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────2章【新しい日々】
1 期待に満ちた新たな一歩
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****♡Side・葵
部屋の片づけが終わると久隆が一通り屋敷を案内してくれるというので、四人で屋敷探索。中央館三階は家族の個々の部屋が並んでおり、父と兄の部屋だけは勝手に入らないようにといわれる。もちろん個人の部屋に勝手に入る趣味は持ち合わせていない。
中央館の二階には広いリビングやオーディオルーム、シアタールームなどがあった。
一階にはエントランス。グランドピアノが置いてあり、分からないようにエレベーターが設置されている。そのそのまま一階を奥へ(南)歩いて行くと大食堂。大食堂から直接繋がってはいないがそのさらに奥には大浴場があるらしい。地下には多目的ルームやカラオケなどの設備もあるようだ。
エントランスから左手が西の館。従業員食堂などがあり、ライトアップされた大きな庭があるのもこちらだ。ゲームルームがあるのも西の館。
東の館には一階にパソコンルーム、旅行雑誌が置いてあるスペース。二階は客室、三階には図書室があるらしい。そして大きな裏庭にはテニスコートとバスケットコートが。これが大崎邸の概要である。とてつもなく充実した設備に、さすが大崎グループの社長宅だなと感心する、葵。
「気に入ってくれた?」
と、久隆。
葵は大きく頷いた。
「サクっ、あとで狩り行こうよ。アカウント持ってたよね」
と葵が咲夜の腕に自分の腕を絡めおねだりする。
すると彼は優しい笑みを葵に向けた。しかし何故か反応したのは久隆。
「え、俺もやりたい」
と。
ゲームルームやパソコンルームがある屋敷に住んでいる久隆ではあったが、どうも彼とゲームが結びつかなかった為、葵はきょとんとしてしまう。
「俺も混ざっちゃダメ? 聖ってこの手のゲーム全然ダメでさ」
と、ぼやいている。
葵は咲夜と顔を見合わせた後、ニコッと笑うと、
「もちろん良いよ。四人の方が楽しいし」
と返答する。
「聖、足引っ張るなよな」
と、久隆は【大里聖】の方を嫌そうに見た。
どんだけ下手くそなんだろうかと、葵は思わず笑ってしまう。彼らとはなんだか仲良くなれそうな気がしていた。
「三乙して、その辺でのたれ死んでたら怒るからね!」
「いや、だから。こういうの苦手なんだって」
学園でセレブともてはやされている二人も、ただの男の子なんだなと思うと感慨深い。
「聞いてくれる?葵ちゃん。 聖ったら開始早々一乙する、ありえないくらいのドヘタクソなんだよ」
「指さすなよ。あれはボタン間違えただけじゃないか」
と聖が久隆の指を握りこむ。
「ボタン間違えて、肉ばっか食ってるとかありえないから!」
揉める二人に、咲夜も笑いを堪えきれないのか腕で口元を抑え笑っている。
どうやら楽しくなりそうだなと葵は思うのだった。
部屋の片づけが終わると久隆が一通り屋敷を案内してくれるというので、四人で屋敷探索。中央館三階は家族の個々の部屋が並んでおり、父と兄の部屋だけは勝手に入らないようにといわれる。もちろん個人の部屋に勝手に入る趣味は持ち合わせていない。
中央館の二階には広いリビングやオーディオルーム、シアタールームなどがあった。
一階にはエントランス。グランドピアノが置いてあり、分からないようにエレベーターが設置されている。そのそのまま一階を奥へ(南)歩いて行くと大食堂。大食堂から直接繋がってはいないがそのさらに奥には大浴場があるらしい。地下には多目的ルームやカラオケなどの設備もあるようだ。
エントランスから左手が西の館。従業員食堂などがあり、ライトアップされた大きな庭があるのもこちらだ。ゲームルームがあるのも西の館。
東の館には一階にパソコンルーム、旅行雑誌が置いてあるスペース。二階は客室、三階には図書室があるらしい。そして大きな裏庭にはテニスコートとバスケットコートが。これが大崎邸の概要である。とてつもなく充実した設備に、さすが大崎グループの社長宅だなと感心する、葵。
「気に入ってくれた?」
と、久隆。
葵は大きく頷いた。
「サクっ、あとで狩り行こうよ。アカウント持ってたよね」
と葵が咲夜の腕に自分の腕を絡めおねだりする。
すると彼は優しい笑みを葵に向けた。しかし何故か反応したのは久隆。
「え、俺もやりたい」
と。
ゲームルームやパソコンルームがある屋敷に住んでいる久隆ではあったが、どうも彼とゲームが結びつかなかった為、葵はきょとんとしてしまう。
「俺も混ざっちゃダメ? 聖ってこの手のゲーム全然ダメでさ」
と、ぼやいている。
葵は咲夜と顔を見合わせた後、ニコッと笑うと、
「もちろん良いよ。四人の方が楽しいし」
と返答する。
「聖、足引っ張るなよな」
と、久隆は【大里聖】の方を嫌そうに見た。
どんだけ下手くそなんだろうかと、葵は思わず笑ってしまう。彼らとはなんだか仲良くなれそうな気がしていた。
「三乙して、その辺でのたれ死んでたら怒るからね!」
「いや、だから。こういうの苦手なんだって」
学園でセレブともてはやされている二人も、ただの男の子なんだなと思うと感慨深い。
「聞いてくれる?葵ちゃん。 聖ったら開始早々一乙する、ありえないくらいのドヘタクソなんだよ」
「指さすなよ。あれはボタン間違えただけじゃないか」
と聖が久隆の指を握りこむ。
「ボタン間違えて、肉ばっか食ってるとかありえないから!」
揉める二人に、咲夜も笑いを堪えきれないのか腕で口元を抑え笑っている。
どうやら楽しくなりそうだなと葵は思うのだった。
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