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しおりを挟む河田くんが僕の体が持ち上がりそうなほどの力で胸ぐらをつかみ上げるため、首が閉まって声がでなくなる。
河田くんが僕の胸ぐらを突然離したため、体バランスが取れず、床に勢いよく尻餅をついた。
あまりの痛みに悶えていると、河田くんは間髪入れずに僕の上に跨ってくるため、身動きが取れない。
「こんなことされてムカつく?
俺のこと嫌いになった?」
河田くんは僕の髪の毛を鷲掴みにして、無理やり上を向かせる。
「痛いっ」
そういうと、髪の毛から手が離された。
さっきまで険しかった河田くんの表情はなぜか切なそうに見える。
河田くんは僕に顔を近づけてくる。また何かされるのではないかと、怯えで瞼を固く閉じる。
「質問に答えてくださいよ」
また、何かしらの痛みが襲ってくるのではないかと考えて、目を開けると、河田くんは僕に跨ったままの状態で正面から見つめてくる。
「答えろよ」
混乱からか段々とこの状況に対して、何でただ恋しているというだけでここまでの扱いを受けないといけないのかという感情が湧いてくる。
河田くんはファンクラブの子に一人一人こんなふうに対応してるのか。僕だってファンクラブの1人みたいなもんなんだから、気持ち悪いと思いながらもほっといてくれればいいのに。
それとも僕が男だからか。
河田くんの強い視線に負けじと、僕も見つめ返すと目を丸くした。
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