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第35話 魔剣アーモンズ・エンジェル
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仮面をとった女の顔、それは幼少のころからライバル関係にあったデボラ・テゥーレット侯爵令嬢だった。デボラは妖精エーベルを飲み込み満足そうにしている。
妖精エーベルを捕らえていた、そこから連想できることは……。
まさか、デボラも敵対者だったの?
「デボラどうしたのよ? 貴方デボラでしょう」
「知り合いだったのか、安心しろ。姿を盗んだだけだ。まあ、ついでに食ってしまったが」
「え!」
「成り代わりだよ。陰から侵略するには最適だ」
デボラはもうどこにもいないのだ。この敵対者に捕食されて。
なんでデボラだったのだろう。
ビエレッテが私を見て対応を促してきて、スキリアは魔人化を警戒している。
「よし、魔人化は完了だ。陰に潜むもの従魔ヴイヨ! 我に力を貸せ!!」
デボラの陰から岩山のような魔物が現れる。黒くて陸ガメのような姿、口はワニのように裂けている。
従魔ヴイヨの背中にデボラは飛び乗り、私を見下げて魔法を唱えだす。
「召喚術、深き地底より這い上がれ! 地獄の番犬ども!!」
枯葉から黒い双頭の魔犬が無数に湧き出して具現化する。
どうしよう。
ええい、なるようになれ!
「ビエレッテは黒ガメを相手して、スキリアとエリシャで魔犬を対処、他は自衛で!」
私は剣を抜く、メトリックにもらった剣だ。
練習しているがまだ振り回される。でも、デメリットを覆せるほど攻撃力は上がったはずだ。
デボラはカメの上で動かず、攻撃は魔犬と黒ガメに任せている。
おそらく、デボラが一番強い。
エリシャは私から離れないように動きながら魔犬を剣で切り殺している。魔法は使っていない。
多くの魔犬はスキリアに群がり、私の周囲は乱戦状態になる。
ビエレッテは牽制するだけで時間稼ぎに徹している。倒せないと判断したのだろう。
私は魔犬を切りつけるが与えるダメージは少ない。
倒せないけど追い払えるから妥協している。
男子二人はもう既に傷だらけで、厳しい戦いになりそうだ。
どうにか魔犬をすべて討伐し終わった、その時にデボラが召喚魔法を唱えた。
「残念だね。御代わりをあげるよ。召喚術、出でよ地獄の番犬」
せっかく倒したのにまた湧き出てくる。デボラに召喚させないようにするには。
私はどうすればいいの。
「カーラ様、魔犬は全部倒さないで一匹残して!」
「なんで?」
「魔犬が全滅した段階で再召喚するから、根拠はないけど試したい」
オスカー君が提案する。確かに試す価値はある。
仮に違っても何も変わらない。
「スキリア、少数だけ魔犬を残してみて」
その言葉に呼応するようにデボラが地面に降り立った。カメはビエレッテが連れ歩いている。
スキリアは魔犬を数匹残したまま維持する。
「君達! 召喚制限によく気がついたね。でもね、残念だけど、こうすればいいのさ」
デボラは魔犬を帰還させ、再召喚した。
「姫様、沼を足元に作ります」
エリシャが私たちの近くに魔法の沼を設置した。魔犬は沼に半ば沈んでいる。
魔犬だけを狙いスキリアが沼だけ凍らせる。
「ちっ! 犬が拘束されたか。従魔ヴイヨ! 双子を蹴散らせ」
「スキリア! カメを狙うよ」
スキリアとエリシャがカメにターゲットを変え、火炎弾を吐きだすカメに魔法攻撃を試みている。
ビエレッテはターゲットを移し魔犬を蹴散らしては跳ね飛ばす。わざと止めを刺さない作戦のようだ。
私はというと、ただ魔犬を追い払うだけだ……。
デボラの気を逸らすにはどうすれば?
それにしても、カメは頑丈過ぎて倒せそうな感じがしない。
魔犬は数が減らないので再召喚しなくなった。ビエレッテを拘束できるのでデボラ的には上出来なのだろう。
何故デボラは攻撃しないのだろう。もしかして、魔人化してすぐは何か制限があるとか。
もし、身体能力が嵩上げされてないとすれば私と互角かもしれない。
頭ではわかっていても恐怖が湧き出し、心に溢れ出しそうだ。
でも戦わないと二度と剣を握れない気がする。
迷っているときじゃない。私は戦うんだ!
