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一章・・・宵の森
月日は流れて
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紅月と異世界に来て、半年が経った。
それで分かったのは、この“宵の森”は気候の変動が少ないらしい。気温も一定で、少し肌寒い位で、時々雨が降る程度だ。ここに居ると、季節の感覚がなくなりそうだ。
紅月いわく、外にはちゃんと四季があるらしい。
今では魔法もかなり板についてきた。魔法の制御と威力は紅月を凌ぐ程にまで成長し、紅月に《一人前の魔法使いだ》というお墨付きも貰った。
魔法を使った狩りも出来るようになり、食料調達は新月の役目になっていた。
「紅月さんただいま!今日はクマを仕留めたから鍋にしよう!」
「おかえり!熊鍋か・・・楽しみだね!」
実はこの狩りも、紅月による訓練の一環だったりする。気配を消すことも、気配を察知することも、森の中で命のやり取りをした方がしっかりと身に付く。
「なにか手伝うことはある?」
「ありません。食器を並べること以外はしないでください。この前も《大丈夫大丈夫!》とか言って、鍋爆発させたのは誰ですか?」
・・・紅月がメシマズだということも分かった。
仮に完成したとしても、見るも無残な状態であるため、料理は新月が担当することになった。
紅月が出来る調理法は、“丸焼き”オンリーである。
「はーい・・・」
台所では、力関係が逆転する。
「新月もだいぶ慣れてきたみたいだね。」
晩御飯を食べ終わり、チェストに食器をしまっていると、紅月に話しかけられる。
「まだまだですよ。この前なんて、バジリスクと間違えて、ヒュドラ持ってきちゃったじゃないですか。」
バジリスクもヒュドラも、見た目は蛇だが大きさが違うため、普通はわかるのだが・・・
「まぁ、“特徴は蛇だ”としか伝えてなかったしねー。この辺にヒュドラいたこと、忘れてたよ。」
「大きいから沢山肉とれる!と思ったらまさか違うなんて・・・ちゃんと勉強すれば良かったです。」
紅月は苦笑いをする。
「流石に図鑑はないからなぁー・・・
“世界の図書館”に検索機能があればいいんだけどね。」
「ちょっと見てみますね。」
目を瞑り、何も意識しないようにして“世界の図書館”を発動する。
*何を知りたいですか?
「おお、検索できそうですよ!」
「えっ、ほんと?便利だねー。」
とりあえず、“バジリスク”と入力してみる。
下の方にキーボードみたいなのがあった。
バジリスク
蛇の王。頭を上げて地面を這い、武器を伝って毒を送り込んでくる。頭に冠を着けており、ほかの蛇はその姿を見ると逃げてしまう。大きさは個体により差があるが四メートル程で、その胴回りは一メートルほど。
きちんと処理すれば、その肉はとても美味。
冒険者ギルドでは、S級危険モンスターとして登録されている。
※バジリスクと思われるモンスターの画像
「これは便利ですね。姿まで出てきましたよ。」
次に“ヒュドラ”と入力する。
ヒュドラ
毒蛇。複数の頭と巨大な体躯を持ち、その体液は猛毒を有する。吐いた息にも毒が含まれており、その毒は生き物の体を蝕む。
再生力が高く、体の一部を切り落としても再生する。断面を焼くと再生できなくなる。
妖族の暮らす国には、似た特徴を持つ八岐大蛇がいるが、ヒュドラとは別物である。
火を通しても毒は抜けないが、毒耐性Lv5以上を持っていれば美味しくいただける。
冒険者ギルドでは、災害級危険モンスターとして登録されている。
※ヒュドラと思われるモンスターの画像
「ヒュドラ猛毒じゃないですか!?」
「耐性持ってるから美味しく頂けたね。」
ガックリと肩を落とす。
「俺も持ってるってことですよね・・・」
脳裏に“全てのスキル使用許可”がよぎる。
(絶対これのせいだ・・・!)
チートの予感しかしない。
恐る恐る“全てのスキル使用許可”と入力してみる。
全てのスキル使用許可
努力によって入手可能なスキルから、生まれつきでしか持ち得ないスキルまでなんでも使える。蓮也のみが持つユニークスキル。ツクヨミが張り切って作った。
パッシブスキルは既にツクヨミが選りすぐったものが適用されており、アクティブスキルは任意で使用可能。
→適用されているパッシブスキルを表示しますか?
