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────3話*俺のものだから
15・誤解と嫉妬と束縛【R】
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****♡Side・副社長(皇)
「そんな簡単に、別れるとか言うなよ。離婚したら毎月養育費だって払わなきゃいけなくなるんだし、慰謝料だって請求されるんだぞ」
「それでも、皇と付き合えるなら構わない」
「そこまでの、価値。俺にはないよ」
皇は自宅を拝見したいと言われ、自宅マンションへ向かっていた。社長が待っているとも知らずに。
「それに、重いよ。そういうの」
元々、好意を寄せている相手ではないのに家庭を壊してまで想われるのは、皇にとって重荷でしかない。黒岩は皇の言葉に眉を寄せた。
「社長ならいいのかよ」
「あの人はそんなんじゃ……」
否定しようとして先ほどの言葉が蘇る。
『僕と恋愛をしよう、皇くん』
優しい声音で囁かれた、甘い言葉。あの人は、皇の良いところも悪いところも全て知った上で傍に置こうとした。尊敬も感謝もしているが恋ではない、信頼だ。身体の関係を二度ほど持ったが、それは互いの性欲の処理であって”不倫ではない”と思いたかった。
しかしああ言われてしまっては、否定できなくなってくる。
「なんでちゃんと否定しないんだ? いつもなら……まさか」
「社長だ」
「は?」
マンション前のロータリーに見知った車が止まっていた。その車に寄り掛かる黒い影は、スラリと背の高いモデル体型の男性。社長である。皇は少し手前で車を停めると、車を降り彼の元へ。続いて黒岩も皇に続いた。
「社長、何か急用でも?」
いつも穏やかな社長はどうやらイライラしているようで、皇が近づくと腕を掴まれ引き寄せられる。
──何か……怒ってる?
「皇くん」
名を呼ばれ彼を見つめ返すと、
”家に男を連れ込むつもりか?”
と耳元で問われ、青ざめた。
完全に誤解されている。黒岩は家を見たいと言っただけなのに。
「皇くんと仕事の話がある。悪いが今日は遠慮してくれないか? 君のことは秘書に送らせるから」
黒岩は何か言いたげであったが、相手は社長。しかも仕事の話だと言っている以上、意見することはできなかった。
**
「んんッ……はあッ」
皇は、手首を拘束され社長に組み敷かれていた。先ほどの会話が脳裏を過る。言い訳などさせてもらえなかった。
『彼を連れ込んでどうするつもりだった?』
初めてだ、彼を怒らせたのは。いつだって、何をしたって彼が怒ったことはなく”君は君らしくいればいい”と言って微笑んでいたのに。
──その微笑みの意味に今頃気づくなんて、自分はなんて愚かなのだろう?
『昼間、あんなに愛してあげたのに。足りない? それとも、味をしめたのか?』
『そんなんじゃ……』
「いやッ……吸わな……んんッ」
皇は鈴口を強く吸われ、身を捩る。先ほどから、彼の中指が皇の蕾を出たり入ったりしていた。部屋には、自身の甘ったるい声と水音だけが響いている。
『今夜は君が満足するまで、相手をしてあげるよ』
皇は乱暴にベットに突き飛ばされ、怯んだ隙に手首を拘束されてしまった。
『そんな顔しないで。ちゃんと優しくしてあげるから』
『あッ……』
後ろから優しく胸を撫でられて、胸の突起をつままれ、皇は瞳を閉じる。抵抗しても無駄なのだ。彼は話など聞いてはくれない。
それほど腹を立てているのだ、他の男を家に招いたことに。
「そんな簡単に、別れるとか言うなよ。離婚したら毎月養育費だって払わなきゃいけなくなるんだし、慰謝料だって請求されるんだぞ」
「それでも、皇と付き合えるなら構わない」
「そこまでの、価値。俺にはないよ」
皇は自宅を拝見したいと言われ、自宅マンションへ向かっていた。社長が待っているとも知らずに。
「それに、重いよ。そういうの」
元々、好意を寄せている相手ではないのに家庭を壊してまで想われるのは、皇にとって重荷でしかない。黒岩は皇の言葉に眉を寄せた。
「社長ならいいのかよ」
「あの人はそんなんじゃ……」
否定しようとして先ほどの言葉が蘇る。
『僕と恋愛をしよう、皇くん』
優しい声音で囁かれた、甘い言葉。あの人は、皇の良いところも悪いところも全て知った上で傍に置こうとした。尊敬も感謝もしているが恋ではない、信頼だ。身体の関係を二度ほど持ったが、それは互いの性欲の処理であって”不倫ではない”と思いたかった。
しかしああ言われてしまっては、否定できなくなってくる。
「なんでちゃんと否定しないんだ? いつもなら……まさか」
「社長だ」
「は?」
マンション前のロータリーに見知った車が止まっていた。その車に寄り掛かる黒い影は、スラリと背の高いモデル体型の男性。社長である。皇は少し手前で車を停めると、車を降り彼の元へ。続いて黒岩も皇に続いた。
「社長、何か急用でも?」
いつも穏やかな社長はどうやらイライラしているようで、皇が近づくと腕を掴まれ引き寄せられる。
──何か……怒ってる?
「皇くん」
名を呼ばれ彼を見つめ返すと、
”家に男を連れ込むつもりか?”
と耳元で問われ、青ざめた。
完全に誤解されている。黒岩は家を見たいと言っただけなのに。
「皇くんと仕事の話がある。悪いが今日は遠慮してくれないか? 君のことは秘書に送らせるから」
黒岩は何か言いたげであったが、相手は社長。しかも仕事の話だと言っている以上、意見することはできなかった。
**
「んんッ……はあッ」
皇は、手首を拘束され社長に組み敷かれていた。先ほどの会話が脳裏を過る。言い訳などさせてもらえなかった。
『彼を連れ込んでどうするつもりだった?』
初めてだ、彼を怒らせたのは。いつだって、何をしたって彼が怒ったことはなく”君は君らしくいればいい”と言って微笑んでいたのに。
──その微笑みの意味に今頃気づくなんて、自分はなんて愚かなのだろう?
『昼間、あんなに愛してあげたのに。足りない? それとも、味をしめたのか?』
『そんなんじゃ……』
「いやッ……吸わな……んんッ」
皇は鈴口を強く吸われ、身を捩る。先ほどから、彼の中指が皇の蕾を出たり入ったりしていた。部屋には、自身の甘ったるい声と水音だけが響いている。
『今夜は君が満足するまで、相手をしてあげるよ』
皇は乱暴にベットに突き飛ばされ、怯んだ隙に手首を拘束されてしまった。
『そんな顔しないで。ちゃんと優しくしてあげるから』
『あッ……』
後ろから優しく胸を撫でられて、胸の突起をつままれ、皇は瞳を閉じる。抵抗しても無駄なのだ。彼は話など聞いてはくれない。
それほど腹を立てているのだ、他の男を家に招いたことに。
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