今も変わらず測定不能のまま。
代を重ねるほどに力が増すはずの魔法士において、わたしはまさに失敗作の烙印を押されてしまいました。
これはヴァルプルギス家が『魔法士の代名詞』と扱われるようになってから初めてのことのようです。
魔法を扱うことなどできるはずもなく、練習しようにも発動すらしなくては上手くなれるはずもありません。
結果、ヴァルプルギス家を名乗ることを許されず、社交界に顔を出すこともなく学園に入学して今に至ります。
学園長から直々に退学を勧められたわたしが取れる手段は多くありません。
いえ、ただ一度でも目の前で魔法を見せれば事足りるのですが、それが果てしなく難しいことでもあります。
そうしてあれこれ考えた結果、道具と行動によって事象を書き換える呪法にたどり着きました。
しかし今必要なのはあくまでも魔法です。
だから一般的な儀式魔法の一端に呪法の要素を取り入れることにしました。
使い捨てられる借家をヴァルプルギス家から仕送りで借り、学園へ出る間も惜しんで呪法と魔法を調べ尽します。
今まで魔法にばかり固執していたので知りませんでしたが、呪法も魔法も身に余る結果を得るのには『魔力』が必要なのは変わらないということ。
ただ魔力の抽出方法や導線の引き方、継続性や効果内容が技術によって異なるそうです。
日に日に増える情報を元に、呪法を魔法に置き換えて重ね合わせていきました。
こういうことをしていると『魔法研究もいいかもしれない』 と思ってしまいますね。
「やっと、できた――」
達成感に頭がくらくらと揺れてしまいます。
七日間ほど引きこもっていたために、周りから随分な噂が聞こえてきますが仕方ありません。
時間を費やすにしては少し思い切りが良すぎたかもしれません。
でも散らばる要素を繋ぎ合わせるにはこれくらいしないと無理ですよね。
それと時間もお金も限られていますから、多くの材料は周囲で手に入るものを量や混合で代用しています。
たとえば『金縁の鶏の卵』は『魔鋼の上澄』と『海馬の胆嚢』で代用できます。
『海馬の胆嚢』は『魔女の涙』と『醜悪な爪』で、『醜悪な爪』はすぐに手に入ります。
『魔鋼の上澄み』は『核鉄の煮汁』という面倒ながら安価な代用品をあてがい、『魔女の涙』は『ゴーレムの核』と『スライムの核』を掛け合わせて代用品が作れます。
全て完成品を手に入れられば最高ですが、さすがに学生の身分では手が届きません。
結局、こうして連想と組み合わせで手に入る材料になるまで調べ尽すのが大変でした。
けれどやってしまえば補充も簡単なので、失敗はどんとこいです。
一度試してみてから微調整を繰り返せばいつかは……いやいや、それでも難易度の高い古代竜の髭なんかは代用品がありませんでした。
この高級素材が尽きるまでに何とか成功させなくては。
というより次の試験までが最終期限ですよね。
そういえばこの七日間で学長が何度か訪ねて来られましたね。
忙しかったので適当にあしらってしまったような気がしますが……なんの話だったのでしょうか。
そんなことよりも。
「詠唱は『異界の門よ――万物の障害を越えて顕現せよ』だけで本当に良いんでしょうか?」
練習がてら詠唱を諳んじてみましたがやっぱり短い。
この部屋を作るための材料や資料は膨大でしたのに、なんだか拍子抜けしてしまう詠唱です。
これで魔法が使えれば疲れも吹き飛ぶというものです。
目を瞑ってうんうん頷いて完成を噛み締めていると、なんだか身体が温かく感じ始めました。
「高揚しているのかしら?」
思わず口にした言葉ですが、単純に寝不足でしょうかね。
この七日間、まさに寝る間も惜しんで調査と作業に没頭しすぎていましたし。
「体調不良で失敗してもつまらないですね」
そうと決まれば食事も用意しなくては。
自覚していたのは眠気でしたが、今日一日作業の追い込みで何も口にしていません。
ですが用意するのも、食事を取りに寮に戻るのももどかしいので外で食べるとしましょう。
「えぇ、魔法成功の前祝というものです!」
ご機嫌なわたしは一つ頷き、部屋を後にします。
さあて、何を食べましょうか?
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる