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━1章【HAPPY ENDには程遠い】━
11-2 恋人の証
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****♡side・美崎
「え? なにやってるわけ?」
高級レストランの個室。
鶴城が圭一に連絡をしたため、個室に通された。夜景も観えて素敵なのだが、料理がつくなり鶴城は夜景をバックに料理を挟んで記念撮影。
「ラブラブ写メ撮ってんだよ」
彼は至って真面目である。
「ふーん」
美崎は聞かなかったことにして、フォークとナイフを手に取った。成人していたらここはワインと洒落込みたいところだ。
「んまッ」
頬っぺた落ちそうなくらい柔らかくジューシーなステーキ肉に心は奪われていく。
「ほんとにここ、大崎先輩が奢ってくれるって?」
「おう。恋人記念。お祝いだってさ。うまっ」
「やっぱセレブは違うなぁ」
美崎はご機嫌だった。ちょっと前まで膨れっ面だったのだが。
と、言うのも鶴城と一緒にここへ来るはずだったのに、用があるから先に行けと彼に言われたから。なんだかんだで、美崎は鶴城に一人にされるのがイヤである。
「凄く、美味しい」
「それは良かった。美崎、これ」
鶴城はニコニコするとバックから小さな箱を取り出した。
「ん?」
──え?なんかこの光景。
映画やドラマでよく観るよ⁇
鶴城はそれをパカッとあけ、テーブルの上に置く。綺麗な彫り物のデザインがある、プラチナのペアリンク。
「恋人になったし、つけてくれるよね?」
美崎はそっと、手の甲を向けて左手を鶴城に差し出す。断る理由などない。
「え? いいの?」
むしろ、鶴城のほうがすんなり受け入れてくれたことに、驚いているようだ。
「恋人なので」
美崎は頬を染め微笑んだのだった。
ふと、美崎は思う。
自分はどんな風に慎を好きなのか話したことなんてなかったなと。
「引っ越しは日曜だ、楽しみだな」
手を繋ぎ家路をのんびりと歩きながら、美崎は時々ショーウィンドーに目を向ける。鶴城は強引だけれど、いつだってすぐに想いを口にしてくれていたなと思いながら。
「これでずっと、優也と一緒にいられる」
「いつもと変わらないだろ」
互いの家を行ったり来たりしていたものの、結局はいつも一緒だった。
「全然違う。恋人だし、名実ともに俺のものだ」
何故そんなに自分に執着してくれるのか?
いまだに謎で理解できてはいない。
「帰ったら何する?」
「荷造りかな」
鶴城の言葉にちょっぴりガッカリとした。引越しは明日だから今からやらないといけないけれど。
「でも、明日の昼はどこか食べに行こうか」
まるで美崎のガッカリが伝わったかのように鶴城が提案をしてくれるので、無意識にとても嬉しそうな顔をしていたようだ。別にランチを楽しみたいとか、そういうわけではない。恋人同士になった初めての日曜日だからどこかへ出掛けたいだけなのだ。
「何食べたいか考えておいて」
鶴城の言葉に頷くが、まさか外出先で意外な二人に出くわすことになろうとはこの時の美崎には知る由もなく。
月は二人を優しく包んで、恋人たちを祝福しているかのような夜だった。
「え? なにやってるわけ?」
高級レストランの個室。
鶴城が圭一に連絡をしたため、個室に通された。夜景も観えて素敵なのだが、料理がつくなり鶴城は夜景をバックに料理を挟んで記念撮影。
「ラブラブ写メ撮ってんだよ」
彼は至って真面目である。
「ふーん」
美崎は聞かなかったことにして、フォークとナイフを手に取った。成人していたらここはワインと洒落込みたいところだ。
「んまッ」
頬っぺた落ちそうなくらい柔らかくジューシーなステーキ肉に心は奪われていく。
「ほんとにここ、大崎先輩が奢ってくれるって?」
「おう。恋人記念。お祝いだってさ。うまっ」
「やっぱセレブは違うなぁ」
美崎はご機嫌だった。ちょっと前まで膨れっ面だったのだが。
と、言うのも鶴城と一緒にここへ来るはずだったのに、用があるから先に行けと彼に言われたから。なんだかんだで、美崎は鶴城に一人にされるのがイヤである。
「凄く、美味しい」
「それは良かった。美崎、これ」
鶴城はニコニコするとバックから小さな箱を取り出した。
「ん?」
──え?なんかこの光景。
映画やドラマでよく観るよ⁇
鶴城はそれをパカッとあけ、テーブルの上に置く。綺麗な彫り物のデザインがある、プラチナのペアリンク。
「恋人になったし、つけてくれるよね?」
美崎はそっと、手の甲を向けて左手を鶴城に差し出す。断る理由などない。
「え? いいの?」
むしろ、鶴城のほうがすんなり受け入れてくれたことに、驚いているようだ。
「恋人なので」
美崎は頬を染め微笑んだのだった。
ふと、美崎は思う。
自分はどんな風に慎を好きなのか話したことなんてなかったなと。
「引っ越しは日曜だ、楽しみだな」
手を繋ぎ家路をのんびりと歩きながら、美崎は時々ショーウィンドーに目を向ける。鶴城は強引だけれど、いつだってすぐに想いを口にしてくれていたなと思いながら。
「これでずっと、優也と一緒にいられる」
「いつもと変わらないだろ」
互いの家を行ったり来たりしていたものの、結局はいつも一緒だった。
「全然違う。恋人だし、名実ともに俺のものだ」
何故そんなに自分に執着してくれるのか?
いまだに謎で理解できてはいない。
「帰ったら何する?」
「荷造りかな」
鶴城の言葉にちょっぴりガッカリとした。引越しは明日だから今からやらないといけないけれど。
「でも、明日の昼はどこか食べに行こうか」
まるで美崎のガッカリが伝わったかのように鶴城が提案をしてくれるので、無意識にとても嬉しそうな顔をしていたようだ。別にランチを楽しみたいとか、そういうわけではない。恋人同士になった初めての日曜日だからどこかへ出掛けたいだけなのだ。
「何食べたいか考えておいて」
鶴城の言葉に頷くが、まさか外出先で意外な二人に出くわすことになろうとはこの時の美崎には知る由もなく。
月は二人を優しく包んで、恋人たちを祝福しているかのような夜だった。
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