私は剣を強く握る。
決心がついた、私はなんとしてでもデボラを挑発する。
「デボラ! 魔人なのに陰から見ているだけなの。小心者なんだから!」
「は?」
「今度は魔犬と一緒に遠吠えかしら。貴方は魔人じゃなくて負け犬ね。あら、逃げるの貴方。魔人はどこ行ったのかしら。自称魔人なのかしら」
「うるさいな! あんたから倒してやる」
「あらあら、ご自分では手が出せず、従魔や召喚獣にやらせるのね。魔人の名が泣くわ。臆病ね!」
「臆病だと!」
やっと釣れたよ。
カメはすぐに倒せそうにないし、犬は現状維持。さて戦ってみましょう。
「カーラ様、無茶だよ!」
「いざとなったら、助けて。私の獣騎士!」
「はは、私もですか。しかたない!」
私は激高するデボラが素手で向かって来るのを迎え撃つ。武器がどこから出るかわからない。
警戒は怠らない。
デボラは手刀で私の利き腕を狙ってきた。私は軽くいなして薙ぎ払う。
回避するデボラの足に向けてフェイントを入れて距離をとる。よろめいたデボラの間合いに飛び込み剣を上段から振り下ろす。
受け身して後方に回転回避するデボラ。
デボラの攻撃は軽いし、脚力も大したことはない。
時間稼ぎは出来そうだ。
オスカー君とフレデリック様もデボラの隙をつき攻撃を仕掛ける。
魔人化の完了までどのくらい猶予があるのだろう。
今は出来ることを、それしかない。
カメはボロボロになってきているがまだ暫くかかりそうだ。
均衡状態になってきた、そう思って安心したときに変化が訪れる。デボラが急に距離をとりなにか念じはじめたのだ。
「魔法ゴファーツム 私は祈る! 私は祈る! この女を倒すため!! 魔法ゴファーツム!!!」
「デボラ……何よその強迫観念!」
デボラの手に黒い霧がまとわりついて伸びていく。
「愛おしい私の分身、魔剣アーモンズ・エンジェル!!」
デボラの手に握られているのは、
黒くて醜い魔剣。
妖精エーベルを捕らえていた、そこから連想できることは……。
まさか、デボラも敵対者だったの?
「デボラどうしたのよ? 貴方デボラでしょう」
「知り合いだったのか、安心しろ。姿を盗んだだけだ。まあ、ついでに食ってしまったが」
「え!」
「成り代わりだよ。陰から侵略するには最適だ」
デボラはもうどこにもいないのだ。この敵対者に捕食されて。
なんでデボラだったのだろう。
ビエレッテが私を見て対応を促してきて、スキリアは魔人化を警戒している。
「よし、魔人化は完了だ。陰に潜むもの従魔ヴイヨ! 我に力を貸せ!!」
デボラの陰から岩山のような魔物が現れる。黒くて陸ガメのような姿、口はワニのように裂けている。
従魔ヴイヨの背中にデボラは飛び乗り、私を見下げて魔法を唱えだす。
「召喚術、深き地底より這い上がれ! 地獄の番犬ども!!」
枯葉から黒い双頭の魔犬が無数に湧き出して具現化する。
どうしよう。
ええい、なるようになれ!
