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26)爆走チャリ娘
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その昔、自転車に乗っているJKを盗み撮りをした映像を見まくったものである。
あれは僕の最も好きなシリーズの一つで、出回っているモノはほぼ全てコンプリートしたはずだ。
あのシリーズのマニアである僕だからわかっていたことではあるが、スカートで自転車に乗っても意外と見えないものなのである。
かなりの低位置にカメラをポジショニングしないと、スカートの中なんて写らない。
小津安二郎のカメラマンを連れて来るくらいのことをしなければ、無理ってわけだ。
きっと、小津安二郎のカメラマンは、鬼籍に入られただろう。だから僕たちは永遠に自転車に乗っているJKのスカートの中を撮影することは不可能なのだ。
と、まあ、そのような冗談は置いといて、別に小津のカメラマンを連れてこなくても、自転車女子を映して、良い絵が撮れる方法を知っている。
勿体つけるわけじゃないけど、まずはキーワードだけを放り投げようか。
「後ろ」、「坂」、「立ち漕ぎ」、「風」である。
自転車で坂を上るのはきつい。ペダルはとても重くなる。
必然的に運転手は(自転車を乗っている人のことである、操縦者のほうがいいのだろうか)ペダルの上に立ち上がる。
立ち漕ぎだ。サドルから立ち上がるわけだ。立ちながら必死にペダルを踏む。
ペダルに力を込めるために、腰を左右に振ることもあるだろう。その姿に魅惑を感じる人もいる。僕はその一人なのかもしれない。
そして自転車は移動する。車輪が回転して、前に進む駆動力を手に入れる。
そのときスピードが発生するのだ。
すると何が起きるのか、向かい風、つむじ風、上昇気流、風のことはよくわからないけれど、運転手(操縦者)の周りを風が吹きすさむ。
軽い物は、風に吹かれ、なびき、揺れて、乱される。それが自然の摂理。
軽い物とはつまり、髪の毛、ネクタイ、そしてスカート。
僕も後部座席でカメラを構えている。そのバイクを運転するのはAD。
若いADだ。顔にニキビがある。丸坊主だったのを放ったらかして伸びた髪の毛、決して清潔感はない。身体は大きい。笑顔はない。
けっこう不気味である。独り言が多いのである。
そしてこの男、ともでもなくヤバい奴だっていうことを、僕は思い出し始めた。
美咲ちゃんの撮影のとき、彼が異常な情熱を持って、彼女の水着姿を盗み見していた場面。そのとき、彼のラフな短パンは、異常な盛り上がりを示していたではないか。
僕はそんな場面を見たような気がする。
いや、あまりにヤバい場面だったので、自分の記憶の外にそっと追い出したくなって、何て言うか、あれは僕の錯覚だったんじゃないかって自己暗示をかけて、その出来事を忘れようとしていた。
だって嫌なのだ。彼のような人物が、この撮影現場に居ることが。それを僕は認めることが出来ないのだ。
それほど嫌悪しているのに、彼の運転しているバイクに乗って、僕は今、彼に命を預けているわけであるが。
このADがあのヤバい奴だってことを思い出していれば、彼にこの任務を与えることはなかったさ。
まあ、いい。とにかく普通に運転してくれれば。
このシーンの撮影が終われば、彼のことは徹底的に無視しよう。
ところで、自転車のサドルに座る女性の後ろ姿の美しさ、これはいったい何なんだろうか。
背筋をぐっと伸ばし、少しだけ腰を浮かせた姿勢、それがエロいのだろうか。
自転車に乗っているときだけ、身に纏うその姿勢。その腰とお尻のシェイプ。
ゆかりちゃんが自転車に乗る後ろ姿もヤバかった。当然だよ。ゆかりちゃんと出会ったときから、それには気づいていた。
サドルに載せられたお尻の重み。その何とも言えない重量感。僕はその姿にカメラを向ける。
その姿を撮影出来ているだけで、後ろからバイクで追走して撮影していることに意味はあっただろう。
しかし坂である。その自転車は坂に差し掛かりつつあった。
軽快だったペダルは徐々に重くなってきたようだ。
彼女は立ち漕ぎを始める。
スカートが解き放たれた。今まではサドルに座って、スカートの裾は押さえつけられていたのだけど、それが自由になった。
そしてゆかりちゃんの周りに、風が吹き始めたようである。
スカートの裾がパタパタと揺れ始める。そのせいで、これまで隠れていた太ももの一部が見えたりする。
運転手のADがごくりと生唾を飲み込む音が聞こえた。
こいつ、興奮しているな。しかしそれは僕も同じだった。僕もごくりと唾を飲み込む。
