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━2章【不器用な二人】━
6.5『本当の気持ち』
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****♡Side・鶴城
──言えるわけないだろ。あの後、自慰をして気まずいなんて。
浮気を疑われ、渋い顔をするしかなかった鶴城。本当のことも言う事ができず、矛先を変えてしまった。婚約は本気だが、こんな風な話の振り方を、彼はどう思ったのか。
真面目で、一途で純粋で。ロマンチックな美崎。
真面目な方だとは思うが、度々強引過ぎて、真面目に受け取って貰えない自分。余裕なんて全くないのに、余裕そうだと思われているに違いなかった。
「優也、あのさ」
彼が土産を買うのを待って、荷物を持つのを手伝いながら、
「ちゃんと、本気だし。真剣だから」
と、自分自身のフォローを入れる。
今まで、ただ強引だけだった鶴城。彼が、驚くのが分った。
「ちゃんと、考えてるよ」
と、彼。
「でも、流されたくないんだ。好きだし……一緒に居たいとは思ってるよ」
鶴城が真剣なことが伝わったのか、珍しく彼も素直に自分の気持ちを話してくれた。ちょっとの変化をとても喜んでいる自分がいて、戸惑う。
「好きだからこそ、慎重でありたいんだ。分かってくれるよな?」
と、彼。
その言葉には、不安が禁じ得なかった。
真剣に、慎重に考えたその先に、やはり鶴城とでは無理だという未来があるかも知れないのだ。どんなに努力したって、すぐに突っ走ってしまう自分。慎重な彼に合わせてあげられず、いつでも強引にことを進めてしまう自分。どう考えたって、相応しいとは言えない。彼にはもっと余裕がある、大人なな人が相応しいのかもしれない。だが、だからと言って鶴城には、美崎を諦めることなどできなかった。
美崎は鶴城にとって初めて我を通し、自分に気持ちを向けたいと思った相手なのだ。その為に、どんなに難しかろうが、自分を変えたいと本気で思った相手なのだ。
変わらない自分。
変われない自分。
そんな自分自身に苛立ちを感じる毎日。彼を心から幸せにしたいと、願っているくせに、傷つけてばかりいる自分。そんな自分が、どれほど嫌なのか。
「優也」
「うん?」
「優也の思い描く未来に、俺は居ることが出来るのかな……」
今度は珍しく弱気な鶴城に、彼が眉を寄せる。
「どうしたんだよ、急に。そんな弱気なこと言って。慎らしくない」
彼に、そう言われ鶴城は困った表情をした。
「俺は、優也が思っているほど、強くはないよ」
泊まっている部屋のドアをスライドさせ、先に彼を中に促すと続いて自分も中に入り、鍵をかける。出かける約束までは、まだ少し時間があった。
「俺はさ、怖いから。優也に拒まれるのが怖いから、強引なだけなんだよ」
上がりに土産を置くと、彼は鶴城からも荷物を受け取ってそれを隣に置いた。
「慎」
「ん?」
振り返った彼が、鶴城の首に自分の腕を巻きつける。
「抱いて」
「え?」
急な展開に目を見開く鶴城。どうしてそうなるのか分からない。
「お前の気持ち、本当の気持ちをさ。俺にぶつけてよ」
「優也……」
鶴城は真意を探るべく、じっと彼の瞳を覗き込んだのだった。
──言えるわけないだろ。あの後、自慰をして気まずいなんて。
浮気を疑われ、渋い顔をするしかなかった鶴城。本当のことも言う事ができず、矛先を変えてしまった。婚約は本気だが、こんな風な話の振り方を、彼はどう思ったのか。
真面目で、一途で純粋で。ロマンチックな美崎。
真面目な方だとは思うが、度々強引過ぎて、真面目に受け取って貰えない自分。余裕なんて全くないのに、余裕そうだと思われているに違いなかった。
「優也、あのさ」
彼が土産を買うのを待って、荷物を持つのを手伝いながら、
「ちゃんと、本気だし。真剣だから」
と、自分自身のフォローを入れる。
今まで、ただ強引だけだった鶴城。彼が、驚くのが分った。
「ちゃんと、考えてるよ」
と、彼。
「でも、流されたくないんだ。好きだし……一緒に居たいとは思ってるよ」
鶴城が真剣なことが伝わったのか、珍しく彼も素直に自分の気持ちを話してくれた。ちょっとの変化をとても喜んでいる自分がいて、戸惑う。
「好きだからこそ、慎重でありたいんだ。分かってくれるよな?」
と、彼。
その言葉には、不安が禁じ得なかった。
真剣に、慎重に考えたその先に、やはり鶴城とでは無理だという未来があるかも知れないのだ。どんなに努力したって、すぐに突っ走ってしまう自分。慎重な彼に合わせてあげられず、いつでも強引にことを進めてしまう自分。どう考えたって、相応しいとは言えない。彼にはもっと余裕がある、大人なな人が相応しいのかもしれない。だが、だからと言って鶴城には、美崎を諦めることなどできなかった。
美崎は鶴城にとって初めて我を通し、自分に気持ちを向けたいと思った相手なのだ。その為に、どんなに難しかろうが、自分を変えたいと本気で思った相手なのだ。
変わらない自分。
変われない自分。
そんな自分自身に苛立ちを感じる毎日。彼を心から幸せにしたいと、願っているくせに、傷つけてばかりいる自分。そんな自分が、どれほど嫌なのか。
「優也」
「うん?」
「優也の思い描く未来に、俺は居ることが出来るのかな……」
今度は珍しく弱気な鶴城に、彼が眉を寄せる。
「どうしたんだよ、急に。そんな弱気なこと言って。慎らしくない」
彼に、そう言われ鶴城は困った表情をした。
「俺は、優也が思っているほど、強くはないよ」
泊まっている部屋のドアをスライドさせ、先に彼を中に促すと続いて自分も中に入り、鍵をかける。出かける約束までは、まだ少し時間があった。
「俺はさ、怖いから。優也に拒まれるのが怖いから、強引なだけなんだよ」
上がりに土産を置くと、彼は鶴城からも荷物を受け取ってそれを隣に置いた。
「慎」
「ん?」
振り返った彼が、鶴城の首に自分の腕を巻きつける。
「抱いて」
「え?」
急な展開に目を見開く鶴城。どうしてそうなるのか分からない。
「お前の気持ち、本当の気持ちをさ。俺にぶつけてよ」
「優也……」
鶴城は真意を探るべく、じっと彼の瞳を覗き込んだのだった。
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