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ぶらり旅
思った以上に
しおりを挟む「ねえ、弘毅」
「なに?」
「ヒマなんだけど」
「まあね。でも奴等が出てこないからいいじゃん」
「でも少しはて出てきてもいいのに。じゃないと体がなまりそうだし」
「そうだね」
ビジネスホテルを種発してから既に1日が経過していた。安全な道でいくために山道を選んで進んでいるのだが、全く出ない!異常なほど出ない!ビックリするほど出ない!野宿してるときも出ない!二人とも熟睡しちゃったよ!いいの?
そのためか助席に座る零奈はすでに退屈ムード全快であった。
助席から後部座席に移動して寝たり、助席で寝たり、外を眺めたり、寝たり、しりとりしたり、寝たり、寝たり…………。うん、寝てばっかだな。
「でも、もうすぐ街が見えてくると思うよ」
「本当でしょうね」
「う、うん」
なんでこんなことで睨まれないといけないんだよ!
俺は気分転換にタバコを吸う。すると隣に座る零奈もタバコを吸い始める。タバコあるあるである。一人が吸い始めると連鎖して吸い始める。ま、俺的にはタバコ吸わないでって言われるよりマシだけどね。
「あ、ほら見えてきたよ」
右手をハンドルから離すと目的地の街を指差す。
「ホントだ。これでようやくお風呂に入れるわね」
「そうだね」
その前にまずは安全確保が先だけど。この世界で生きていく方法としては嫌なことより好きなこと。楽しいことを考えていた方が精神安定に繋がると俺はこの数日で知った。
ま、それはともかく早く次の街に入ろう。
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