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────0話*出会いと恋
13・錯覚と本音【R】
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****side■電車
「ほら、大丈夫。全部入ったよ」
「お前ッ」
塩田でも怖かったのだろうか、目に涙を浮かべている。そんな彼を愛しく感じ、彼の顎を捕らえると口づけた。舌を絡め深く深く。
──このまま俺のものになればいいのに。
まあ、無理なのは分かってるけど。
「これ、解けよ」
「逃げるでしょ?」
「手首痛い」
塩田はじっと自分の手首を見つめて。電車はそんな彼に、もう一度口づけると手を拘束しているネクタイに指をかける。塩田は驚いた表情をして電車を見た。
「解いてあげるよ」
──まったく、どんだけ強く縛ってるんだよ。
あの副社長は。
手首の拘束を解くと赤くなっている。怒りがこみ上げたが、今はそれどころではない。塩田はじっと手首を見つめていたが、腕を電車の首に巻きつけた。今度は電車が驚くほうである。
「塩田?」
「続き、するんだろ」
「ああ……」
──副社長をもう塩田には近づけさせたくない。
アイツはヘタクソすぎる。
「はあッ……」
ゆっくりと彼の蕾に電車自身を出し入れすると、彼は浅く息を漏らす。感じているとも気持ちいいとも言わないが、塩田の奥がきゅっと締まる。
「塩田」
「っ……やめ……」
電車は塩田自身に指を絡め、何度も口づけた。
「塩田が達かないと開放してもらえない」
「は?」
「達って、塩田」
「待てよ……電車は……?」
「俺はいいから」
電車は瞳を揺らす塩田に複雑な気持ちになる。
──塩田は俺のことが好きなわけじゃない。
でもそんな目で見つめられたら錯覚しちゃうだろ?
俺のこと好きかも……って。
好きだといったらどんな顔する?
なんて言うんだろう?
冗談くらいにしか思ってもらえないのかな。
「なんで……泣いて?」
涙を溢した電車に塩田が慌てる。困った表情をして、両手で電車の頬を包むとそっと口づけをくれた。
「塩田」
「ん?」
「好きだよ」
その身体をぎゅっと抱き締める、と溢れる思いを言葉にする。彼はふっと笑った。
「知ってる」
「……?」
「知ってるから、泣くなよ」
──すごく塩田が好きだ。
どうしよう……。
「俺、ちゃんとベットの上でしたい。だから……」
調子に乗るなと怒られるかと思ったら、
「早くイかせろよ」
と急かされた。
さすが塩田。再び手を動かし始めると彼は小さく声を漏らし電車の肩に顔を埋める。
「はあッ……」
「俺、塩田のこと好きでいてもいい?」
「好きにしろよ……」
──俺は甘かった。
ちゃんとおつき合い出来なきゃ、恋人になれなきゃ塩田を守れないこと分かってなかった。そしてそう簡単に塩田が恋人になってはくれないことも。
「んん……ッ」
彼は声を殺して電車の手を愛液で汚す。
「ごめん……」
電車は謝る彼に深く口づけたのだった。
「ほら、大丈夫。全部入ったよ」
「お前ッ」
塩田でも怖かったのだろうか、目に涙を浮かべている。そんな彼を愛しく感じ、彼の顎を捕らえると口づけた。舌を絡め深く深く。
──このまま俺のものになればいいのに。
まあ、無理なのは分かってるけど。
「これ、解けよ」
「逃げるでしょ?」
「手首痛い」
塩田はじっと自分の手首を見つめて。電車はそんな彼に、もう一度口づけると手を拘束しているネクタイに指をかける。塩田は驚いた表情をして電車を見た。
「解いてあげるよ」
──まったく、どんだけ強く縛ってるんだよ。
あの副社長は。
手首の拘束を解くと赤くなっている。怒りがこみ上げたが、今はそれどころではない。塩田はじっと手首を見つめていたが、腕を電車の首に巻きつけた。今度は電車が驚くほうである。
「塩田?」
「続き、するんだろ」
「ああ……」
──副社長をもう塩田には近づけさせたくない。
アイツはヘタクソすぎる。
「はあッ……」
ゆっくりと彼の蕾に電車自身を出し入れすると、彼は浅く息を漏らす。感じているとも気持ちいいとも言わないが、塩田の奥がきゅっと締まる。
「塩田」
「っ……やめ……」
電車は塩田自身に指を絡め、何度も口づけた。
「塩田が達かないと開放してもらえない」
「は?」
「達って、塩田」
「待てよ……電車は……?」
「俺はいいから」
電車は瞳を揺らす塩田に複雑な気持ちになる。
──塩田は俺のことが好きなわけじゃない。
でもそんな目で見つめられたら錯覚しちゃうだろ?
俺のこと好きかも……って。
好きだといったらどんな顔する?
なんて言うんだろう?
冗談くらいにしか思ってもらえないのかな。
「なんで……泣いて?」
涙を溢した電車に塩田が慌てる。困った表情をして、両手で電車の頬を包むとそっと口づけをくれた。
「塩田」
「ん?」
「好きだよ」
その身体をぎゅっと抱き締める、と溢れる思いを言葉にする。彼はふっと笑った。
「知ってる」
「……?」
「知ってるから、泣くなよ」
──すごく塩田が好きだ。
どうしよう……。
「俺、ちゃんとベットの上でしたい。だから……」
調子に乗るなと怒られるかと思ったら、
「早くイかせろよ」
と急かされた。
さすが塩田。再び手を動かし始めると彼は小さく声を漏らし電車の肩に顔を埋める。
「はあッ……」
「俺、塩田のこと好きでいてもいい?」
「好きにしろよ……」
──俺は甘かった。
ちゃんとおつき合い出来なきゃ、恋人になれなきゃ塩田を守れないこと分かってなかった。そしてそう簡単に塩田が恋人になってはくれないことも。
「んん……ッ」
彼は声を殺して電車の手を愛液で汚す。
「ごめん……」
電車は謝る彼に深く口づけたのだった。
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