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━1章【HAPPY ENDには程遠い】━
10-1 君の隣【R】
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****♡side・美崎
「どこ行きたい?」
そんな質問されるのも初めてのことで、美崎は夢でも見てるのかと思った。
ロマンチックとは無縁、人の気持ちなんてお構い無し、押して押して押しまくる。
そんな鶴城から出た言葉だとは到底思えず、美崎はビックリ顔でしばらく彼を見上げていた。求めても無駄だと思っていたのにカバンの中には彼が買ってくれた猫のマグカップ。彼は美崎の為に一所懸命考えて行動しようとしてくれている。
「優也? ……え?!」
美崎は嬉しさのあまり、両腕を延ばすと思わず鶴城に抱きついた。
「ま……こと。好きだよ」
「!!」
ただの脳内筋肉、発情期の猿かと思っていたのに。
真っ直ぐで正義感が強くて、融通の利かない男。
そんな風に思っていたのに。
「優也、今なんて?」
「何度も言わすなッ」
往来だというのに、感情が押さえきれなくて。美崎の反応に、肩を竦めやれやれという仕草をしていた彼の腕が、背中にまわる。
「ほんと、このお姫様は」
──わがままで気が強いとでも言いたいのだろうか?
美崎がムッとしていると、耳元で“可愛い”と言われてしまい顔を赤らめた。
「優也、俺とつき合ってくれる気になった?」
「うーん」
「まだ駄目なのかよ」
“しょうがないな”と、呟くのが耳に入る。
「まあ、いいや。とりあえず帰ろうや」
彼は美崎から離れると、その手を掴んだ。
「ん?どうした?」
手を繋いで歩くのも初めてでドキドキが止まらない。
「なんだよ」
「どうもしてないッ!」
美崎の言葉に鶴城はククッと笑い、なんだか嬉しそうに歌を口ずさんでいたのだった。
**・**
「はぁッ……あ……んッ」
「どうしたんだよ、優也。今日は随分と夢中じゃね?」
「いいからッ……もっとッ」
対面座位で鶴城に下から突き上げられ、美崎は必死に彼にしがみついていた。
「んんッ……ああッ」
家に着くなり、鶴城に抱きつくと彼はすぐにその気になる。
だがそれでも猫のマグカップが壊れていないか確認するため、彼は箱から取り出すとリビングのテーブルの上に置いたのだった。
今、ベッドルームから見えるリビングのテーブルの上には、猫のマグカップがまるでラブラブの恋人同士のように並んでいる。
──ねえ、素直になっても君は変わらない?
俺を喜ばせようと努力する君のまま居てくれる?
大事にしてくれるのかな……
まだ、美崎には自信が持てない。
素直になったとたん、ぞんざいに扱われる可能性もある。
誰だって、好きな人には大切にされたい。
「優也」
「ああ……んッ」
彼に優しく名を呼ばれ、口づけされると美崎は蕩けそうになった。
──まだ、答えは見えない。
どうしたら自分に自信が持てるだろう?
「優也、気持ちいい?」
「んッ」
──ずっと鶴城に欲しがられていたい。
特別でいたい。
わがままかな?
「んんんッ……まこ……とッ」
「優也、可愛い」
鶴城が美崎をイかせてあげようと、美崎自身に指を絡め始めた。
「あッ……やぁッ」
「好きだよ、優也」
鶴城の優しい声。
「んッ……慎ッ……すき……」
「ッ!」
夢中になって呟くように溢した美崎に驚いた鶴城は、
「ごめん、イっちゃったよ」
と申し訳なさそうに謝罪の言葉を述べる。
「えーッ」
と抗議され鶴城はごめんと何度も謝って美崎を抱き締めてくれた。
**・**
鶴城はデートプランをどうしようかとスマホを見ながら唸っている。
鶴城の住むマンションのキッチンカウンター代わりに使っているワークテーブルは二人分の広さがあり、足の部分にすのこタイプの二段棚がついていた。
向こう側が見渡せる分、部屋を狭く見せない工夫とお洒落さの演出ができるもの。ホワイトウッド調で部屋を明るく見せている。
一緒に暮らそうという約束はしたものの、どちらの住まいも二人で暮らすには手狭であった。
「俺、インテリアショップと不動産屋に行きたいな」
デート先としてはどうなんだと思いつつも、そう鶴城に告げると意外な返事が返ってくる。
「引っ越し先の事なら大里に頼んである」
”そう言えば大里グループには、不動産部門もあったっけ?”と美崎はぼんやりと思案を巡らす。
”でも、いつの間に?”と美崎は思った。
美崎にとっては二つしたの後輩である大里は、入学当初はよく黒川を連れだって生徒会室や風紀委員会室に顔を見せていた。しかし六月辺りから”大崎 久隆”や”片倉 葵”とツルむようになり、こちらには姿を見せなくなっている。
そんな経緯があるので疑問に思った美崎が鶴城に問うと、“連絡先は交換してあるから”と、納得の返事。
「物件探してみる? 知り合いってことで安くしてくれるらしいし、担当者には連絡いってるらしいから」
鶴城は話をしている間にも大里と連絡を取ったようで、画面を見つめそう言った。
「うん」
「それと、親には許可もらった?ルームシェアのこと」
「それは大丈夫。うちは緩いから」
鶴城に同棲の返事をしてすぐに両親に連絡を入れていた。
美崎の家は、自由にのびのび。両親は共同生活での体験は得るものが多いとすぐに承諾してくれていたのである。
「どこ行きたい?」
そんな質問されるのも初めてのことで、美崎は夢でも見てるのかと思った。
ロマンチックとは無縁、人の気持ちなんてお構い無し、押して押して押しまくる。
そんな鶴城から出た言葉だとは到底思えず、美崎はビックリ顔でしばらく彼を見上げていた。求めても無駄だと思っていたのにカバンの中には彼が買ってくれた猫のマグカップ。彼は美崎の為に一所懸命考えて行動しようとしてくれている。
「優也? ……え?!」
美崎は嬉しさのあまり、両腕を延ばすと思わず鶴城に抱きついた。
「ま……こと。好きだよ」
「!!」
ただの脳内筋肉、発情期の猿かと思っていたのに。
真っ直ぐで正義感が強くて、融通の利かない男。
そんな風に思っていたのに。
「優也、今なんて?」
「何度も言わすなッ」
往来だというのに、感情が押さえきれなくて。美崎の反応に、肩を竦めやれやれという仕草をしていた彼の腕が、背中にまわる。
「ほんと、このお姫様は」
──わがままで気が強いとでも言いたいのだろうか?