「ビエレッテは黒ガメを相手して、スキリアとエリシャで魔犬を対処、他は自衛で!」
私は剣を抜く、メトリックにもらった剣だ。
練習しているがまだ振り回される。でも、デメリットを覆せるほど攻撃力は上がったはずだ。
デボラはカメの上で動かず、攻撃は魔犬と黒ガメに任せている。
おそらく、デボラが一番強い。
エリシャは私から離れないように動きながら魔犬を剣で切り殺している。魔法は使っていない。
多くの魔犬はスキリアに群がり、私の周囲は乱戦状態になる。
ビエレッテは牽制するだけで時間稼ぎに徹している。倒せないと判断したのだろう。
私は魔犬を切りつけるが与えるダメージは少ない。
倒せないけど追い払えるから妥協している。
男子二人はもう既に傷だらけで、厳しい戦いになりそうだ。
どうにか魔犬をすべて討伐し終わった、その時にデボラが召喚魔法を唱えた。
「残念だね。御代わりをあげるよ。召喚術、出でよ地獄の番犬」
せっかく倒したのにまた湧き出てくる。デボラに召喚させないようにするには。
私はどうすればいいの。
「カーラ様、魔犬は全部倒さないで一匹残して!」
「なんで?」
「魔犬が全滅した段階で再召喚するから、根拠はないけど試したい」
オスカー君が提案する。確かに試す価値はある。
仮に違っても何も変わらない。
「スキリア、少数だけ魔犬を残してみて」
その言葉に呼応するようにデボラが地面に降り立った。カメはビエレッテが連れ歩いている。
スキリアは魔犬を数匹残したまま維持する。
「君達! 召喚制限によく気がついたね。でもね、残念だけど、こうすればいいのさ」
デボラは魔犬を帰還させ、再召喚した。
「姫様、沼を足元に作ります」
エリシャが私たちの近くに魔法の沼を設置した。魔犬は沼に半ば沈んでいる。
魔犬だけを狙いスキリアが沼だけ凍らせる。
「ちっ! 犬が拘束されたか。従魔ヴイヨ! 双子を蹴散らせ」
「スキリア! カメを狙うよ」
スキリアとエリシャがカメにターゲットを変え、火炎弾を吐きだすカメに魔法攻撃を試みている。
ビエレッテはターゲットを移し魔犬を蹴散らしては跳ね飛ばす。わざと止めを刺さない作戦のようだ。
私はというと、ただ魔犬を追い払うだけだ……。
デボラの気を逸らすにはどうすれば?
それにしても、カメは頑丈過ぎて倒せそうな感じがしない。
魔犬は数が減らないので再召喚しなくなった。ビエレッテを拘束できるのでデボラ的には上出来なのだろう。
何故デボラは攻撃しないのだろう。もしかして、魔人化してすぐは何か制限があるとか。
もし、身体能力が嵩上げされてないとすれば私と互角かもしれない。
頭ではわかっていても恐怖が湧き出し、心に溢れ出しそうだ。
でも戦わないと二度と剣を握れない気がする。
迷っているときじゃない。私は戦うんだ!
私は剣を強く握る。
決心がついた、私はなんとしてでもデボラを挑発する。
「デボラ! 魔人なのに陰から見ているだけなの。小心者なんだから!」
「は?」
「今度は魔犬と一緒に遠吠えかしら。貴方は魔人じゃなくて負け犬ね。あら、逃げるの貴方。魔人はどこ行ったのかしら。自称魔人なのかしら」
「うるさいな! あんたから倒してやる」
「あらあら、ご自分では手が出せず、従魔や召喚獣にやらせるのね。魔人の名が泣くわ。臆病ね!」
「臆病だと!」
やっと釣れたよ。
カメはすぐに倒せそうにないし、犬は現状維持。さて戦ってみましょう。
「カーラ様、無茶だよ!」
「いざとなったら、助けて。私の獣騎士!」
「はは、私もですか。しかたない!」
私は激高するデボラが素手で向かって来るのを迎え撃つ。武器がどこから出るかわからない。
警戒は怠らない。
デボラは手刀で私の利き腕を狙ってきた。私は軽くいなして薙ぎ払う。
回避するデボラの足に向けてフェイントを入れて距離をとる。よろめいたデボラの間合いに飛び込み剣を上段から振り下ろす。
受け身して後方に回転回避するデボラ。
デボラの攻撃は軽いし、脚力も大したことはない。
時間稼ぎは出来そうだ。
オスカー君とフレデリック様もデボラの隙をつき攻撃を仕掛ける。
魔人化の完了までどのくらい猶予があるのだろう。
今は出来ることを、それしかない。
カメはボロボロになってきているがまだ暫くかかりそうだ。
均衡状態になってきた、そう思って安心したときに変化が訪れる。デボラが急に距離をとりなにか念じはじめたのだ。
「魔法ゴファーツム 私は祈る! 私は祈る! この女を倒すため!! 魔法ゴファーツム!!!」
「デボラ……何よその強迫観念!」
デボラの手に黒い霧がまとわりついて伸びていく。
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デボラの手に握られているのは、
黒くて醜い魔剣。
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