・・・無言で矢印のところをタップする。
適用されているパッシブスキル
状態異常耐性 LvMAX
精神異常耐性 LvMAX
苦痛耐性 LvMAX
熱耐性 LvMAX
寒冷耐性 LvMAX
空腹耐性 LvMAX
攻撃魔法耐性 LvMAX
身体能力向上
学習能力向上
運勢向上
暗闇との親和
水との親和
「これは、なんというか・・・どうなんだろう。」
毒も麻痺も効かない、魔法も効かない・・・
めでたくチートが追加された。
「便利でいいんじゃない?困らないし。」
そう軽く言わないで欲しい。
「でも、あくまで耐性ってだけだから、攻撃が通らないわけじゃないから気を付けてね。」
「あ、はい。」
紅月はニコニコしている。何が楽しいんだろうか。
「うん、それで話を戻したいんだけど、魔法にも慣れたところで武器にも慣れてもらおうと思ってね。物理攻撃が無効じゃないことも分かったことだし。」
ヒクッ、と頬が引き攣る。
目の前に並べられるあらゆる武器たち。チェストから出した時はあえて無視した存在たち。
テーブルだけには収まらず、ベッドの上にまで広げられる。大きいものから小さいものまで・・・
「・・・結構です。」
「ダメだよ。魔法が効かない敵もいるし、近くに来られたら何も出来ませんじゃいけない。
そんなの、《どうぞ食べてください》って言ってるようなものなんだから。」
紅月の目は真剣だ。冗談もからかいも、一切含んでいない。ついでに拒否することも認めていない。
「わ、かりました・・・」
武道をかじったことはあるが、武器となると重圧が違う。ゲームでさえ、戦闘を極力避けて畑仕事をするような奴だったのだ。
「とはいえ、新月は飛び道具の方が得意そうなんだよね。
・・・まあ、無難に剣から順番にやろうか。どれも扱えるにこしたことは無いし。」
新月は知らなかった。そして忘れていた。
これから地獄のような日々が待っていること、目の前の麗人は鬼であるということ・・・。
「そうですね、分かりました。」
分かっていたのなら、こんな軽い返事はしなかっただろう。新月は後々、とても後悔することになる。“意地でも一つにしてもらえば良かった”と。
To Be Continued・・・・・・
それで分かったのは、この“宵の森”は気候の変動が少ないらしい。気温も一定で、少し肌寒い位で、時々雨が降る程度だ。ここに居ると、季節の感覚がなくなりそうだ。
紅月いわく、外にはちゃんと四季があるらしい。
今では魔法もかなり板についてきた。魔法の制御と威力は紅月を凌ぐ程にまで成長し、紅月に《一人前の魔法使いだ》というお墨付きも貰った。
魔法を使った狩りも出来るようになり、食料調達は新月の役目になっていた。
「紅月さんただいま!今日はクマを仕留めたから鍋にしよう!」
「おかえり!熊鍋か・・・楽しみだね!」
実はこの狩りも、紅月による訓練の一環だったりする。気配を消すことも、気配を察知することも、森の中で命のやり取りをした方がしっかりと身に付く。
「なにか手伝うことはある?」
「ありません。食器を並べること以外はしないでください。この前も《大丈夫大丈夫!》とか言って、鍋爆発させたのは誰ですか?」
・・・紅月がメシマズだということも分かった。
仮に完成したとしても、見るも無残な状態であるため、料理は新月が担当することになった。
紅月が出来る調理法は、“丸焼き”オンリーである。
「はーい・・・」
台所では、力関係が逆転する。
「新月もだいぶ慣れてきたみたいだね。」
晩御飯を食べ終わり、チェストに食器をしまっていると、紅月に話しかけられる。
「まだまだですよ。この前なんて、バジリスクと間違えて、ヒュドラ持ってきちゃったじゃないですか。」
バジリスクもヒュドラも、見た目は蛇だが大きさが違うため、普通はわかるのだが・・・
「まぁ、“特徴は蛇だ”としか伝えてなかったしねー。この辺にヒュドラいたこと、忘れてたよ。」
「大きいから沢山肉とれる!と思ったらまさか違うなんて・・・ちゃんと勉強すれば良かったです。」
紅月は苦笑いをする。
「流石に図鑑はないからなぁー・・・
“世界の図書館”に検索機能があればいいんだけどね。」
「ちょっと見てみますね。」
目を瞑り、何も意識しないようにして“世界の図書館”を発動する。
*何を知りたいですか?
