息吹アシスタント(息吹という名の援護人)

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103・サキュバスと12歳の少年に戻されてしまった息吹1

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103・サキュバスと12歳の少年に戻されてしまった息吹1


 本日は晴天なり! という言葉が世界に広がっていた。これにほどよい暖かさなんて表現が加算されると、平和ボケするのが人間にとって一番のシアワセだという歌詞がひねり出せそうな感じですらあった。

「うん?」

 午前10時過ぎ、息吹は〇〇駅の近くでうずくまっているひとりの女っていうのを目にした。天候も温度も人にやさしく、しかも活動の始まりという感じの時間帯には不似合いな姿。駅の入り口からちょい離れたところにある電柱を背に、気の毒な女をアピールするようにうずくまっていれば無視はできない。

「どうした?」
 
 息吹、うずくまっている女の前に立つと、少しばかり前かがみになる。

「うん?」

 息吹の声を聞いた女が小さな声を出して顔を上げる。ボブよりちょい長め、肩ギリギリって長さのミディアムレイヤーヘアって髪型、そしてふっくらな輪郭にビューティフルな色白が官能的な顔、動物に例えるなかわいい子犬混じりみたいな、推定年齢は17歳くらい。

「わたしが見えるんだ?」

 女が軽くうれしそうな顔でそう言ったら、言われた息吹は何の事かわからないので思考の一部がちょっとつまづく。なんだこいつ……と一瞬思ってしまったが、声をかけてしまった以上は最後まで責任を果たそうと質問する。

「なんかあったか? 具合が悪いなら救急車でも呼ぼうか?」

 とりあえずそれくらいしておくかと思う息吹。

「心配してくれるんだ? やった! イケメンでやさしいとか上物」

 うほうほとばかり微笑ましいともエロいとも取れる笑みを浮かべながら女がスクっと立ち上がる。するとボワン! と豊満にしてやわらかそうってふくらみ具合が悩め香しく揺れ動く。それもそのはず、女はピンク色のパーカーを着ているが、エロい計算にのっとって前のジッパーをグッと下し、色白な肌と下にある無地のホワイトタンクトップを露出って格好。それがゆえ、すごい巨乳! ってステキな特徴は世の男性を苦しくさせるように目立つ。

「元気そうだな、じゃぁおれはこれで」

 息吹、変なのと関わりたくないということで、実にそっけなくつぶやきクルっと回れ右して歩き出す。

「あ、待って待って、なにそれ、それって冷たすぎるよ」

 女、シュパ! っと息吹の真横にたどり着き、すぐさま左側の腕を自分の豊かなふくらみにクゥっと抱き寄せる。そうすると女体のムッハー臭と心地よい弾力が息吹を包み込む。

「やめろよ……」

「え、なに、まさか同性愛っていうんじゃ……」

「アホか、おれは女が好きな男だ」

 バカ正直に答えてから息吹はちょっと後悔した。同性愛だと言っておけば女はどこかに消えてくれたのかな? と思ったゆえ。

「よかった、安心した。じゃぁ、ちょっとお礼させてよ」

「お礼?」

「心配してくれたお礼がしたい」

「いらねぇ……」

「やだ、絶対離さないからね」

 女は女であればワガママは許されるんだと心得たように甘くかわいくあざとく息吹の腕を胸に抱き寄せ、女体が持ついいニオイとやわらかい心地よさをたっぷり相手に伝え込む。

「べつに変な事をしようってわけじゃないよ。とりえず、あそこのマックに行こう。そこで何かおごるくらいはさせて欲しいな」

「それくらいならいいけど……年下で金とかだいじょうぶなのか?」

「やだ、そんな細かくやさしい心配をしてくれるなんて超大当たりかも」

「さっきからなんだよ当たりとか」

「ま、それはマックで向き合ってから話すよ」

 そうして女はまたさらにつよくギュッと巨乳ってふくらみに相手の腕を強く抱き寄せて歩き出す。一方の息吹、朝から変なのに関わってしまったなぁと思いつつ、マックで話をするくらいならいいかと思い付き合う事にした。


「で、お兄さんは何にするの?」

「じゃぁ、ベーコンエッグマックサンド セットで」

「はいはーい」

 こうして2人はそれぞれのトレーをもって2階に行くと、周囲に人があまりいない所で熱く見つめ合おうと言う女の提案で奥に進む。そして周りには他人がほとんどおらず、恋人が見つめ合うにはバッチリかも? なんて感じが漂う白いテーブルをはさんでお互いに着席。

「で、おまえの名前は?」

 息吹、座ったらすぐに質問を向かいの相手にぶつける。

「やだ、お兄さんってせっかち。こういう場合は男性から言うもんだよ。その方が女は果物みたいにトロっとなりやすいんだよ」

「ったく……おれは家満登息吹。まぁ……23歳だな」

「え、なにその変な言い方」

「ホストをやっていたら客の女に刺されて死んでしまった。まちがいなく地獄行きだろうなと思っていたら変な流れになって、人の心に寄り添えとかなんとかで舞い戻ったわけだ、ふつうの人間といっしょではないけどな」

 息吹はコーヒーに白いのを入れてグルグル混ぜながら、自分の事を女が理解できなくても全然いいとする。女の名前を聞いてちょっと会話し、それが終わったらハイさようなら! って展開を思い描いているのだから。

「へぇ、ホストかぁ。どうりでイケメン。しかもなんかかっこういい。息吹ってステキじゃん」

 女は中途半端に開いたパーカーよりあざとくこぼれるタンクトップの豊か過ぎるふくらみに片手を当てドギマギしてみせる。そんな姿を目にしながら息吹は聞いた。

「で、そっちの名前は?」

「わたし? わたしの名前はサキュバスなんだけど……それだけだとつまらないから、サキュバス望(のぞみ)にでもしておく」

「サキュバス望ぃ?」

 なんて変な名前だ、なんてローセンスだ、いったいどういう響きだなどと、息吹はあきれずにはいられなかった。
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