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第14話 武器屋のドクさん
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エンビーさんの昔馴染みがいるという武器屋へやってきた。
店番をするのは3m以上は確実にあるオーガと呼ばれる人種のドクさんで、頭に立派な二本の角と牙が生えている筋肉隆々の大男だ。
彼もまた黒い首輪をつけている。エンビーさん曰くそれはベルモントさんの奴隷の証だそうだ。首輪をしている者は皆、過去に大罪を犯し、ベルモントさんに拉致られてこの島で奴隷として働かされているらしい。
ドクさんのそのはちきれんばかりの腕はエンビーさんの胴体より太い。
冗談で「たくさん生き血を吸ってそうな腕ですね」と言ったら、「生き血は口からしか吸えないだろ」と笑われた。
う~んどっちなんだろう…、反応に困るな…。
エンビーさんが上目遣いでドクさんに銃を見せると、お店の裏に併設されている広場へと案内された。そこには高さ3m以上大人の胴体程の太さがある丸太が、乱雑に地面に突き刺さっていた。戦場に一時的に作られる死者を弔う墓標群にも見えた。
「罪を悔い改める為に一本づつ差したのですか」と聞いたら、「それだと数が足らなすぎるな」とまた笑われた。
本当どっちなんだろう…、冗談に聞こえないんだけど。
とりあえず銃の威力を見せる為、僕は突き刺さっている一本の丸太に向けて射撃を開始する。銃弾によって表皮が弾けた丸太を見ていたドクさん。その表情は、横目で見てもかんばしくない。
「う~ん、威力がないな。爆発の反動で連射できるようにするって発想は面白いがな…」
「その様子だと銃自体は既にあったようだな」
「そういえばエンビーは第7世界の人間だったな。法銃ってのが他の世界にはあるだ。弾は魔力で出来た魔弾だがな」
二人の会話を盗み聞きしつつ、弾倉の球数を確認した。
必要な事とは言え僕の生命線である弾の残りがふと気になったからだ。
あと、いち、にい、さん、よん…。
あれ、おかしい。弾が一発も減ってない!なんでだ??
「俺がまだベルモントの奴隷になる前は金属玉の大砲が普通に使われたんだが、幾つもの産業を滅ぼした魔弾技術が確立してから、金属弾系は絶滅したな」
「物質が魔力との縄張り争いに負けることは世の常さ、仕方ないことだな」
「これはやっぱりお金にならないってこと?コピー品作っても」
ドクさんの足元から質問を投げかける。ドクさんはこちらをちらっと見てから近くにあった椅子に座っておもむろに葉巻を吸いだした。
「まずこれを欲しがる人間が少ないな。それに武器にしては火力が弱いし、弾の供給問題が付きまとうとなると、これが魔弾系を抑えて大量に売れるのは奇跡に近い。異世界の品って触れ込みで、模倣品プラスその他諸々の権利を、物好きにオークションで売るっていうなら話は別だが。次に開かれるのは3年後だ」
3年は無理だ。最終的にはそうなるかもしれないが、今は選択肢の中に入れられない。
ベルモントさんの口ぶりから、恐らく足切りのような期限ある状況では、僕は可能な限り早く先に進まなければならないから。
「それでエンビー。俺の推薦でオークションのカタログにこれを乗せて欲しいって話できたのか?まさか俺にコピー品を売りつけようって話なら、もちろん願い下げだ」
「どちらも違う。ドクにはをこの銃について知る権利を買って欲しい」
「知る権利だと?元となったのが異世界の製品だって言ったって、とどのつまり火薬の爆発で金属弾飛ばすだけだろこれ…価値なんてないだろうそんなもんに」
「フフ、認識のズレを正そう。ラーズ見せてくれ」
僕は銃を返してもらうと、事前の打ち合わせ通りテーブルの上でそれをばらし始めた。
店番をするのは3m以上は確実にあるオーガと呼ばれる人種のドクさんで、頭に立派な二本の角と牙が生えている筋肉隆々の大男だ。
彼もまた黒い首輪をつけている。エンビーさん曰くそれはベルモントさんの奴隷の証だそうだ。首輪をしている者は皆、過去に大罪を犯し、ベルモントさんに拉致られてこの島で奴隷として働かされているらしい。
ドクさんのそのはちきれんばかりの腕はエンビーさんの胴体より太い。
冗談で「たくさん生き血を吸ってそうな腕ですね」と言ったら、「生き血は口からしか吸えないだろ」と笑われた。
う~んどっちなんだろう…、反応に困るな…。
エンビーさんが上目遣いでドクさんに銃を見せると、お店の裏に併設されている広場へと案内された。そこには高さ3m以上大人の胴体程の太さがある丸太が、乱雑に地面に突き刺さっていた。戦場に一時的に作られる死者を弔う墓標群にも見えた。
「罪を悔い改める為に一本づつ差したのですか」と聞いたら、「それだと数が足らなすぎるな」とまた笑われた。
本当どっちなんだろう…、冗談に聞こえないんだけど。
とりあえず銃の威力を見せる為、僕は突き刺さっている一本の丸太に向けて射撃を開始する。銃弾によって表皮が弾けた丸太を見ていたドクさん。その表情は、横目で見てもかんばしくない。
「う~ん、威力がないな。爆発の反動で連射できるようにするって発想は面白いがな…」
「その様子だと銃自体は既にあったようだな」
「そういえばエンビーは第7世界の人間だったな。法銃ってのが他の世界にはあるだ。弾は魔力で出来た魔弾だがな」
二人の会話を盗み聞きしつつ、弾倉の球数を確認した。
必要な事とは言え僕の生命線である弾の残りがふと気になったからだ。
あと、いち、にい、さん、よん…。
あれ、おかしい。弾が一発も減ってない!なんでだ??
「俺がまだベルモントの奴隷になる前は金属玉の大砲が普通に使われたんだが、幾つもの産業を滅ぼした魔弾技術が確立してから、金属弾系は絶滅したな」
「物質が魔力との縄張り争いに負けることは世の常さ、仕方ないことだな」
「これはやっぱりお金にならないってこと?コピー品作っても」
ドクさんの足元から質問を投げかける。ドクさんはこちらをちらっと見てから近くにあった椅子に座っておもむろに葉巻を吸いだした。
「まずこれを欲しがる人間が少ないな。それに武器にしては火力が弱いし、弾の供給問題が付きまとうとなると、これが魔弾系を抑えて大量に売れるのは奇跡に近い。異世界の品って触れ込みで、模倣品プラスその他諸々の権利を、物好きにオークションで売るっていうなら話は別だが。次に開かれるのは3年後だ」
3年は無理だ。最終的にはそうなるかもしれないが、今は選択肢の中に入れられない。
ベルモントさんの口ぶりから、恐らく足切りのような期限ある状況では、僕は可能な限り早く先に進まなければならないから。
「それでエンビー。俺の推薦でオークションのカタログにこれを乗せて欲しいって話できたのか?まさか俺にコピー品を売りつけようって話なら、もちろん願い下げだ」
「どちらも違う。ドクにはをこの銃について知る権利を買って欲しい」
「知る権利だと?元となったのが異世界の製品だって言ったって、とどのつまり火薬の爆発で金属弾飛ばすだけだろこれ…価値なんてないだろうそんなもんに」
「フフ、認識のズレを正そう。ラーズ見せてくれ」
僕は銃を返してもらうと、事前の打ち合わせ通りテーブルの上でそれをばらし始めた。
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