美崎がムッとしていると、耳元で“可愛い”と言われてしまい顔を赤らめた。
「優也、俺とつき合ってくれる気になった?」
「うーん」
「まだ駄目なのかよ」
“しょうがないな”と、呟くのが耳に入る。
「まあ、いいや。とりあえず帰ろうや」
彼は美崎から離れると、その手を掴んだ。
「ん?どうした?」
手を繋いで歩くのも初めてでドキドキが止まらない。
「なんだよ」
「どうもしてないッ!」
美崎の言葉に鶴城はククッと笑い、なんだか嬉しそうに歌を口ずさんでいたのだった。
**・**
「はぁッ……あ……んッ」
「どうしたんだよ、優也。今日は随分と夢中じゃね?」
「いいからッ……もっとッ」
対面座位で鶴城に下から突き上げられ、美崎は必死に彼にしがみついていた。
「んんッ……ああッ」
家に着くなり、鶴城に抱きつくと彼はすぐにその気になる。
だがそれでも猫のマグカップが壊れていないか確認するため、彼は箱から取り出すとリビングのテーブルの上に置いたのだった。
今、ベッドルームから見えるリビングのテーブルの上には、猫のマグカップがまるでラブラブの恋人同士のように並んでいる。
──ねえ、素直になっても君は変わらない?
俺を喜ばせようと努力する君のまま居てくれる?
大事にしてくれるのかな……
まだ、美崎には自信が持てない。
素直になったとたん、ぞんざいに扱われる可能性もある。
誰だって、好きな人には大切にされたい。
「優也」
「ああ……んッ」
彼に優しく名を呼ばれ、口づけされると美崎は蕩けそうになった。
──まだ、答えは見えない。
どうしたら自分に自信が持てるだろう?
「優也、気持ちいい?」
「んッ」
──ずっと鶴城に欲しがられていたい。
特別でいたい。
わがままかな?
「んんんッ……まこ……とッ」
「優也、可愛い」
鶴城が美崎をイかせてあげようと、美崎自身に指を絡め始めた。
「あッ……やぁッ」
「好きだよ、優也」
鶴城の優しい声。
「んッ……慎ッ……すき……」
「ッ!」
夢中になって呟くように溢した美崎に驚いた鶴城は、
「ごめん、イっちゃったよ」
と申し訳なさそうに謝罪の言葉を述べる。
「えーッ」
と抗議され鶴城はごめんと何度も謝って美崎を抱き締めてくれた。
**・**
鶴城はデートプランをどうしようかとスマホを見ながら唸っている。
鶴城の住むマンションのキッチンカウンター代わりに使っているワークテーブルは二人分の広さがあり、足の部分にすのこタイプの二段棚がついていた。
向こう側が見渡せる分、部屋を狭く見せない工夫とお洒落さの演出ができるもの。ホワイトウッド調で部屋を明るく見せている。
一緒に暮らそうという約束はしたものの、どちらの住まいも二人で暮らすには手狭であった。
「俺、インテリアショップと不動産屋に行きたいな」
デート先としてはどうなんだと思いつつも、そう鶴城に告げると意外な返事が返ってくる。
「引っ越し先の事なら大里に頼んである」
”そう言えば大里グループには、不動産部門もあったっけ?”と美崎はぼんやりと思案を巡らす。
”でも、いつの間に?”と美崎は思った。
美崎にとっては二つしたの後輩である大里は、入学当初はよく黒川を連れだって生徒会室や風紀委員会室に顔を見せていた。しかし六月辺りから”大崎 久隆”や”片倉 葵”とツルむようになり、こちらには姿を見せなくなっている。
そんな経緯があるので疑問に思った美崎が鶴城に問うと、“連絡先は交換してあるから”と、納得の返事。
「物件探してみる? 知り合いってことで安くしてくれるらしいし、担当者には連絡いってるらしいから」
鶴城は話をしている間にも大里と連絡を取ったようで、画面を見つめそう言った。
「うん」
「それと、親には許可もらった?ルームシェアのこと」
「それは大丈夫。うちは緩いから」
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