「おお、検索できそうですよ!」
「えっ、ほんと?便利だねー。」
とりあえず、“バジリスク”と入力してみる。
下の方にキーボードみたいなのがあった。
バジリスク
蛇の王。頭を上げて地面を這い、武器を伝って毒を送り込んでくる。頭に冠を着けており、ほかの蛇はその姿を見ると逃げてしまう。大きさは個体により差があるが四メートル程で、その胴回りは一メートルほど。
きちんと処理すれば、その肉はとても美味。
冒険者ギルドでは、S級危険モンスターとして登録されている。
※バジリスクと思われるモンスターの画像
「これは便利ですね。姿まで出てきましたよ。」
次に“ヒュドラ”と入力する。
ヒュドラ
毒蛇。複数の頭と巨大な体躯を持ち、その体液は猛毒を有する。吐いた息にも毒が含まれており、その毒は生き物の体を蝕む。
再生力が高く、体の一部を切り落としても再生する。断面を焼くと再生できなくなる。
妖族の暮らす国には、似た特徴を持つ八岐大蛇がいるが、ヒュドラとは別物である。
火を通しても毒は抜けないが、毒耐性Lv5以上を持っていれば美味しくいただける。
冒険者ギルドでは、災害級危険モンスターとして登録されている。
※ヒュドラと思われるモンスターの画像
「ヒュドラ猛毒じゃないですか!?」
「耐性持ってるから美味しく頂けたね。」
ガックリと肩を落とす。
「俺も持ってるってことですよね・・・」
脳裏に“全てのスキル使用許可”がよぎる。
(絶対これのせいだ・・・!)
チートの予感しかしない。
恐る恐る“全てのスキル使用許可”と入力してみる。
全てのスキル使用許可
努力によって入手可能なスキルから、生まれつきでしか持ち得ないスキルまでなんでも使える。蓮也のみが持つユニークスキル。ツクヨミが張り切って作った。
パッシブスキルは既にツクヨミが選りすぐったものが適用されており、アクティブスキルは任意で使用可能。
→適用されているパッシブスキルを表示しますか?
・・・無言で矢印のところをタップする。
適用されているパッシブスキル
状態異常耐性 LvMAX
精神異常耐性 LvMAX
苦痛耐性 LvMAX
熱耐性 LvMAX
寒冷耐性 LvMAX
空腹耐性 LvMAX
攻撃魔法耐性 LvMAX
身体能力向上
学習能力向上
運勢向上
暗闇との親和
水との親和
「これは、なんというか・・・どうなんだろう。」
毒も麻痺も効かない、魔法も効かない・・・
めでたくチートが追加された。
「便利でいいんじゃない?困らないし。」
そう軽く言わないで欲しい。
「でも、あくまで耐性ってだけだから、攻撃が通らないわけじゃないから気を付けてね。」
「あ、はい。」
紅月はニコニコしている。何が楽しいんだろうか。
「うん、それで話を戻したいんだけど、魔法にも慣れたところで武器にも慣れてもらおうと思ってね。物理攻撃が無効じゃないことも分かったことだし。」
ヒクッ、と頬が引き攣る。
目の前に並べられるあらゆる武器たち。チェストから出した時はあえて無視した存在たち。
テーブルだけには収まらず、ベッドの上にまで広げられる。大きいものから小さいものまで・・・
「・・・結構です。」
「ダメだよ。魔法が効かない敵もいるし、近くに来られたら何も出来ませんじゃいけない。
そんなの、《どうぞ食べてください》って言ってるようなものなんだから。」
紅月の目は真剣だ。冗談もからかいも、一切含んでいない。ついでに拒否することも認めていない。
「わ、かりました・・・」
武道をかじったことはあるが、武器となると重圧が違う。ゲームでさえ、戦闘を極力避けて畑仕事をするような奴だったのだ。
「とはいえ、新月は飛び道具の方が得意そうなんだよね。
・・・まあ、無難に剣から順番にやろうか。どれも扱えるにこしたことは無いし。」
新月は知らなかった。そして忘れていた。
これから地獄のような日々が待っていること、目の前の麗人は鬼であるということ・・・。
「そうですね、分かりました。」
分かっていたのなら、こんな軽い返事はしなかっただろう。新月は後々、とても後悔することになる。“意地でも一つにしてもらえば良かった”と。
To Be Continued・・・・・・
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