ああ、もう時間の問題だ。乱れ始めたスカートの裾はきっといずれ、めくれあがってしまうだろう。
そのとき僕たちは目撃者になるのだ。
あれは僕の最も好きなシリーズの一つで、出回っているモノはほぼ全てコンプリートしたはずだ。
あのシリーズのマニアである僕だからわかっていたことではあるが、スカートで自転車に乗っても意外と見えないものなのである。
かなりの低位置にカメラをポジショニングしないと、スカートの中なんて写らない。
小津安二郎のカメラマンを連れて来るくらいのことをしなければ、無理ってわけだ。
きっと、小津安二郎のカメラマンは、鬼籍に入られただろう。だから僕たちは永遠に自転車に乗っているJKのスカートの中を撮影することは不可能なのだ。
と、まあ、そのような冗談は置いといて、別に小津のカメラマンを連れてこなくても、自転車女子を映して、良い絵が撮れる方法を知っている。
勿体つけるわけじゃないけど、まずはキーワードだけを放り投げようか。
「後ろ」、「坂」、「立ち漕ぎ」、「風」である。
自転車で坂を上るのはきつい。ペダルはとても重くなる。
必然的に運転手は(自転車を乗っている人のことである、操縦者のほうがいいのだろうか)ペダルの上に立ち上がる。
立ち漕ぎだ。サドルから立ち上がるわけだ。立ちながら必死にペダルを踏む。
ペダルに力を込めるために、腰を左右に振ることもあるだろう。その姿に魅惑を感じる人もいる。僕はその一人なのかもしれない。
そして自転車は移動する。車輪が回転して、前に進む駆動力を手に入れる。
そのときスピードが発生するのだ。
すると何が起きるのか、向かい風、つむじ風、上昇気流、風のことはよくわからないけれど、運転手(操縦者)の周りを風が吹きすさむ。
軽い物は、風に吹かれ、なびき、揺れて、乱される。それが自然の摂理。
軽い物とはつまり、髪の毛、ネクタイ、そしてスカート。
僕も後部座席でカメラを構えている。そのバイクを運転するのはAD。
若いADだ。顔にニキビがある。丸坊主だったのを放ったらかして伸びた髪の毛、決して清潔感はない。身体は大きい。笑顔はない。
けっこう不気味である。独り言が多いのである。
そしてこの男、ともでもなくヤバい奴だっていうことを、僕は思い出し始めた。
美咲ちゃんの撮影のとき、彼が異常な情熱を持って、彼女の水着姿を盗み見していた場面。そのとき、彼のラフな短パンは、異常な盛り上がりを示していたではないか。
僕はそんな場面を見たような気がする。
いや、あまりにヤバい場面だったので、自分の記憶の外にそっと追い出したくなって、何て言うか、あれは僕の錯覚だったんじゃないかって自己暗示をかけて、その出来事を忘れようとしていた。
だって嫌なのだ。彼のような人物が、この撮影現場に居ることが。それを僕は認めることが出来ないのだ。
それほど嫌悪しているのに、彼の運転しているバイクに乗って、僕は今、彼に命を預けているわけであるが。
このADがあのヤバい奴だってことを思い出していれば、彼にこの任務を与えることはなかったさ。
まあ、いい。とにかく普通に運転してくれれば。
このシーンの撮影が終われば、彼のことは徹底的に無視しよう。
ところで、自転車のサドルに座る女性の後ろ姿の美しさ、これはいったい何なんだろうか。
背筋をぐっと伸ばし、少しだけ腰を浮かせた姿勢、それがエロいのだろうか。
自転車に乗っているときだけ、身に纏うその姿勢。その腰とお尻のシェイプ。
ゆかりちゃんが自転車に乗る後ろ姿もヤバかった。当然だよ。ゆかりちゃんと出会ったときから、それには気づいていた。
サドルに載せられたお尻の重み。その何とも言えない重量感。僕はその姿にカメラを向ける。
その姿を撮影出来ているだけで、後ろからバイクで追走して撮影していることに意味はあっただろう。
しかし坂である。その自転車は坂に差し掛かりつつあった。
軽快だったペダルは徐々に重くなってきたようだ。
彼女は立ち漕ぎを始める。
スカートが解き放たれた。今まではサドルに座って、スカートの裾は押さえつけられていたのだけど、それが自由になった。
そしてゆかりちゃんの周りに、風が吹き始めたようである。
スカートの裾がパタパタと揺れ始める。そのせいで、これまで隠れていた太ももの一部が見えたりする。
運転手のADがごくりと生唾を飲み込む音が聞こえた。
こいつ、興奮しているな。しかしそれは僕も同じだった。僕もごくりと唾を飲み込む。
ああ、もう時間の問題だ。乱れ始めたスカートの裾はきっといずれ、めくれあがってしまうだろう。
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